探偵オペラ ミルキィホームズ 第6話
長い間夢見ていた生活を、クラリスは満喫しようと
します。同じようにシャロも、「夢」という言葉を
無条件で信頼しているようですね。これまで何を
やっても失敗続きだったシャロ達が、今度も希望を
裏切られてしまうのかどうかがポイントなのかも
です。ちょっと麗しいエピソードになっていますね。
アニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」、第6話
「王女の身代わり」です。
マーロ国のクラリス王女の護衛、この任務には、
小衣をはじめG4のメンバーは不服だった。クラリスは、
リパ国のペロ王子との結婚を、ヨゴバマファミリア
教会で執り行うためにこの国を訪れている。だが、
いかにも怪盗の捕り物など起きそうにはなく、それが
G4には不満なのだ。そしてクラリスも、望まない
結婚を拒んでいて、隣室でお目付役のマープルと口論
を繰り広げていた。
見ていて何か少し、これまでの話数よりもおとなしめ
な感じが、、、。っていうのは今までのすさまじい展開に
慣れすぎ、でしょうか?
例えば最初の方の場面、休日に、雨でじめじめする
部屋を抜け出して、彼女達は「収穫」へ向かっています。
湿った空気に「収穫」とくれば、第1話で手に入れた、
机に生えたキノコを採りに行くのかと思ったのです
けれど、行き先はデパ地下、、、。確かに試食だけで
おなかを満たすのも激しいエピソードではあるのです
が、過去の流れから見ると普通に見えてきてしまったり。
第4話や第5話でも引っ張っていたキノコネタではない
というのも、ちょっと違う方向性を感じさせます。
夢を信じて困難に立ち向かうという、シャロ達にも
つながるようなテーマもあったりするのかもです。
またこういうテーマを取り上げる事で、作品全体の
転換点になっている、とも考えられますね。
ですがそうであったとしても、あのギャグなノリを
キープしたまま感動のエピソードを織り込む事も、
無理ではないのでは、と思ったりもしてしまいます。
少なくともこれから先の話数では、ミルキィホームズ
などレギュラーキャラだけでなくゲストキャラも
巻き込んだ、ツッコまれないボケの応酬を見てみたい
所です。
この話数の中だと、、、例えばクラリスが逃げ出した
後の場面とか。小衣は、「逃がしたらスクワット1万回
の罰」が与えられると言っていましたが、実際にやって
いたのは、マープルでしたね。何しろ1万回ですから
いろいろな場面で彼女はスクワットしているのです
けれど、それについては誰も何も言わないという、、、。
そのマープルも、最後の場面ではそれまでにない
表情を見せています。もしかしたらこの2人がこの
エピソードの主役なんじゃない、というぐらいの
演出でしたね。
そこから考えると、小衣の登場の仕方が割とあっさり
だった気がしますね。第4話でアイリーンに連れて行かれ、
第5話ではまだ帰らなくて「G4」が「G3」にまでなって
しまっていたのに、この話数では以前と変わりない
姿で元気に(?)文句を言っています。彼女がもう一度
登場するなら何か大変な事があったのを思わせる
雰囲気があるのでは、と思っていたのですけれど、
そうでもなかったようです。
とはいっても、アイリーンはまだ小衣をあきらめて
いない気もするのですよね。2人の間の事が何も
語られていないためよけいにそういう風に思えて
きます。この後の話数でアイリーンが出てきて小衣
との関係をはっきりさせるエピソードとか見てみたい
ように思うのですが、そういうのはちょっと難しい
でしょうか。
ところで「ヨゴバマファミリア教会」って、あの教会
の名前に引っかけている、のですよね。「ゴ」と「バ」が
濁っているのは、何となく音の感じを似せるため?
