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2010年12月10日 (金)

コミックアンソロジー「百合少女」 Vol.3

 女の子達の柔らかい気持ちのふれあいを描き出す
作品がたくさんありますね。「イエイオン」のように
同じ舞台で続いている物語があるのも面白いです。
それから「セシル・レプリカント」はSFテイストも
あって、ちょっと違った雰囲気の中で思いを交わす
女の子達の行方が感動的かもです。

 発行コスミック出版、キュンコミックリリータイム
シリーズとして発行された、百合コミックアンソロジー
百合少女」のVol.3を見てみました。
 表紙は、Vol.1Vol.2と同じく早瀬あきらさんが
担当されています。これまでのイラストだと、片方の
女の子をもう1人の女の子が背中から抱きしめて
どきどき、といった感じのシチュエーションでした。
今号では、2人の女の子が向かい合って手を重ねて
いる構図ですね。こんな風にお互いを見つめ合って
ときめいていられるのは良いかもです。周りの淡い
色彩も、甘い百合な空間を感じさせます。

 ピンナップは茉崎ミユキさんが担当されています。
同じ制服を着た高校生らしい女の子2人。1人が
相手に急接近しているタイミングのようです。
こういうのって、している方もされている方も
相手しか見えなくて2人だけの世界になっているの
かもですね。

 では収録されているコミックについて一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・イエイオン(未幡)
 ブースに入って舞台の照明をチェックする志戸。
中央に当たるスポットライトを見ると、彼女はつい
加賀先輩を思い浮かべてしまう。思いついて志戸が
手紙を書いている所へ、不意に雪峯が顔を見せた。
 Vol.1、Vol.2とも雪峯と加賀が登場していますが、
加賀はどこでも女の子達に憧れられているみたい
ですね。志戸の場合は本当に自分の気持ちを誰にも
伝えずに押し殺しているようです。それが雪峯の
勘違い(?)でどう変わっていくのかがポイントに
なるのかと思ったのですけれど、、、あまり大きな
展開にはなっていない、かな?

・ヒミツのラブゲーム(宙花こより)
 ひとみは、携帯ゲーム機で一生懸命ギャルゲーに
取り組んでいた。後輩の梨々花も感心するほどの
集中ぶり。ひとみがそこまで熱を上げるのは、実は
ゲームのキャラが梨々花に似ていたからだった。
 ひとみは梨々花に、自分の気持ちを言い出せずに
いるようです。そこでゲームにばかり目がいって
しまうのはあまり良くない流れなのかもですね。
でもどうしても決心できないらしいのは、彼女の
性格というよりも、やはり女の子同士の恋愛だから、
とも考えられそうですですが恋愛は2人でするもの。
解決の糸口もそこにある?

・くまっくま♥(純愛鏡)
 小さい頃からクマのデザインのグッズを集め
まくっているほたる。彼女の部屋はクマだらけで、
とうとう妹のつばめの部屋にまでぬいぐるみが。
つばめはほたるにクマグッズ禁止を言い渡した。
 ほたるとクマグッズの出会いがどうだったのか、
つばめは忘れてしまったわけではないのでしょう。
でもあまりにもグッズが増えてしまい、ほたるが
いつでもそちらにばかり目を向けているのが、
つばめには面白くなかったのかも。ほたるも年上
なわけですし、たまには妹をリードしてあげたり
したら、つばめも嬉しいのでは、なんて思います。

・Love Letters(四位広猫)
 ある日、仲原の机の上に落書きがしてあった。
とても美しい花の絵だ。選択授業でその机を使う
誰かが描いたのだろうと思い、近くの席の九重に
聞いたが、彼女は何も知らないと答えた。
 落書きだと言い張ったとしても、あれだけ
きれいな絵を描くのは、そこに何か気持ちが
込められているから、なのでしょうね。仲原は
絵のきれいさに感動しただけではなく、描いた
人の気持ちにも触れる事ができた、という気も
します。そして九重の方は、そんな仲原を見て
けっこうときめいていたかもしれませんね。

