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2010年12月30日 (木)

探偵オペラ ミルキィホームズ 第12話

 これこそ「探偵」と「怪盗」との戦い、という場面が
繰り広げられていきます。ほとんど第1話以来の
展開に、シャロ達の本領発揮、という事になりそう
です。トイズを持つ者として、探偵と怪盗は通じるものが
あるのかもしれません。が、同じ戦いの場にいても、
感じているものは別のような気がします。やはり
どちらも相手を受け入れる事はできないのでしょうか。

 アニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」、第12話
ミルキィホームズの帰還」です。
 吊り橋の上で対峙する、シャロとアルセーヌ。
トイズが復活したシャロを見て、アルセーヌは
不敵な笑いを浮かべる。「ついにあなたをたたきつぶす
事ができる」、彼女はそう言った。一方、コーデリア
とネロ、エリーは、怪盗帝国のメンバー、ストーン
リバー、トゥエンティ、ラットと熾烈な争いを
繰り広げる。が、トイズを取り戻したコーデリア達
の方が一歩上を行っていた。

 前回第11話を見ていた時は、トイズが復活する
としてももう少し後の方が盛り上がるかな、とも
思っていたのですけれど、この話数の流れならば、
前回はああいう感じで良かったのかもですね。この
第12話では、トイズを完全に取り戻したシャロ達が
思う存分能力を発揮しています。それどころかパワー
アップも? ここまでになれたのは、アイリーンが
彼女達をこのヨコハマグランド峡谷へ連れてきて
くれたからであり、ソニアの1度きりのトイズが
チャンスを作ってくれたからなのでしょう。

 という事で、少なくともこの前半は探偵対怪盗の
バトルがメインになっていると言えそうです。この
アニメでは、トイズを失ったシャロ達のドタバタが
見所の一つとも考えられますが、この戦いの部分に
関しては、今月発売されたゲーム版に近かったり
するのでしょうか。

 このまま真面目に感動的な物語が続いていって
しまうのかと思われましたが、やはりアニメ版らしい
展開も後半には待っているようですね。ちなみに
前半では、シャロ達がいらなそうにしていた
「引き出物のお皿」が、前回に続いてきっちり役に
立っていましたね。それから、シャロとアルセーヌの
全力のぶつかり合いで決着がつくのか、という所で
いきなりの「お風呂」演出、、、。いつもの超越した
ストーリーがここで登場? と思ったのですけど、
一応アイキャッチという事だったみたいですね。

 「帰還」したシャロ達ミルキィホームズと、彼女達
を迎えるヨコハマの市民達、探偵学院の生徒達、
G4の4人などが集まった後のオチ(?)の部分は、
何となくありそうな流れとも感じられますね。この
アニメならもっととんでもない事があるかも、とも
思っていましたけれど(いえ、落ちてきた岩をまともに
受けて、頭から赤い花をふんだんにまき散らしていた
シャロもなかなか壮絶ですけど)、第12話ともなれば
あまり道を踏み外せない、とか?
 その中で、「謎の転校生」は、何だか謎ですけれど、
これはもしかしたら次へ続いていく仕掛けだったり
するのでしょうか? ちなみに公式サイトにある
最新情報」の記事では、「引き続きミルキィホームズ
をお願い致します!」と書かれています。これは
ゲームの方で新しい流れがあるという意味なのか、
それともアニメの方なのでしょうか。ちょっと気に
なります。

 アルセーヌは、シャロ達が探偵学院の学生であり
ながら数々の難事件を解決してきた実力の持ち主で
ある事を知っています。その彼女達と渡り合う事で、
自分の怪盗としての腕前を上げよう、と彼女は思って
いたみたいです。彼女からは「好敵手」という言葉が
出ていました。
 ならばシャロ達も、アルセーヌに対して同じ思いを
抱いていたのでしょうか。それはちょっと違う
ようですね。シャロ達は探偵として、怪盗である
アルセーヌ達を捕まえる、それが目的と言えそう
です。
 片方は、2つの勢力がお互いを高め続けられる
ように、場合によっては相手に手を貸す事さえ
あり得ると考える。ですがもう片方は、とにかく
早く相手を捕まえ自分達の前から追い払おうと
考えています。このアンバランスが、いつか悲しい
事態を生んでしまうのでは、なんて考えてしまい
ました。

 ミルキィホームズと怪盗帝国が戦い続ける間は、
シャロ達は目的を達成できないため悔しい気持ちを
募らせるでしょうし、探偵ではいられなくなる
可能性もあります。もし怪盗帝国が勝てば、アルセーヌ
は、自分の生涯の目標とも言える大切なものを失う
事になるのでは、と思えます。そしてミルキィ
ホームズが勝った時は、アルセーヌが、アンリエットの
姿を通じて自分達への手助けを続けていた事を
知り、自分達の無力さにさいなまれるのではないで
しょうか。
 まあそこまで深刻なものではないにしても、誰か
が胸を痛める結果になるような気もしてしまいます。
探偵と怪盗、トイズを持っているという点では
共通している人達が、わかり合えないのはちょっと
寂しいかもですね。
 エンディング後のイラスト(エンドカードと言うの
でしょうか)では、真っ白な衣装を身につけた
シャロとアルセーヌが、背中に翼を背負い、体を
寄せ合っている構図が描かれています。2人とも
安らかな表情で、満足しているようにも見えます。
別々の勢力に属するこの2人が、こんな風に穏やかに
寄り添える日は来るのでしょうか? できれば
こういう彼女達を、物語の中で見てみたいかも
ですね。(百合的な意味でも。)

