侵略! イカ娘 第12話
「侵略の拠点」という成り行きで、一緒にいる
事になったイカ娘と栄子の2人。今では同じ
部屋で寝起きして、イカ娘は相沢家の家族同然に
なっています。彼女と栄子がお互いに感じている
つながりは強いと言えそうです。そうなると
早苗の立場が気になりますけれど、、、彼女なら
心配はいらないのでしょう。
テレビアニメ「侵略! イカ娘」、第12話
「戦わなイカ?」、「ピンチじゃなイカ?」、
「もっとピンチじゃなイカ?」です。
砂浜を会場に、ビーチバレー大会が行われる。
今年の優勝賞品は3Dテレビだ。このテレビを
使えば映し出されたものが立体的に見えると
聞いて、イカ娘は大好物のエビが飛び出す様を
想像し、俄然やる気が出てくる。2人1組の
チーム構成に対し、相沢家からは栄子とイカ娘
がエントリー、たけるは友達のユウタと組み、
千鶴はマネージャー役を務める。
1番目のエピソードでは、イカ娘と彼女を
取り巻くキャラ達が登場してビーチバレーで
熱戦を繰り広げています。(ちなみに大会の
名前に「由比ヶ浜」と書いてあるので、やはり
その場所が物語の舞台なのでしょう。)やる気を
出しているイカ娘が狙うのは、優勝賞品の
3Dテレビ、のはずですがどちらかというと
エビが目的になっている感じですね。
ともかく優勝以外眼中にないイカ娘は、自分の
持つ能力を最大限に生かして情け容赦なく
相手に戦いを挑んでいます。彼女に触手を
使われてしまっては普通の人間ではなかなか
手出しできないようですね。彼女のやり方を
非難する人もいましたけど、イカ娘は聞く耳を
持たないらしいです。
唯一イカ娘を思いとどまらせそうになったのは、
清美ですね。イカ娘の中では、たぶん清美は
一番の親友なのでしょう。その相手の言う事
なら、聞かないわけにはいかない、という所
のようです。
清美と試合をするまでは、イカ娘は、自分の
求めるものを目指して全力を出し、非情に勝ち
続けるスタイルをとっていました。けどそれは
他の人達にしても大差があるわけではなくて、
皆優勝したいから戦っているのですよね。そんな
人達の中で勝ち続けるには相手との試合を楽しむ
余裕なんてなさそうです。それでも清美との
間にほんわかとした空気が漂ってしまうのは、
清美に対するイカ娘の親愛の気持ちがあるから
なのでしょう。
一方の早苗も、自分の気持ちに忠実にイカ娘へ
食らいついて(?)いっています。彼女的には
ある意味本望なのかもですね。でもペアを組んだ
シンディとしては少し不本意?
2番目と3番目のエピソードでは、タイトル
通り「ピンチ」が訪れます。これまで人間と
イカ娘とを分けていた大きな特徴が失われそうに
なっています。
でもこの事は、イカ娘が人間と同じように
生活する内に、人間に近づいた、という意味でも
あるらしいです。確かに彼女が、人間の世界へ
やって来てから憶えた事はといえば、千鶴に
言われて「れもん」の手伝いをしたり、たけると
一緒に浜辺で遊んだり、栄子の部屋でゲームを
したり、早苗に抱きつかれたり(っていうのは
あまり関係ないかな?)。時々触手を使いはする
ものの、やっているのは人間らしいものばかり
です。
人間を支配するために海から来たのに、人間と
同じ事をしている、と考えたら、イカ娘は複雑な
気分になるでしょう。けれど彼女は確かにそう
やって今まで生活してきているのですよね。
嫌ならいつでもやめればいいはず、、、いえ、いつ
だってやめられると思いながら、彼女はずっと
そのままでいた、とも感じられます。
なぜそうなってしまったのか。今度ばかりは
イカ娘はその理由を真剣に考えなければならない
状況になっているのかもしれません。
といった所からが後半のポイントになってきて
いますね。悩む彼女は答えを出せるのでしょうか。
そこで、見慣れない人が登場しています。
エンディングのクレジットには「少女(田辺梢)」と
書かれていますけれど、この人はどういう人なの
でしょうね。何かいろいろな事を知っている
雰囲気ですけれど、、、原作コミックスを見れば
わかる?