それにしては合っているのは「ファミリア」だけの
ような、、、。
他にも、国の名前の「マーロ」や「リパ」は、逆さまに
すると都市の名前になるようです。王女様が街へと
逃げ出してつかの間の「休日」を楽しむ、というのは、
ローマを舞台にした映画に通じるものがあるのでは
ないでしょうか。
ミルキィホームズの輪の中に飛び込んだクラリスは、
たくさんの初体験と、女の子達の明るい笑顔に囲まれ
ます。彼女は、「友達」という存在のすばらしさを、
ここで強く感じたのでしょうね。
もっとも、ネロ達の方は、相手が王女だなんてずっと
わからなかったみたいです。こういう所が一つの彼女達
らしさであって、そのおかげでクラリスが大切なものに
気づけた、とも言えるのでしょう。けれど、それなら
シャロに対するコーデリア達の気持ちはどうなって
いるの、という感じもちょっとありそうです。いつも
一緒にいて、一つのベッドで寝てもいる相手が本物か
どうか、トイズを失っていたとしてもわかってあげて
ほしかったような気もします。
ですが似たような事は、シャロについても言えるのかも
しれません。「王女の身代わり」を快く引き受けた彼女は、
意気揚々と変装して王女になりすまします。彼女の方も、
最近ご無沙汰だったごちそうにありつけて、学園の個室を
追い出されて以来の広いベッドに1人で眠れるという
思いがけない役得を手に入れます。
さらに彼女は、王女を演じるのにもノリノリのようです。
ペロが現れて無理難題を押しつけても、全く嫌がらずに
相手をしています。
そんな風に振る舞えるのは、自分は「身代わり」だから
何をしても自分のせいにはならない、という、あまり
良くない言い方をすると無責任な考えがあったからなの
かな、とも思えてしまいます。1日が終われば自分は
エリー達の所へ帰り、すべてはなかった事になる、みたいに
あまり深く考えていなかった、とか。
現に結婚式が近づいてくると、シャロはだんだん
落ち着かなくなっているようです。その前に自分が
何か対策をしていれば事情は変わっていたかも、と
思ったとしても、もう手の打ちようがないほど事態は
進んでしまっていたみたいですね。
こういう状況に遭遇した時、シャロには思いを巡らせて
もらいたいかもですね。自分だったら、望んでいない
相手と結婚させられるとしたらどうだろう、とか、
ずっとこんな状況にいたクラリスはどう思っていたの
かな、と、考える場面などあったりすると良かったかも、
というように感じます。
そういった事はなかったとしても、シャロもクラリスも
仲間の大切さはよくわかったみたいですね。クラリスの
場合は、自分の国での仲間作りはこれからかもしれません。
けれど、夢を手に入れる方法に気づいた彼女には、
未来への希望があふれているのでしょう。
そしてシャロは、皆の所へ帰ってきました。彼女が
気づいたのは、一緒におしゃべりしながら食事をしたり、
体をくっつけあって同じベッドで寝られる仲間の存在
なのでしょう。つい何ヶ月か前は、広いベッドに1人で
寝るのが当たり前だったのに、今はもう他の3人が
いないと物足りないみたいです。
コーデリアが「お花畑」を大事にするように、シャロも
皆と過ごせる時間を求めているのかも。そういった所
から百合なエピソードが描かれていくと良いのですけれど、
どうでしょうね。この第6話では百合テイストはあまり
なかった感じですが、これからの話数では何かあるのを
期待したいです。
| 固定リンク
「百合レビュー」カテゴリの記事
- 星屑テレパス 第2話(2023.11.17)
- 16bitセンセーション ANOTHER LAYER 第1話(2023.11.15)
- 星屑テレパス 第1話(2023.11.09)
- アサルトリリィ BOUQUET 第5話(2023.10.30)
- アサルトリリィ BOUQUET 第4話(2023.10.23)
「作品 ミルキィホームズ」カテゴリの記事
- 2016年10月からのアニメ作品とその後の予定など(2016.09.30)
- 10月からのアニメ作品の放送スケジュールやその後の予定など(2015.10.01)
- 1月からとそれに続くアニメ作品の放送予定など(2016.01.11)
- 劇場版 探偵オペラ ミルキィホームズ~逆襲のミルキィホームズ~ 特報映像が配信されています(2015.09.29)
- 探偵オペラミルキィホームズ 劇場版の告知映像が配信されています(2015.09.09)
コメント
私は無責任というよりも、シャロは純粋だからこその行動だと思いました
王子が来る前に国の重い話を聞かされ、破談にならないためにも王子の要求を最大限呑んだのだと思います
5話でその手に疎いことやエピローグからあの行為に対して何ら疑問をもっていなかったのでは
4話ではバナナでシャロを忘れたみんなと豪華な料理でも嬉しくないと言ったシャロ、仲間のことを一番想っていたのは彼女ではないでしょうか
あと、小衣の「バーカ、バーカ」発言はシャロのキスに対して子どもじみた嫉妬にも聞こえました
投稿: | 2010年11月22日 (月) 23時06分
コメントどうもです。
シャロはいつでも誰かのためになる事をしたい
と考えているのかもですね。クラリスに頼まれた
身代わりを引き受けたのもその気持ちから来て
いると言えそうです。おっしゃるように純粋
だからこそ彼女にはそこまでできたのかも。
バナナの事は、シャロもけっこうショックだった
みたいですね。泣きながら駆け出していって
しまったようですし。他の3人が彼女にきちんと
謝った上で仲直りしている事を期待したいかも
です。
小衣の場合は、年相応の子供になりきれない
所が悩みだったりしそうですね。シャロとの
おつきあいの中で彼女なりの「らしさ」を
取り戻して、シャロとも素直にふれあえる
ようになれたら、百合的にもいい感じに
なりそうな気がします。
投稿: ギンガム | 2010年11月24日 (水) 23時30分