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2010年11月 5日 (金)

ハートキャッチプリキュア! 第38話

 この試練に失敗したらどうなるのか、、、答えだけ
を聞いたらそれほどでもないように思えます。が、
本当はこれが一番恐れるべき事なのでしょうね。
ブロッサムを待っているマリン達にしても、
仲間達をどういう風に思っているのか、改めて
確かめ合う必要があるようにも思います。ていうか
マリン、額が焦げ、、、。

 テレビアニメ「ハートキャッチプリキュア!」、
第38話「プリキュア、スーパーシルエットに
変身ですっ!!
」です。
 仲間達から切り離された世界で、試練に立ち
向かうキュアブロッサムの前に、彼女そっくりの
少女が現れた。名前は「キュアブロッサムミラージュ」、
ブロッサムを映す鏡だという。一方、マリン、
サンシャイン、ムーンライトは無事にキュアパレス
に戻ってきていた。が、なかなか姿を見せない
ブロッサムが心配でならない。もし試練に失敗
したらどうなるのかを薫子に尋ねると、彼女は
重い口を開いて言った。「何も変わらない」と。

 自分が変われなかったとしても、周りの人は
誰もとがめたりしない。今までと同じように優しく
包んでくれて、微笑みを絶やさず、自分が困って
いたらすぐに手を差し伸べてくれる。今のままで
いればこの関係も変わる事がなく、ずっと穏やかに
過ごしていける、、、。
 確かにつぼみの場合はそうなのかもしれません。
たぶん幼い頃から両親と祖母に大事に育てられて
きたのでしょうね。中学生になって転校した
後も、祖母の薫子とは一緒に暮らせるように
なりましたし、学園でも、えりかやいつきのような
素敵な同級生達が、彼女を見守っています。
 こんな素晴らしい日々を、自分から「チェンジ」
する必要なんてないのでは、とさえつぼみは
思ってしまっていたのかも。あまりにも周りの
人達の気遣いが優れていたから、つぼみは
自分から何かをする努力をしなくなって、それが
引っ込み思案を長引かせる事につながっていた
とも考えられそうです。

 つぼみは、第1話では、転校デビューするつもりが
うまくいかず、えりかに苦手意識さえ持ちそうに
なっていました。ですがその後、プリキュア
だけでなくいろいろな出来事を通じてえりかとの
絆を深め、周りの人達とも仲良くなれていった
ように見えます。
 じゃあそれで十分彼女は変われたのでは、とも
言えそうですが、そう簡単にはいかないようです。
まだ何かが彼女を、昔の自分の枠に押し込めて
いたりする、のかも。
 優しい家族や友達は、つぼみがどんな状況に
あったとしても、彼女を受け入れるのでしょう。
彼女が変わったとしても変わらなかったとしても、
結果として今存在しているつぼみをありのまま
受け止めてくれるのかもしれません。

 なら別に変わらなくても良いのでは、といった
考えにもなりそうです。が、それもどこか違う
ような雰囲気があります。
 現実的には、今の状態から前へ進まなければ、
デザートデビルを倒せず、「砂漠の使徒」に支配
されてしまう可能性があります。でもそういう
事情を切り離した所にも、もっと重要な意味が
あるのでしょう。
 家族や友達の優しさや笑顔は、何の努力も
しないでずっと得られ続けるわけではないのかも
しれません。周りの人達の喜びを消し去るもの
には、それが何であったとしても、つぼみは
立ち向かっていかなければならないのでは
ないでしょうか。それがたとえ自分自身だった
としても、、、。
 変わらない、もしくは変われない、というのは、
つぼみにとってはとても恐ろしい事なのかも
しれません。ですがそういう状態にまで至らせて
しまったのも自分、なのですよね。ここはやはり
誰の力も借りずに自分だけで解決しなければ
本当に変わる事はできないのかもです。

 さてそんなブロッサムを待っているマリン達は、
プリキュアパレスにいます。周りにある歴代の
プリキュア達の石像は、試練を乗り越えた証
としてそこに置かれていたんですね。そう思って
改めて見ると、これまでプリキュアになる事を
選んだ少女達が、大きく成長した姿がそこに
あるように感じられて頼もしい雰囲気なのでは。

 待っている間、何も手助けができないマリン
は、あれこれ気をもんでいたようです。彼女の
口から出た言葉は、「あたし達がいないと
ダメダメなんだから」というもの、、、。
 マリンにしてみれば、「最弱」とまで言われた
ブロッサムや、普段えりかとして見ているつぼみ
の姿に、頼りなさを感じていたのかもしれません。
と同時に、いつだってつぼみを助けたい、という
強い気持ちも持っていたのでしょう。
 けれど、「あたし達がいないと」とまで言って
しまうのは、あまり良くない傾向のような気が
します。自分が助けてあげてるんだ、とか、
それだけつぼみは弱いんだ、という考え方を
えりかがしてしまう可能性もありそうで。
 困っている人を助けるのは、勧められていい
事ですね。誰もが、困っている時にお互いを
助け合えれば、素敵な明日につながっていく
事でしょう。そこに優越感みたいなものはない
はずですから、えりかも、自分とつぼみは
お互い助け合っていると感じられるように
なれば良いのかもです。

 ではこの話数での彼女達はというと、、、
「フォルテッシモ、する?」という辺りのせりふが
何だかいいですね。やっぱり、「フローラル
パワーフォルテッシモ」で2人が一体化する
体験は、親しい人と行えば素晴らしい、嬉しい
ものなのでしょうね。

 ムーンライトとフォルテッシモしたかった
マリンは、もしかしたら年上の女性への憧れ
みたいなものがある? 考えてみればえりかが
姉のももかにコンプレックスを持っていたのは、
おしゃれな洋服を着てモデルの仕事をこなす
美しい姉の姿に興味を持っていたからなのでは
と思えます。もし興味がなければ何とも思わない
でしょうし。
 姉と同級生で大親友のゆりは、物静かで美しい
女性。プリキュアに変身しても圧倒的なパワーで
自分達を助けてくれる。えりかにとっては、
姉以外に目標にしたい女の人なのかもです。

 ムーンライトといえば、バトルの場面で、
空を飛ぶための輝くマントを、マリン達と
同じように使っていましたね。あのマントは
パートナーの妖精が変身したものなのです
けれど、ムーンライトのパートナーのコロンは
ここにはいないはず、、、。欠けている彼女の
「プリキュアの種」が変身の時だけ戻る理由と
ともにちょっと謎な部分ではあります。
 後は薫子とデューンの関係も気になりますね。
以前一度対決しているようですけれど、そこで
何かがあったようにも感じられます。薫子の
ペンダントにも秘密がありそう?

 それから、試練を乗り越えたプリキュア達の
新しい技は圧巻ですね。技の発動と同時に
彼女達の背後に浮かび上がる女性の巨大な
イメージは、、、。キュアフラワーとかだったり
するでしょうか。(女性の巨大なイメージ
というと、第1シリーズに登場する「光の園」の
「クイーン」とかを思い出しますね。)何というか
格ゲーとかでこういう演出があると映えそう
です。ここでも最後は正拳突き(?)を繰り出してる
みたいですし。プリキュア達の絆はこれから
もっと固くなる、という意味なのかもです。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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