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2010年9月26日 (日)

ハートキャッチプリキュア! 第32話

 もしかしたら、、、最初はそんな小さな予感だった
かもしれません。けれど信じる力を持った仲間達が
続々と集まって、予感は確かな希望へと変わって
いきます。キュアフラワーにとっても、それから
キュアムーンライトにとっても、望みを捨てずに
いる事の大切さが、ブロッサム達から伝わって
くるのではないでしょうか。

 テレビアニメ「ハートキャッチプリキュア!」、
第32話「イケメンさんと対決? そんなの
聞いてないです~!!
」です。
 荒れ果てた月面で、「砂漠の使徒」に立ち向かう、
キュアブロッサム、キュアマリン、キュアサンシャイン。
しかし「砂漠の王デューン」のふるう力はすさまじく、
妖精達の手助けもむなしく彼女達は変身を解かれ
地にねじ伏せられてしまう。地球は瞬く間に色を失い、
砂漠へと変貌していく。その時、つぼみの呼ぶ声で
薫子は目を覚ました。夢の中の出来事とはいえ、
彼女は動揺を禁じ得なかった。

 この作品では、夢は不安を呼ぶ要素になって
いるみたいですね。第1話の最初にあったような、
プリキュアが倒されるという絶望的な夢を、つぼみや
えりか、いつき達は既に見せられています。夢に
出てくるキュアムーンライトやダークプリキュアが
何者なのか知らない状態だったとしても、何かとても
恐ろしい事がそこで展開されているのはわかる
でしょう。
(ちなみに第3話では、つぼみが謎の青年の夢を
見ていました。これも不安の表れの一つ? まあ
そうではないのでしょうね。)
 このエピソードの冒頭で薫子が見ていた夢は、
今のつぼみ達の実力と、デューンの力を知っている
彼女だから見てしまったものなのかも。もし今
デューンが襲ってきたらどうなるか、薫子には
ほぼ確実に結果を予想できたのでしょう。表面
ではそれを隠していても、胸の中では心配な
気持ちがあふれて、ああいう夢を見るきっかけに
なったのでしょうね。自分が相手を倒せなかった
ばかりに、自分のかわいい孫娘が危険にさらされる
なんて、彼女には耐えられない苦悩なのでは
ないでしょうか。
(ところで薫子の夢の場面では、地球と月と火星
らしい星が見えていました。火星って、表面は
砂や岩で覆われた、砂漠のような星、という気が
します。もしかしたら火星を砂漠化させたのは、
デューン? だとするとこの人の力は相当なもの
だとも言えそうですね。それと、砂漠化する前の
火星がどんな姿だったのか、ちょっと気になります。)

 自分達の力に不安を覚えているのは、つぼみ達も
同じのようです。新しいアイテムを手に入れた
大幹部には、3人が束になって立ち向かってやっと
勝てるぐらい。いつ自分達が力で圧倒されるても
おかしくない状況だと感じているのでしょう。もし
自分達が倒れるような事があったら、自分が痛い
だけでは済まない、皆の「こころの花」が枯らされて
しまう、、、。そのビジョンは、薫子が夢に見た
ものと同じなのでは。薫子も、つぼみ達も、抱いて
いる思いは同じなのでしょう。プリキュアになる
力を手に入れた女の子なら誰も避けられない、
これも試練なのかもしれません。

 さて、ハートキャッチミラージュを目指す彼女達
を、プリキュアパレスで待ち受けていたのは、、、
という所で、ブロッサム達の力が試される事に
なりますね。やがて謎の青年(つぼみにとっては
「イケメンさん」という呼び方が慣れてしまって
いるようです)の正体も明かされます(、、、以前
第2話の記事でちょっと予想したのですけれど、
やはり当たりだったみたいです)。

 薫子の目から冷静に見て、ブロッサム達の今の
力では、試練に打ち勝つのはほとんど困難な状況
だったのでしょう。そんな中で、ブロッサム達は
自分達ができる最大限の努力をしていこうと
考えたようです。
 その姿は、薫子を元気づける事ができていた
ように思われます。不安に押しつぶされそうに
なって、嫌な夢まで見てしまうほどだった薫子に、
ブロッサム達は確かに、希望への予感を与えて
いたのではないでしょうか。
 そしてもう1人、希望を持てた人がいました。
それは、ゆりです。前回第31話の時に、彼女は
つぼみに勇気づけられる形で、自分が望んでいる
事について話していました。それがさらにここでは、
もしかしたら現実になるかもしれない、という
ほのかな希望へと形を変えています。やはりどんな
事でも、本人が望みを持ち続けていれば、実現
する事もできるのかもしれませんね。具体的に
どうなるかは、、、次回、なのでしょう。
(彼女達にはさらに、新しい変身形態となる
「スーパーシルエット」や、新しい技と思われる
「プリキュアハートキャッチオーケストラ」なども
あるみたいです。こちらについてもいずれ描かれて
いくのかもです。)

