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2010年12月31日 (金)

2010年 百合の花弁の広がり

 今年は、百合な作品がいろいろな形で現れて
いたような気がします。普段は見かける事が
少ないような場でも、百合テイストが発揮
されている場合もけっこうあったように思います。
これを通じて、このジャンルがより広まって
いくと良いですね。

 今年も年末になりました。振り返ってみると
百合な話題が何かとあったような気がしますね。
コミックやアニメでは、これまでとはちょっと
別の形で百合作品がリリースされる事もあった
ように思います。また、実写作品も制作されて
劇場で上映されています。百合の分野の裾野が
広がっているような気がします。ここでは、
これまでに書いた記事を中心に今年のシーンを
ちょっと思い起こしてみようと思います。

・アニメ
 2009年には、百合テイストを含んだアニメ
作品が数多く制作されていました。今年は
さすがにそこまではないかなと思っていたの
ですけれど、意外とあったようですね。それに
ゲームが原作のOVAやネット上の1枚のイラスト
から始まった作品、また個人制作アニメなども
あって、テレビアニメに限らない可能性が見えて
いたように思います。

◇テレビ放送
とある科学の超電磁砲(~3月、OVA)
 前の年の10月から放送が始まった作品です。
前半も美琴、黒子、飾利、涙子がつながりを
築いていく姿が描かれていましたし、後半でも、
衿衣や絆理といったキャラが関わってきて絆を
見せていました。その他「OFFICIAL VISUAL BOOK
第13’話が収録されたり、OVA「#EX」が
制作されました。次はPSP用ゲーム、ですね。

キディ・ガーランド(~3月)
 こちらも前の年から放送された作品ですね。
アスクールとク・フィーユのコンビネーション
は、前半は何となく期待させる感じでした
けれど、後半は百合なイメージが少なくなって
いってしまったような、、、。第15話とか
では熱いキスシーンがありましたね。

ひだまりスケッチ×☆☆☆(1月~3月、10月)
 アニメ第3期で、新キャラの乃莉となずなも
仲間になったひだまり荘はよりにぎやかに
なっています。彼女達の関係も百合的には良い
感じですね。そして夏目、、、彼女は特別編でも
切なさと喜びを交互に感じているようです。彼女が
報われるような日が来ると良いですね。

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト(1月~3月)
 軍隊に所属する5人の女の子達の日常、といった
雰囲気の物語で、彼女達のふれあいの中に百合な
エピソードが多く含まれるのかなと思ったの
ですけれど、それほどでもなかったかもですね。
その代わり、PSP用ゲーム「乙女ノ五重奏」は
百合度が高いようです。

ハートキャッチプリキュア!(2月~)
 「プリキュア」シリーズでは、変身して戦う
ヒロイン達の強い結びつきが描かれていくのが
特徴ですけれど、本作では、つぼみとえりかの
「ふたり」をはじめ、つぼみといつき
まおとあゆみいつきとなおみ、それからキュア
ムーンライトとダークプリキュアなど、女の子
同士の相手を思う気持ち、憧れ、離れられない
関係などがたくさん描かれていて百合的にも
かなりポイントが高いですね。

けいおん!!(4月~9月)
 シリーズ第2期が4月から開始されました。
今度も1クールなのかなと思っていたのです
けれど、たっぷり2クールの放送、ですね。
3年生になった唯達のクラスメイトがやや
クローズアップされる場面もありましたが、
そんな中でも唯と梓、唯と憂がお互いを思いやる
エピソードが多く見られました。映画化も予定
されていますね。

真・恋姫†無双~乙女大乱~(4月~6月)
 こちらも第2期、というか「恋姫†無双」を
含めれば3回目のアニメ化になりますね。この
「~乙女大乱~」では、お色気もより多くなって
いますが、女性同士の愛情表現も多くなっている
気がします。

ストライクウィッチーズ2(7月~9月)
 こちらも第2期で、いったん解散された第501
統合戦闘航空団がもう一度結成され、新たな
脅威に立ち向かっていきます。仲間として、女の子
としてお互いを大切に思う姿があります。特に
第6話のエイラとサーニャの物語が感動的ですね。
今年はゲームやコミックスなどもたくさん
リリースされ、次は映画化が予定されています。
舞台は扶桑海事変の頃、何年か前に戻るようです。

