ハートキャッチプリキュア! 第33話
過去の経験で、ゆりは「ひとり」で戦う事の困難さ、
無謀さを思い知らされました。そして今、彼女の
目の前にはつぼみ達がいます。一時は「あなた達
とは一緒に戦えない」とまで言っていたゆりですが、
えりか達の気持ちを知って、どんな決断をするの
でしょうか。
テレビアニメ「ハートキャッチプリキュア!」、
第33話「キュアムーンライト、ついに復活
ですっ!!」です。
昇る月の光を浴びながら、欠けた「プリキュアの
種」を手に、ゆりはたたずんでいた。胸の中で
思い出されるのは、プリキュアパレスでの出来事。
3人のチームワークで「ハートキャッチミラージュ」
を手に入れたブロッサム、マリン、サンシャインは、
アドバイスをくれたゆりに感謝の言葉を贈って
いた。ブロッサムはミラージュの力でゆりを再び
プリキュアできないか薫子に尋ねるが、ゆりは
かぶりを振った。彼女は悲痛な声で言った、
「なれるわけがない」と。
これまで、つぼみ達が見ていた夢という形で、
キュアムーンライトの戦いは描かれていました。
その場面では、何とか「こころの大樹」は守った
ものの、サバーク博士とダークプリキュアによって
「プリキュアの種」を破壊され、彼女はもう
プリキュアには変身できなくなってしまいます。
この話数では、そこへ新しい事実がある事が
語られていますね。彼女にもやはりパートナーの
妖精はいたようです。が、今はもういない、、、。
それが、彼女をいつも沈んだ表情にさせている
原因の一つだったみたいです。
さらにゆりがプリキュアに選ばれるまでに何が
あったかについても、薫子の口から話されて
います。以前にも、ゆりの父親は「こころの大樹」
を探していて行方不明になった、と言われて
いましたが、それってゆりがプリキュアになる
前の出来事だったらしいですね。個人的には、
1人で「砂漠の使徒」と戦っている娘を手助け
するために大樹を探しに行って行方がわからなく
なったのかと思っていましたのでちょっと意外
でした。
というかゆりはキュアムーンライトになる時に
「こころの大樹に選ばれた」らしいのですけれど、
そうすると彼女の心境はやや複雑だったのかな
という気もします。彼女の父親が探し続けて
見つからなくて、ついには行方不明にまでなって
しまった原因とも言える大樹が、自分をプリキュアに
するために妖精を遣わしてきたわけですし。たぶん
その時彼女は、自分の父親がどうしていなくなって
しまったのか、今はどこにいるのかと大樹に
問い詰めたりしていたのではないかなとつい
想像してしまいます。
もしそうだったとしても、ゆりはプリキュアに
なる道を拒みはしなかったのでしょうね。世界中
から笑顔が奪われる事は彼女自身望まなかった
でしょうし、父親の夢を実現するためにも、
大樹を危険から救い出さなければならないと
考えたのでは。
(そういえばゆりの父親が行方不明になった場所は、
フランスらしいですね。これって何となく、10月
公開の劇場版「花の都でファッションショー、、、
ですか!?」につながる感じもあります。さりげなく
宣伝?
