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2010年7月 3日 (土)

けいおん!! 第13話

 抱きしめられた柔らかさと、つないだ手の
ぬくもりは、決して夢ではないはず。少なくとも
今は、梓が手を伸ばす先に彼女は確かにいて
くれるのでしょう。でも未来の事となると、梓には
不安があるみたいですね。それと憂、、、プールで
3人で話していた時の彼女の表情が気になったの
ですけれど、この後につながったりする?

 テレビアニメ「けいおん!!」、第13話
暑中見舞い!」です。
 夏休みも半分が過ぎた。梓はつい家で暇を
もてあましてしまう。唯達に送る暑中見舞いの
メールの文面をあれこれ考えてもみるのだが、
なかなかうまくまとまらない。そこへちょうど、
相手からメールが届いた。珍しく唯達は一緒に
勉強しているらしい。梓は何か急につまらなく
なってしまった。

 梓は、彼女なりに気を遣ってメールの内容を
考えていたみたいですね。本当なら、自分より
ずっと大人で、受験勉強に必死に取り組む先輩達
を、邪魔にならないようにひっそり応援する後輩、
みたいなシチュエーションを思い描いていたのかも
しれません。が、現実には軽音部の皆は個性的で、
特に唯は放っておくとどんな事になるかわからず、
梓は自分がちゃんとしなきゃ、と、つい考えて
しまうようです。
 ところが、唯達は(珍しく?)勉強に精を出していた
らしく。それを知った梓は、何かもうあれこれ
心配していたのが無意味に思えて急に面白くなく
なってしまったのでしょうね。
 唯から届いたメールの文面と写真を見た瞬間、
そんな気持ちになってしまった梓。ですが、という
事はその前まではずっと先輩達の、というか唯の
生活が気になっていた、とも言えそうです。

 梓は、最近唯のギターがうまくなってきている
事に驚いているみたいですが、専門用語も楽譜も
まだあまり理解していないと指摘しています。
まあ一緒に部活をしていれば、唯の上達度ぐらいは
わかるのでしょう。
 梓は唯の腕前について、「まだまだ」と言って
います。これは、唯のプレイに辛い点を付けている、
というよりも、唯はもっとうまくなってもいいはず
と梓が考えている事の表れではないでしょうか。
梓はそれぐらい、唯の本当の価値を理解していて、
なおかつ期待もしているのではないかと。そういう
風に思えるのは、彼女がいつも唯を、表面上は
文句を言いながらも、好意的な目で見ているから
なのかも、なんて思います。

 では唯の方は、梓に対してどんな思いを抱いて
いるのでしょうか。言葉の上では、以前の話数で
「あずにゃんの事もちゃんと大切に思ってるよ」と
いった、ちょっと抑えめな(?)言い方をしています。
 このエピソードの中では、、、皆が偶然顔を合わせた
時、唯は、憂に声をかけるよりも明らかに高い
テンションで名前を呼んでいます。また他の
メンバーが夏祭りであちこち散っている中、唯
だけが梓に食べ物を買ってきています。それに
7人(軽音部+憂、純)でかき氷を食べる時も、
さりげなく唯と梓は隣同士。そして紬、澪、律の
後を追う唯は、ためらっていた梓の手を引いて
一緒に走り出しています。
 メンバーの中で、誰が梓の一番近くにいるかは
明らかなのでしょう。梓も、ちゃんとしてほしくて
ついきつい事を言ってしまう相手が、自分に愛想を
尽かしたりしないでいつでも自分に手を差し伸べて
くれるのを、とても嬉しく、愛しく思っているの
ではないでしょうか。

 他の点では、最初の頃の梓のスカート丈が気に
なってました。憂と比べても明らかに違っていて
、、、。実はそうしなければならない理由があったの
ですね。
 後は、純は何かだんだん軽音部に興味がわいてきて
いるようです。確か以前(第1期の第8話)、憂に
軽音部を紹介された時は、「ジャズ研にかっこいい
先輩がいるから」という理由で断っていました。
けれどその後、梓とも友達になり、軽音部の噂を
聞くにつけて、魅力を感じてきているみたいですね。
また第6話の時と同じように、澪に対しては「美人で
ベースがうまい先輩」という認識があるようです。
、、、ジャズ研の先輩よりかっこいいという事?
それから唯のギターのうまさについても、偏見なしで
いい評価をしているようです。このまま彼女の中で
軽音部への期待が高まればあるいは、、、とも思えます
が、その辺りはどうなるでしょうか。

 そして憂は、、、姉の唯を一番に思う気持ちは
変わらないようです。前回の記事では、「夏フェス」に
憂が行かなかった事で、唯と憂の関係がどうなるのか
ちょっと気になっていました。今度のエピソードで
何か語られるのかなと思っていたのですけど、あまり
そんな感じではなかったみたいですね。
 プールの場面では、純や梓が唯をほめるのを聞いて、
憂は照れまくっていました。単に身内がほめられて
いるから、という以上の喜び方は彼女らしい気がします。
 でもその後、梓が言っていた事がショックだったのか
表情があまり良くなかったですね。あの表情の意味
が気になるのですけれど、ストーリー中では説明
されなかったみたいです。この後どこかの話数で
出てきたりするのでしょうか。
 憂は、大好きな姉が目の前で梓にべたべたしていても
特に何かを感じたりはしていないように見えます。
彼女が姉に求めているものはそういうのとは別のもの
だったりするのかもしれません。でも姉の笑顔を
見たくて、姉のためなら何でもしてあげたくて、
自分の進路も姉と一緒にしたいと思っているほどの
彼女ですから、唯に対しては揺るぎのない思いを
抱いているはず、とも考えられるのですよね。
 そういった部分が濃厚に取り上げられる事は、この
作品的にはあまりないのかもしれません。けれど、
唯に対する憂の思いが、単なる姉妹の愛情以上の
ものだとはっきりわかるエピソードを見てみたい
気もします。

 まあそれは別の話数に期待するとして、、、この
本編は、梓視点の物語、という感じでしたね。
そして梓が寝不足だったせいなのか、全体的に
ふわふわした雰囲気が漂っています。最初から最後
まで、すべてが夢だったのではないかと思える
ほどに、、、。
 身の回りで起きる事を見ているだけだったなら、
梓もずっとそんなあやふやな気持ちでいたかも
しれません。でもそうではないと、はっきり
感じられる所は、確かにあったのでしょう。
 唯は梓を抱きしめてくれました。夏祭りで
食べ物を食べさせてくれましたし、手を引いて
一緒に走ってもいました。唯の体の柔らかい感触、
食べ物のほろ苦さ、触れた手のぬくもり、、、この
感覚は梓にとって夢でも何でもない、紛れもなく
本当の出来事です。梓は唯とのふれあいによって、
大切な気持ちを育てているのでは、とも思えます。

 梓は、差し出された唯の手に触れるのを、
一瞬ためらっています。来年の春になれば
(というか唯が卒業できれば)離れていって
しまうはずの手にすがってしまってもいいのか、
みたいな考えが彼女にはあったのかも、という
気がします。このまま心地よさに身をゆだねて
しまったら、後になって離れるのがどんどん
つらくなってしまう、とか。
 何も言えずに手を引っ込めそうになる梓に
対する唯の答えは、、、。これは、自分を信じて
くれていい、という意味だったりするでしょうか?
 唯としては梓がこの瞬間に何を考えているか
まではさすがにわからなかったかもしれません。
けれど、自分のわがままだけで梓を引っぱり回す
ような女の子ではないですよね。唯には、この
夏の夜に見せてくれた頼もしさを、これからも
ここぞという時に梓に示してもらいたいように
思います。

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