けいおん!! 第22話
チョコはビターだったのでしょうか、それとも
スイート? 梓は、唯達との関係が変わるのを
ずっと暗い気持ちで考え続けるのか、それとも
先輩達の将来を明るい気持ちで祈れるように
なるのか、、、。気持ちを決めるためには、この
イベントはとても重要だったのでは、と感じられ
ます。
テレビアニメ「けいおん!!」、第22話
「受験!」です。
年が明けて寒い日が続く。教室でカイロを
取り出し暖をとっている梓の前では、純が
お菓子作りの本をじっくり眺めていた。
ジャズ研の先輩へのチョコレートを、今年は
手作りにしようかと考えているのだという。
そう、時は正にバレンタインデー直前。憂が
今年も姉に渡すと言っているのを聞きながら、
梓はふと、自分が今まで先輩達に一度も
チョコを渡していない事に思いをはせた。
女子高でバレンタインといえば、同級生に、
先輩に、または先生にも、あげたりもらったりが
行われ。甘いものを食べたい欲求があったり、
相手への親しみや尊敬の気持ちがあったり、
中には友情以上の感情を伝えるものもあるかも
しれません。
唯達軽音部の場合どうだったかというと、
これまでは特に何もなかったらしいです。
たまたま物語上取り上げられなかったというの
ではなく、大きな話題になるような出来事は
本当になかったようですね。いえ、「ベルギー
王室」だって十分話題ではあるのですけれど、
それとはまた別の、というか。
梓が入学&入部してからは2回目、唯達に
限って言えば3回目のイベントという事に
なりますから、今度は何か嬉し恥ずかしな
事もある1日になるのを期待したくなりますね。
梓は、憂の力を借りてプレゼントの準備を
します。憂や純の前ではつい何でもないような
素振りを見せますが、彼女もやはり、親しみの
気持ちを持っていて、憧れている先輩達に、
かわいらしく贈り物をしたい、という気持ちが
あるのでしょう。
ですが、当日になるとなかなか渡す事が
できずにいるようです。そうしている間にも
他の生徒達は次々に意中の相手に渡している
みたいです。
梓は、この時どういう気持ちだったの
でしょうか。自分は軽音部の部員だし、唯達
には別格に扱われているんだ、という自負心
みたいなものもあったかもしれませんね。
今まで遠くから見て憧れているだけの子や、
ファンクラブに入って追っかけしてるような
子達とは違う。申し訳ないけれど純とも違う。
自分は確かに先輩達の輪の中にいて、同じ時を
笑ったり泣いたりして過ごしてきた、そんな
思いがあったのでは。だから他の女の子達とは
一緒じゃなく、特別な雰囲気で渡したかったし、
特別な雰囲気で受け取ってもらいたかったの
かも。
それともう一つ、チョコを渡して自分の
思いを果たす事が、寂しかったのかな、という
気もします。プレゼントを渡してお礼の言葉を
もらって、チョコを食べてもらったら、何かが
また一つ終わってしまう。うまく表現できない
その感覚が、とても嫌だったのではないかと。
梓が抱えている寂しさや悲しみみたいなもの
は、唯達が3年生になった頃からずっと(という
事は第2期の放送が始まってからずっと?)続いて
いたのかもしれません。先輩達と一緒に何かを
経験できるのは、これからはもう1回ずつしか
ないんだ、といった感じで。
作中でも、第5話をはじめ何かあるたびに
つい考え込んでしまう梓の姿があったように
思えます。この第2期では、梓はずっといつもの
調子を出せていなかった、とも考えられそう
です。
このままでは先輩達を温かく送り出す事なんて
難しそうですね。それどころかついいけない事を
願ってしまうのでは、なんて不安もあったり。
梓本人もどうにかしなきゃとは思っているの
でしょうけれど、なかなかうまくいっていない
みたいです。
どうすればいいのか、もしかしたら21話分
悩んできたかもしれない梓は、うまく答えを
出せるのでしょうか、、、。という所が、この
エピソードのポイントになりそうです。例えば
ずっと先の将来にこの時を振り返っても、これで
良かったと梓が思えるような答えが出せていると
素敵ですね。
さて梓以外はというと、唯達はバレンタイン
っぽい事はあまりしていないですね。さすがに
受験まっただ中だとさすがの唯達もそういう
わけにはいかない? (というかサブタイトルが
「受験!」なので主役は実は彼女達、なのかも
、、、。)
純は今年は手作りに挑戦しています。これは
どうやら彼女にとっては大きな決断だったみたい
です。やはり、卒業してしまう先輩への贈り物
ですから、気合いを入れたくなるのでしょう。
そういえば彼女が1年生の頃から言っていた
「ジャズ研のかっこいい先輩」って、これから
登場してくる予定とかはあったりするでしょうか?
澪と並んで憧れるほどの女性がどういう人なのか
ちょっと見てみたい気もします。
そして憂は、、、やはりお姉ちゃんが一番、みたい
ですね。どんなに都合がつかなくても、姉の分の
チョコレートは毎年絶対に忘れないようです。
それに今年は(去年も?)軽音部の他のメンバー
にはどうも渡していなかったっぽいかも。さすがの
「できた妹」でも、こういう時は、誰への気持ちを
最優先するか、きっちり線引きはしている?
(「できた妹」といえば、お菓子の材料集めを
する時にたまたま出会った梓のかごの中を見て
手伝いを申し出る辺りは、さすがです。とはいえ
「お百度参り」の仕方はちょっと違っていたかも?
手袋したまま柏手を打つのもやや微妙っぽい
ですね。)
憂は、普段から唯に料理やお菓子を作って
います。でもそうなるとバレンタインに特別な
チョコのお菓子を作ってもわかってもらえない
可能性もありそう? いえ、いつもはのんびり
した所のあるような唯でも、その辺りはちゃんと
わかってあげられるのでしょう。唯は憂の愛情を
すべて受け取って、それ以上の愛を返してあげる
事ができるのでは、と期待したいです。家の中
では2人でいる事が多いらしい唯と憂ですので、
お互いが愛情を表現しあうチャンスは多いのでは
ないかと思われます。
(、、、それだけに、唯が「あったかあったか」を
憂以外の女の子にしていたのがちょっと寂しかった
ような。まあ唯にとっては憂も他の女の子も
大切なのでしょうけれど、誰に対しても同じように
いい顔をしてしまう、みたいな状況は避けて
もらいたいかな、なんて思ったりもします。
ストーリー的には唯が誰かを選ぶみたいな流れ
にはならないでしょうけれど、彼女なりの愛を
貫いていってもらいたいようにも感じます。)
ストーリーとしては今後どれぐらいまで語られて
いくのでしょう。次の4月になって、軽音部の
部室に梓とさわ子とトンちゃんだけになって
しまう場面とかはちょっと寂しそうですし、
純や例えば憂がいたとしても、それは3月までの
軽音部とは違うのですよね。次回以降どういう
展開が待っているのか、気になります。(次回
予告の感じでは、唯が彼女らしいロックな(?)
遊びを思いついているみたいです。)
といった感じでこのエピソードでは絵が少し
止まりがちではありましたけど梓の気持ちが
ポジティブに変わっていく展開としては重要と
言えそうですね。これからクオリティアップに
なって、梓を含めた軽音部全員の暖かい思いが
より詳しく描かれていくようになると良さそう
です。
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