 怪盗なのか、探偵なのか、という点では、第5話
登場したメアリー&ケイトも近い位置づけにいると
言えそうです。彼女達は確かに怪盗として活動し、
怪盗帝国とも渡り合っていました。が、昼間の顔は
(ちょっと行動がアレですが)優しさにあふれた
女性達なのですよね。危険にさらされていたかまぼこを、
自分達のトイズを使って助けていましたし、エリー達
とも爽やかに接していました。ミルキィホームズの
メンバーはいまだに彼女達を探偵だと信じています。
メアリーとケイトを見ていると、探偵と怪盗を分ける
ものは、その人の心持ち次第なのでは、と思えて
きます。

 もう1人、近い立場にいるのはソニアなのかも、と
感じられます。彼女は第9話で、トイズが戻らない
シャロ達のために、自分の探偵生命を捨ててでも
相手に手柄を立てさせようと行動します。怪盗帝国
のような後ろ盾もない、たった1人の挑戦で、真実を
誰にも告げずにシャロの前から消えるつもりだった
ようですね。
 彼女が皆の前で演じる姿は、怪盗さえ足下にも
及ばない、非道な人間、でした。探偵になるために
入学してきた生徒が、同じ学院の生徒を手にかけ、
建物まで破壊しようとするのですから、物だけ
盗み出す事を目的とする怪盗とは大違いに見えたと
思います。
 そこまでしても、ソニアはシャロに輝いていて
ほしかったのですよね。作中ではポワロ探偵学院に
いるらしい彼女が空を見上げている場面が描かれて
いましたが、その時の彼女の胸の中には、シャロを
応援する気持ちがいっぱい詰まっていたのでしょう。

 ところでそう考えると、この第12話のまとまり
方は、ソニアにとっては穏やかにはなれない流れ
なのでは、という気がします。学校が離ればなれに
なってしまっても、ソニアなら何とかしてシャロを
助けるために行動しようとするのではないでしょうか。
そんなエピソードもちょっと見てみたいかもですね。

 後は、アイリーン、、、。何人ものゲストキャラの
中で、彼女だけがこのエピソードに登場して行動を
起こしていました。
 彼女の行動が目指すものは、間違いなく小衣、
ですね。第4話で小衣と出会って一瞬で気に入った
(恋に落ちた?)アイリーンは、手を尽くしてでも
小衣のそばにいたいと考えたようです。が、第6話
では小衣は脱走(?)に成功してしまいます。
 そんな2人は、この第12話でめでたく再会、
ですが、小衣の方はまたもや逃れているみたいです。
ここで気になるのは、彼女がどうやってG4に復帰
したか、なのですけど、明らかにはされていない
ようですね。まあ小衣の表情を見ている限りでは
何か激しい出来事があったのかもしれません。

 でもアイリーンはあきらめるつもりはないのでは、
という気がします。彼女は別に、小衣を苦しめよう
なんて思ってもいないわけですし。それどころか、
小衣を年相応の女の子として愛しく接しているの
ですから、飛び級で大学を卒業してちょっと世間
ずれしている感じもある小衣にしてみたら、彼女は
いやしてくれる存在のような気もします。
 もっとも、小衣としては、自分にはそんなもの
いらない、と思おうとしているのかもしれません。
実年齢が幼くても、自分は大人達とだって十分
立ち回れる独立した女の子なんだと示したがって
いるようにも思えますので。
 まあ表向きは難しいとしても、陰で小衣を支えて
あげる事は、アイリーンにはできそうなのでは
ないでしょうか。彼女は経済力もありそうですし、
小衣が失敗をしてしまった時は、優しく受け止めて
あげられる存在でいられるような気がします。

 このアニメは、想像もできないギャグな展開や、
放りっぱなしのボケなど、コミカルな面がとにかく
激しくてとても楽しめる作品のように思えます。
説明されない謎な演出は多いのですけど、それは
そのままにしておいて笑い所を押さえておくのが
良さそうですね。
 またその中に、時々はっとさせるようなキャラの
言葉や行動が隠されている感じがします。上に書いた
メアリー&ケイトやソニアもそうですし、他にも
たくさんあるかもしれません。そんな部分から、
女の子達のふれあいや、相手を慕う気持ちなどが
くみ取れたりするように思います。

・「ミルキィホームズ」レビューリストレビューセンター

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