侵略! イカ娘(10月~12月)
 海洋汚染をする人間どもを支配するために
やって来た海からの使者、イカ娘。ですが彼女の
野望はなかなか実現しないようです。その間にも、
彼女を強烈に慕う早苗(彼女の生写真サイト
作られていました)や、清美、それに栄子とも
暖かな(過激な?)ふれあいを育んでいるみたい
です。イカ娘の語尾「~イカ?」、「~ゲソ」は
ネット流行語大賞にもなったそうです。

探偵オペラ ミルキィホームズ(10月~12月)
 ホームズ探偵学院の生徒にして、難事件の数々
を解決してきたシャロ、コーデリア、エリー、ネロ。
ゲーム版では彼女達の特殊能力トイズが発揮されて
いますが、アニメ版ではそれを失ってしまい、
その後はもう想像を絶する(?)ギャグの連発、ですね。
シャロ達の間では第3話辺りでふれあいが見られます。
他には、アイリーンと小衣メアリー&ケイト
シャロとソニアの関係も見所ですね。

◇劇場版アニメ
魔法少女リリカルなのは(1月)
 アニメ第1シリーズの物語に沿って、脚本や
作画をリニューアルした劇場版です。立場の違う
なのはとフェイトの決死のぶつかり合いが、その
後の彼女達の結びつきも強くするのではないで
しょうか。

プリキュアオールスターズDX2(3月)
 第1シリーズからのプリキュア達が勢揃いする
作品の第2弾は、総勢17人が登場します。駅での
パネル展示なども話題になりましたね。第1弾
では彼女達の出会いが中心になっていましたが、
本作では彼女達の間のシリーズを超えたつながりや、
新しい仲間、キュアブロッサムとキュアマリン
への思い、2人の間の絆などが描かれて、百合度も
アップしていた気がします。

◇OVA、個人制作アニメ
 OVAでは、上にも書きましたように「とある科学の
超電磁砲」より「第13’話」と「#EX」がリリース
されました。他にもいろいろな形でアニメが制作
されたようです。

その花びらにくちづけを あなたと恋人つなぎ
(この作品は年齢に制限があります。)
 同じタイトルの同人ゲームをアニメ化したもの
ですね。「ストパニ」のスタッフも制作に関わって
いて、百合な雰囲気はたっぷりですね。同じ制作
会社からは次の動きも出てきそうな感じがあり、
こちらにも期待したいですね。

BLACK★ROCK SHOOTER
 ネット上に公開された1枚のイラストから始まり、
初音ミクの曲なども紹介され、アニメ化も行われ
ました。ブラック★ロックシューターの激しいバトル
だけでなく、マト、ヨミ、ユウといった女の子達の
紡ぎ出す関係もなかなか良いですね。今度はPSPで
ゲーム化される予定もあるそうです。

くっつきぼし
 個人制作アニメで、前後編の内前編が発売&配信
されています(後編は1年後の予定だそうです、、、)。
お互いを求め合うキーコとアーヤの関係は、恋人
なのか、それとも、という所で急展開が待っています。
ちょっと大人な表現が行われていますね。これから
彼女達はどうなるのでしょうか。

青と空
 こちらも個人制作アニメで、約1時間のボリューム
です。孤独な生活を送っていた青海(あおみ)は、
ある日病院の前で空(そら)に出会います。少しずつ
打ち解ける彼女達は、夏休みにある計画を立てますが、
そこで起きた出来事は、2人をより強く結びつけて
いくのでしょう。

・実写映画
 2人の女の子の関係を描いていく物語の実写版映画も
制作されました。百合度はそれほど高くない場合もある
ようですけれど、ここからさらに発展して百合な実写
作品がより増えていくと良いかもですね。深刻なストーリー
だけでなく、高校生ぐらいの女の子達の爽やかな百合
関係を描く作品など見てみたい気がします。

-武士道シックスティーン
 同じタイトルの小説の映画化作品で、コミック版
などもあります。早苗と香織という、タイプの全く
異なる2人の少女が、剣道を通じてお互いの気持ちを
理解していくストーリーで、剣道以外での彼女達の
ふれあいも示されているようです。また、この映画の
公開を記念してWOWOWで放送されたドラマ「ブカツ道」
では、第2回の「お茶の薫り」が、茶道部の先輩に
憧れる後輩の女の子の百合エピソードになっています。