・私だけの(ちんじゃおろおす)
 ほたるは幼い頃、かっこよくていつでも味方に
なってくれる海に憧れていた。だが海の引っ越し
で2人は離ればなれになってしまい、今ほたるは
高校生へと成長していた。
 ほたるは、海がいなくなってからは、自分だけ
で何でもできるようになろうと努力していたらしい
ですね。けれどなかなかうまくいかないようで。
そこに海が手を差し伸べてくれるとしても、ほたるは
やはり自分の力で暮らしていけるようにならなきゃ
なのでは、とも思えます。そうなって初めて、
2人は対等に愛し合えるのかも。

・あなたの隣に(北条KOZ)
 久美と沙織は幼なじみ。だが今では別の高校に
進学し、それぞれに友達ができて話題も合わなく
なってきた。それでも久美は、沙織に会いたくて
わざと同じ電車に乗っていた。
 幼なじみなんていつかは離れていくもの、という
久美の考えは、何だか自分に言い聞かせている
みたいにも感じられますね。彼女は胸の奥では、
離れたくないって思っているのでしょう。「話が
合わない」というのは「話がかみ合わない」のとは
違うでしょうから、2人はこれからだってうまく
やっていけそうにも思えます。

・先生の事情(北尾タキ)
 教師を務める京子は、恋愛不振に陥っていた。
それは学校の女生徒が原因だった。しかし最近、
自分によくなついてくる守崎を見ると、どうしても
京子は胸が高鳴ってしまうのだった。
 教師が生徒とつきあうなんて、、、と京子は自分を
戒めるような気持ちになっているようです。けど
同じ学校には自分よりもっと先を行っている先生が
いるのですよね。それでも自分を責める京子は、
けっこうストイックな性格なのかも。彼女には守崎が
救いになりそうです。それにしても後半の場面、
京子がけっこう誘っているような?

・まっすぐきみに(みとうかな)
 春、新入生の柚(ゆず)は、同じクラスになった
水音(みお)に一目惚れしてその場で告白。だが水音
には「ありえない」と切り捨てられる。その後2人は
友達としてのつきあいを始め、やがて半年が過ぎた。
 「ひとめぼれなんてありえない」、この言葉は
間違いなく水音の本心だったのでしょう。でもそこで
柚を切り捨てて終わりにしなかった彼女は、何となく
ではあるのかもしれませんが、柚と一緒にいる未来を
予感できていたのではないでしょうか。それからの
半年、柚と一緒にいる事で、水音は自分の感じた
ものが何だったのか必死に確かめていたのかも。

・セシル・レプリカント(東風実花)
 エルザの髪をすきながら、料理の献立を相談する
セシル。彼女は、エルザの家で買った高品位の
レプリカントだった。エルザは、自分のわがままを
聞き入れてくれないセシルに不満を覚えていた。
 不満を言ったり怒ったり、それを笑顔で言いくるめ
られてしまったりするのも全部合わせて、エルザは
セシルとの生活に満足していたのでは、という気が
します。何を言っても決して怒らず、いつも正しい
方向へ自分を導いてくれる、そんなセシルは、エルザ
にとってはたぶんずっと前から、かけがえのない存在
だったのでしょうね。
 タイトルに「レプリカント」とあるように、この作品は
あのSF映画の世界観に少し近いようですね。セシルの
定期検査で目をクローズアップしている所とか、食べ物
について話している時に「4つ」、「2つで十分」と
やりとりしている所も何か関係しているような、、、。
それと後半の部分で、夢なのか現実なのかわからなく
なりそうになる場面とかも、原作小説の作者の作風を
感じさせますね。こういう雰囲気の作品も面白いかも
です。

 といった感じで、今号でもいろいろな百合作品を
読む事ができました。気になるのは、次はあるの、
という所だったりします、、、。編集後記を見ると、
「素敵な作品を読ませてください」と書かれています。
これは、続刊に載せる作品を期待している、という
意味でしょうか? Vol.4も出ると良いですね。

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