ひらり、 Vol.3 その3
「step in」や「図書室の姫ちゃん」などは、
はっきりとは示されていませんけれど、何だか
まだ女の子達が相手に伝えたりない部分がある
ような感じがします。次の号でも物語は続いて
いくのでしょうか? いずれにしても、次号が
また見られるという事自体も楽しみですね。
発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」となる「ひらり、」のVol.3を
見てみました。以前に別の記事でも書いています
ので、よろしければそちらも見てみてください。
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・step in(未幡)
奈央は私のもの、小さい頃はずっとそう言って
いた千歳も、成長して逆転してしまったような
関係に、どこか気が引けていた。しかし奈央は、
「私はまだ千歳のもの」と言葉をぶつけてくる。
この作品は、Vol.2に掲載の「even」から続いて
いるようですね。思わずときめいてしまうような
言葉を千歳に言った奈央なのに、次の日には普通な
様子だったのは、彼女の中で千歳への愛情はとても
自然な事だったからなのかも。でも物語はまだ
続きそうな感じがします。
・ピンク・ラッシュ(TONO)
マールの事務所の社長がサナを初めて見たのは、
マールのコンサートの客席。男性ファンが多い中、
彼女はかわいらしい表情と美しい声で黄色い声援を
送っているのだった。
冒頭には、サナがデビューするきっかけが
語られています。確か以前には、サナがマールの
ファンクラブの会員番号1桁のメンバーだとも
言われていました。でもここではちょっと浮気な
面も見せています。単なるファンではなく本当に
振り向いてもらいたいなら、もっと誠意が必要かも?
ところで、彼女達の事務所の社長って、タコの
姿をしていますけれど、どうも本当はちゃんと(?)
人間らしいですね。最初のエピソードから、男性は
ほとんど、動物のような姿で描かれていたので、
そういうファンタジーな設定なのかと思っていたの
ですけれど、そういうわけではないようです。
巻末のTONOさんのコメントを見ると、「かわいい
女の子しか描かなくていい喜び」みたいに書かれて
います。という事はこれは編集方針、とかなの
でしょうか? 女の子がメインになるのは百合的
に良さそうですね。
・for you(石堂くるみ)
誕生日にたくさんの友達からプレゼントをもらう
ほのかを、明菜は横目で見ている。ほのかは彼女
にもプレゼントをねだるが、明菜ははぐらかす
ばかり。それには理由があった。
小さい頃ほのかのした事が、明菜は忘れられない
みたいです。その事でショックは受けたようです
けれど、それで嫌いになったりはしていないの
ですよね。今も「親友」として誰よりもそばに
いますし。そんな関係こそが、彼女達2人の気持ち
を一番正確に表しているように感じられます。
・図書室の姫ちゃん(大沢あまね)
茜女学院2年生の木嶋は図書委員。委員長の花房
(はなふさ)に憧れている。ある日木嶋は、花房から
図書室の最後の戸締まりを頼まれる。これはいつも
委員長の仕事だったため、木嶋は少し緊張していた。
「無意識に胸」や「こりない二人」など、4コマ
らしいコミカルなエピソードがたくさんあって
面白いですね。でもそれだけではなく、女の子同士
の恋愛感情も盛り込まれています。木嶋、花房、
姫ちゃんだけでなく、坂田、星野まで、けっこう
いろいろな人間関係があって興味深いです。
姫ちゃんの謎はまだ解き明かされてはいない感じ
ですよね、、、。この後も続いていくのかな?
ちょっと期待したいかもです。
・てのひらパチパチ(藤沢誠)
つるちゃんは、冬が嫌いだった。誰かと体が
触れあうと、静電気が走るからだ。大の仲良しの
彩とはスキンシップが多いのだが、彼女の方は
静電気をあまり気にしていないようだった。
彩の方は、嘘をついていたという意識はあった
らしいですね。つるちゃんのせいで苦しんでいる
なんて顔はしたくなかったのでしょうけれど、、、
2人の間に隠し事がなくなると良さそうです。
それにしても、「愛の力だよ!」と抱きつく彩と
ほおずりしあうつるちゃんはラブラブですね。
・そして、わたしはうそをつく
(作:栗城偲、絵:鈴木有布子)
日当実尋(ひなたみひろ)は、ボーイフレンドと
別れた事を江梨奈にメールで報告した。するとすぐに
電話がかかってくる。江梨奈が自分を慰めてくれる
事を、実尋はいつも期待しているのだ。
江梨奈との関係を確かめるために男の子を利用
する、という実尋のやり方は、うまくいったり
いかなかったりするようです。けどどうしても
長続きするようなものではないのでしょう。いつか
実尋が江梨奈に愛を伝えるようになれたら、とも
思いますが、江梨奈自身の気持ちも大事ですよね。
、、、といった感じで、掲載作品数も増えて、
いろいろな百合を楽しめたように思います。気に
なっていたのは、次の号がどうなるか、だったの
ですけれど、Vol.4は4月に発行予定のようで、
こちらにも期待したいです。また、本誌では
「ひらり、 GLコミック大賞」が行われるそうで、
これからも発展していきそうですね。第1回の
応募締め切りは3/15、結果は次号で発表される
そうです。
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