マリア様がみてる
 百合のジャンルの中でも有名な同じタイトルの小説
を映画化した作品です。祐巳や祥子達を、同年代の
女優の方達が表現されているのが新しい感じですね。
ストーリーは原作第1巻とほぼ同じになっていて、
なかなか楽しめたように思います。リリアン女学園や
薔薇の館の雰囲気、制服のデザインなどもそれらしく、
その中で、祐巳と祥子を中心にたくさんの女の子達の
思いが重なっていきます。映画の上映館は限られて
いるようですが、来月以降も上映は続くようです。

・コミック
 コミックの分野では引き続きいろいろな作品が発行
されています。それにプラスして、今年は新しい
アンソロジーの創刊などの話題もありました。

◇百合な雑誌やアンソロジーの誕生や「再誕」(や中止、、、)
 そして隔月刊化

 去年は「つぼみ」や「Comicリリィ」が始まりました。
今年はさらに、誌名を変えて「ComicリリィPLUS」が
スタートし、また新しいアンソロジー「ひらり、」も
始まりました。
 こんな風にいろいろな出版社から百合オンリーの
書籍が出るのは、この分野が発展しているから、とも
思えます。が、今年は発行をやめてしまった書籍も
ありますね、、、。「ComicリリィPLUS」はVol.2まで
となってしまいました。また、2007年から発行が
始まった百合姫Sも、Vol.14までの発行でした。
こちらは百合姫へ掲載作品が移ったりもしていますが、
やはり雑誌が一つ出なくなってしまうのはちょっと
寂しいですね。

 ですが、心強い出来事もありました。前から要望が
多かった百合姫の発行ペースが上がり、隔月刊化され
「再誕」の第1号が発行されました。それにつぼみも、
少し早く8月から隔月刊第1号となるVol.7が発行
されています。
 「百合少女」も不定期ではありますけれど続いて
いますし、これからも素敵な百合作品をたくさん
紹介していってもらいたいですね。そして他の出版社
からも百合コミックやアンソロジーなどが多く出て
くると良さそうです。

◇百合テイスト作品の発行
 百合な感情そのものをメインとしたものから、
女の子達の間にあるほのかな感情を描くものまで
いろいろな種類のコミック作品がたくさん発行されて
いたように思います。この前は別の記事で今月から
来月ぐらいにかけてのリストを作りましたけれど、
気づいていないだけで他にももっとたくさんの
ものがありそうですね。百合を感じるポイントは
人によって異なるかもしれませんけれど、選択肢が
増えていけば、多くの人が百合を楽しめるように
なっていく気がします。ので、もっと見られるように
なると良いですね。

 たくさんある素敵な作品の中から絞り込むのは
とても難しいのですけれど、ちょっと気になった
所では、、、。「お願い神サマ!」では、柚梨子と実優
の初々しいふれあいが全面に描かれていて雰囲気が
良いですね。
 後は「絶対少女聖域アムネシアン」も気になります。
5月に第1巻が発売された後、8月に第2巻、さらに
来月に第3巻が発売予定、というペースになっています。
また物語の展開も激しくなっていますね。ヒロインの
2人、姫子と千歌音は、戦いの果てでどのような真実を
つかむのでしょう。同じ名前で立場の異なる2人が
登場する「神無月の巫女」も感動的な作品でしたし、
楽しみです。後は、「姫神の巫女」の媛子と千華音の
物語も気になるのですけれど、こちらは最近あまり
更新が行われていないようです。

◇少女漫画誌と百合作品
 これまでにも、少女漫画誌に百合っぽい関係を描く
作品が掲載される事はあったように思います。(マリみて
とかもそうですね。)そんな中、より濃密な雰囲気を
醸し出す作品も作られています。
 りぼんに連載されていた「ブルーフレンド」は、第1巻
が発行された後、特別編「~after days~」の掲載
なども行われています。それともう一つ、なかよしに
連載の「野ばらの森の乙女たち」もありますね。この
2作品では、女の子同士のキスなど、一歩踏み込んだ
表現も行われています。百合アンソロジーとは異なる
雑誌でも、このジャンルの作品が扱われていく可能性が
広がっているのではないでしょうか。

・ゲーム
 アニメ作品からゲーム化されるものがけっこう多かった
気がします。それも、1作品で2つ以上のゲームを
リリースする場合もあったようですね。ゲーム機やPC
だけでなく、ブラウザゲームなども分野にも登場したり
しました。そのすべてが百合テイストな作品という
わけではないのですけれど、作品の雰囲気を楽しめる
ものにはなっているのでしょうね。