 作中、キュアムーンライトとキュアフラワーの
過去が少し描かれていました。ムーンライトと
ダークプリキュアの戦いがどういうタイミングで
起きたのかが説明されています。あの対決は、
そういう流れで発生していたのですね。それに、
ダークプリキュアがあの場所にいられたとすると、
もしかしたら彼女にもプリキュアになる資格が
あるのかも、なんて思えました。
 キュアフラワーの方は、50年前にあった戦いに
ついて語られています。壮絶な戦いがあったみたい
ですね。ここでキュアフラワーの顔が見られるかと
思ったのですけれど、そうはならなかったようです。
プリキュアに変身している時の彼女の姿がどんな
なのか、もうちょっと詳しく見てみたい気もします。

 それからさらに、キュアフラワーより前の
「歴代プリキュア」の姿を写したと思われる像も
登場していますね。「歴代」と聞くとつい劇場版
作品
を思い出してしまいます。ブラックホワイト
似た人達がいないかと探してしまいましたが、やはり
というか、いない感じでした。(声も特に関係はない
かもです。)
 ハートキャッチミラージュを引き継ぐには大変な
事をしなければならないようですが、その後で
プリキュア達がどうなっていったのかは知りたい
ですね。命を落としたりするわけではないでしょう
から、役目を終えたプリキュア達は、それぞれが
1人の女の子に戻っていったのでは、と思いたい所
です。
 それと、像として登場していたプリキュア達の
本来の姿も見てみたいですね。この作品らしく
花をモチーフにしたコスチュームになっている感じ
ですが、彩色されていくとどうなるのでしょう。
何かのチャンスの時に描かれるのを期待したいです。

 戦いを終えたブロッサムは、謎の青年の正体を
知る事になりますが、その時の彼女の反応は、、、。
というかつぼみって、慕っている人がいろいろいる
気がします。いつきの事も時々熱に浮かされたような
まなざしで見ている場合もありますし、それに彼女
には、えりかという大切な同級生の存在もあります。
 まあ憧れの気持ちは多くの人に対して持つ場合も
あるかもしれませんし、それを他の人が簡単に
止めるわけにもいかないでしょう。でもつぼみの
場合、えりかへの気持ちを一番にしてもらいたい
気がします。

 真実を知って愕然とするブロッサムにマリンは
やさしく手を触れて慰めています。振り向いた
ブロッサムは、目に涙をいっぱいにためて、頬は
赤くなっています。彼女に話しかけているマリンの
表情は、、、しょうがないなあ、みたいな感じ?
 えりかは、つぼみがいつきの事を勘違いしていた
時も、隣にいて一部始終を見ていました。つぼみが
早とちりしてしまう場面は、何度も見てきているの
でしょうね。
 つぼみが失敗して落ち込むたびに、えりかは彼女
を慰めています。冷たくあしらったり見放したり
なんて事は全然せず、そっとそばに寄り添って、
根気よく声をかけてあげているのではないでしょうか。
 そんな風にする理由は、、、お隣さんだから、とか、
同じファッション部だからとか、ましてや一緒に
プリキュアをやっているから、といったものではない
はず、と思えます。そういう外側とは別の、もっと
深い所で、えりかはつぼみを大切に思っているの
でしょう。
 第4話で2人の関係をつなぎ止めた言葉は、今も
ずっと、えりかの中で生き続けているのでは。
だからつぼみがどんな麗しい人に目を奪われても、
自分との関係は小揺るぎもしない、と確信している
とも考えられそうです。
 もしそれならそれで、えりかとつぼみがお互いの
絆の強さを確認するエピソードを見てみたい気が
します。えりかがつぼみとのつながりを信じすぎて
黙っている間に他の女の子につぼみを奪われたり
しない(?)ためにも、2人がお互いを求めていると
改めて意識できるきっかけがあると良いかもです。
この先プリキュアが4人になっても、やはり基本に
あるのはつぼみとえりか、2人の中学生の女の子達の
愛情なのだと感じられる物語があると良さそうです。

・「ふたりはプリキュア」レビューリストレビューセンター

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