この2つのエピソードでも、たくさんのキャラが
登場してきていますね。能力を失ったイカ娘を
見て、早苗の意見は「イカのコスプレをしたかわいい
女の子」、シンディの感想は「イカ星人のコスプレ
をしたキュートな女の子」、何か考え方が近い
ですね。ていうかシンディもイカ娘の事を「キュート」
だと考えているのですね。イカ娘のかわいらしさは、
同性のハートをけっこうつかんでいるのかもです。
そう思うと、エンディングでは、長谷中学の野球
少女達がれもんにやって来て、イカ娘と親しく
話している場面がありますね。その内の1人とかは
顔を赤らめてとても嬉しそうにイカ娘を見つめて
います。彼女達は第10話で、「イカ娘先輩」という
呼び方でイカ娘を呼んでいました。先輩としてとても
慕っているようでしたね。それに試合相手の大相模
中学の選手からも(こちらは野球の腕を見込まれて)
ラブコールを受けていました。イカ娘を求める人は
この人間の世界にはたくさんいる、しかもその
ほとんどは女の子達なのではないでしょうか。
早苗も、イカ娘が人気者だという事については
胸を張ってうなずくのでしょうね。でもイカ娘が
自分以外の誰かのものになってしまうのでは、と
考え始めるととても不安になっていたように思い
ます。以前は栄子に食ってかかっていました。
それならイカ娘が照れながら「親友」という表現で
呼ぶ清美の存在を知ったらどんな事態になって
しまうのか、、、と思っていました。そしてこの
エピソードで、2人は同じ場所に居合わせて
いましたので、何かあったもおかしくない感じ
がしていたのですけど、特に大事にはなっていない
ようです。それはまた別の機会という事なの
でしょうか、それとも素直で明るい清美なら、
イカ娘が「親友」だと言っても仕方ない、と思った
とか? その辺りはあまり明らかにはされていない
雰囲気ですね。
後はやはり栄子、、、。このエピソードでも彼女の
存在が、イカ娘に大きな影響を与えているみたい
です。早苗の「ショック療法」ではどうにも
ならなかった状況が、栄子の身に起きた出来事で
解決されているようですし。まああの場合は栄子
が本当に危ない状態だったという事もありますし、
だからこそイカ娘の気持ちも爆発したと言えるの
でしょうね。
早苗は、やはりややイカ娘の考えを思い
やらずに行動している所がちょっと良くないの
かもしれません。そこには第10話である程度
気づいたはずとは思うのですけど、なかなか
うまくいかないみたいですね。
彼女は今の状況で、ある程度満足はしている
ようです。でも自分の気持ちを「恋」だと考える
なら、イカ娘とは相思相愛の関係を築くように
いろいろと考えていってもらいたいようにも
思います。その途中でコミカルなエピソードが
描かれる、みたいな可能性もあるでしょうし。
早苗の愛情は、捨て身の覚悟でイカ娘の病気に
立ち向かった第8話でも表されているように思い
ます。また第9話で「イカ娘が使った口紅」を
手に入れるためにとても努力しています。結果的
にはうまくいかなかった感じですけど、その時の
彼女の叫び「だけど愛してるぅ!」は、青春な感じ
でした。もう一つ、第3話でも、肝試しで怖がる
イカ娘を優しく包んであげたい、という想像を
思い浮かべて「、、、ってなるまで私、帰らない!」
と叫ぶ所も、切なそうな声がけなげな雰囲気で、
百合的にも良かった気がします。やはり彼女には、
女の子同士の恋愛を貫く人として活躍してもらいたい
ですね。
この作品は、ギャグな展開にイカ娘の無謀な振る舞い
や栄子の鋭いツッコミなどが織り交ぜられて全体的に
コミカルな感じになっています。けれど第5話の
ミニイカ娘のエピソードや、第9話でのイカ娘と清美
との出会いなど、胸を温める物語が不意に挿入
されるのがまた彼女達のキャラを引き立てている
気がします。早苗以外の女の子達(渚は除く?)も
何となくイカ娘に対しては暖かな感情を抱いている
ようですし、女の子同士のふれあいが描かれていく
事も多いのではないでしょうか。原作コミックスは
この前第8巻が発売されていて、エピソードは
続いているのでしょうね。
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