 百合が楽しめそうなのは、「咲-Saki- Portable」、
ソラノヲト 乙女ノ五重奏」、「はなひらっ!」など
でしょうか。「白衣性恋愛症候群」は、最初は秋の発売
とされていましたが、今は春まで延期されているみたい
です。「ソルフェージュ」のスタッフが手がける作品
ですから、女性同士の恋愛を感動的に描いていって
くれるのでは、と期待したいです。

・イベント
 同人イベントもたくさん開催されています。オンリー
イベントだと本当にいろいろありそうですね。百合
というジャンルでのイベントでは、「GirlsLoveFestival
が年2回の開催で定着してきているようで頼もしい
かもです。上に書いた「白衣性恋愛症候群」や
「ソルフェージュ」をリリースしている工画堂スタジオ
企業出展しているのも特徴なのでは。
 他には、「Maiden's Garden」、「シティ百合部」、
「女子GL部」(こちらは年齢に制限があります)なども
ありました。このジャンルは、イベントとしても
盛り上がっているのかもですね。

・その他
◇鎌倉と百合の関係?
 理由はよくわからないのですけれど、百合な作品の
中で鎌倉や湘南の場所が登場する事が多かった
ように思います。以前に一度調べたのですけれど、
その後も取り扱い作品が出てきていたように思います。

-青い花
 主人公のふみとあきらが通っている高校、藤が谷と
松岡女子が鎌倉にあり、2人は毎朝江ノ電で通って
います。

-ハートキャッチプリキュア!
 つぼみが希望ヶ花市に引っ越してくる前に住んで
いたのが鎌倉で、第27話ではつぼみ、えりか、いつきが
鎌倉へ行っていました。江ノ電や江ノ島も登場してますね。

-侵略! イカ娘
 イカ娘達がいる海の家「れもん」は由比ヶ浜にある
ようです。

-ストライクウィッチーズ2
 診療所をやっている芳佳の家は、鎌倉にあるらしい
です。

-ミルキィホームズ
 シャロ達の活躍する場所は「偵都ヨコハマ」です。
そのため神奈川の辺りの地名が登場します。第2話では
「エノシマ美術館」が名前だけ登場しています。

-白衣性恋愛症候群
 新任の看護師、沢井なおみが勤め始めるのは、
「百合ヶ浜総合病院」、ここは「百合ヶ浜」という
場所にあります。ここのモデルは由比ヶ浜らしいです
(音も似てますね)。

◇百合な電子書籍と携帯サイト
 書籍類も電子化が進んできているようです。携帯
サイトでは以前からコミックを配信するサービスが
ありましたけれど、その中で百合作品を扱う場合が
少しずつ増えているようです。別の記事で調べた
時にはけっこういろいろ見つかりました。「百合くらぶ
のようにゲームや小説を集めたものもありますね。
こういった場でも、百合作品がより増えていくと
良さそうです。

 、、、といった所で、今年は王道な部分以外でも、
百合作品が多く取り扱われ始めていたように思います。
来年もいろいろな場所で百合をたくさん見かける事が
できるようになると良いですね。皆さんも良いお年を
お迎えください。

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百合ノート」カテゴリの記事

コメント

お見事なレビューをありがとうございました。

毎度拝見していて、
萌え語りと呼ぶにはあまりに理路整然とした文調に
感心してしまうと同時に吹きそうになります(失礼)

そのまま百合萌え文化を題材に論文が書けそうですね。
只今論文投稿の準備をしており、
参考文献を行ったり来たりしているうちに訳が分からなくなってくるので、
そのスキルが激しくうらやましいです。

投稿: greenfiddler | 2011年1月 3日 (月) 15時04分

つたない記事を見ていただきありがとう
ございます。

登場人物達の心情というかどういう思いから
女の子同士のふれあいを彼女達が選んだのか
などを考え始めるとついいろいろ
想像してしまって、、、。
と同時に、ここはツッコミどころなのかな?
という部分も見つけちゃったりする場合が
あります。

論文投稿の準備をされているんですか、
なかなか大変そうですね。
論文となると、百合についてであっても
作り上げるのが難しそうです。

投稿: ギンガム | 2011年1月 3日 (月) 22時39分

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