それと、「こころの大樹」とゆりの父親という
取り合わせから、あるキャラが浮かんでくるような。
もしかしたらサバーク博士の正体って、デューンに
支配されたゆりの父親だったり? だとすると
キュアムーンライトの存在にこだわるダークプリキュア
が作り出されたのも納得できたりしそうでしょうか。)
そういう成り立ちがもしあるのなら、ゆりが
プリキュアの責任の重さを感じ、それをすべて
1人で背負い込もうと思った理由の一つになるの
かもしれません。そして1人で戦い続ける事が、
彼女をより孤独にさせていったのかも、とも
思えます。
妖精達とは語り合えたとしても、自分の役目を
学校の友達や親しい人に伝えられないのはやはり
寂しいのではないでしょうか。もしかしたら
薫子だけは最初からゆりの味方でいてくれたかも
しれません。けれど、「ハートキャッチミラージュ」
を授受して正式にプリキュアの力と役割と引き継ぐ
前に、キュアムーンライトは倒されてしまいます。
(ここで仮に、ダークプリキュアと戦う前に
プリキュアの「試練」をキュアムーンライトが
受けていたら、事情は少し違っていたかも、と
感じられます。伝説になるほど強大な力を手に入れた
キュアフラワーが相手では、ムーンライトと
いえども試練を乗り切るのは難しいはず。そこで
仲間の大切さを知り、シプレやコフレのパートナー
になるプリキュアを探し始めたとしたら、、、彼女は
悲しみに沈み「こころの花」を枯らしてしまう
事もなかったかもしれません。)
妖精を失い、歴代のプリキュア達の意志を
受け継ぐ事ができず、変身できなくてもダーク
プリキュアからは付け狙われるゆり。彼女にはもう
何の希望もないかのように見えます。そして実際、
彼女の「こころの花」は、、、。皆のこころの花を
救い続けてきた本人がこういう状態になって
しまって、ゆりはかなり絶望的な気持ちになって
いたのでしょう。彼女が必要以上に周りと関わらずに
いるように見えるのも、そのせいなのかも。(そんな
中でももかとだけは打ち解けている雰囲気なのは良い
かもですね。)
けれど、彼女は見捨てられているわけでは
ありませんでした。彼女がこれまで誰にも言わずに
続けてきた努力を、ちゃんと理解してくれる人達が
います。
薫子から事情を聞かされたえりか達は、すぐに
ゆりに会いに行っていますね。同じプリキュア
だから、という部分もあるのかもしれませんけれど、
ゆりがこれまでどれだけ苦しんできたかを、つぼみ
達は敏感に感じ取ったようです。
「私の胸で泣いてください!」とゆりに訴える
えりかの姿は良いかもですね。外から見たら言って
いる事とやっている事が逆なのでは、と思われて
しまいそうですが、えりかはかまわず抱きついて
いってます。彼女の中の愛情というか母性本能
みたいなものがあふれて抑えきれなかったの
でしょう。
ここでちょっと気になるのは、えりかの行動が、
変な哀れみみたいなものになっていないかという
事だったりします。ゆりはたった1人で砂漠の使徒を
相手に戦い、妖精のコロンを失い、自分もプリキュア
に変身できなくなってしまいます。そこから見れば、
えりか達はそれぞれちゃんと妖精と一緒にいますし、
プリキュアの種も無事で変身もできます。そんな
絶対的な位置づけの差が、えりか達の視点を上から
見下ろしたものにしてはいないか、というのが
ちょっと心配でした。
けれどえりか達の気持ちはそんなものではなかった
みたいですね。彼女達は皆、ゆりと一緒になりたい、
ともに喜びも悲しみも分け合える仲になりたいと
思っていたようです。
つぼみ達の気持ちは固まっています。後はゆり
次第ですが、、、彼女も3人の思いにきちんと
応えてくれたみたいです。
ゆりにとっては3人とも年下の中学2年生。
そんな娘達の意見なんて煩わしいだけ、なんて感じる
可能性だってあったかもしれません。ですが、ゆりは
皆の願いをまっすぐに受け入れたようです。彼女
自身も、差し伸べられた手をどうするべきなのか、
うまく答えを出せていたのではないでしょうか。
妖精を失った悲しみは深いですけれど、ゆりは
それを乗り越えて前へ進もうという気持ちになれたの
でしょうね。そこからはもう、サブタイトルにも
あるようにキュアムーンライトの「復活」となります。
やはりつぼみ達より年上なだけあって、変身の
場面も勇ましく、りりしく、あでやかな雰囲気かも
です。
ゆりのプリキュアの種を復活させたのは、
ブロッサム達が集めた「こころの種」の力らしい
ですね。、、、何となく期待していたのは、ダーク
プリキュアが持っているもう一つのかけらとつなげて
種を復活させる、という展開だったのですけれど、
そうではなかったようです。
でもキュアムーンライトとダークプリキュアとの
間には、ほとんど因縁とも言える関係がありそう
ですよね。この2人は、正面からぶつかり合って
答えを出さなければならないような気もします。
この後が気になりますね。
次回予告でキュアムーンライトが言っていた言葉は、
「ダークプリキュアを倒す力で私を満たして!」という
もの。そこまでダークプリキュアに対して感情が
動くのは、彼女が相手に強い気持ちを抱いているから
なのではないでしょうか。その気持ちとは何なのか、
次回に一つの答えが出されたりするのを期待したい
かもです。
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