ヨコハマ買い出し紀行 新装版第１０巻が発売です

　果てしない時間が過ぎようとも、いつもアルファの
そばにいてくれるのは、、、。この世界ではいろいろな
人がいてたくさんの不思議な出来事が起きますが、
少なくともアルファにとっては、この人とともに
暮らす事が、一つの物語の形なのでは、という気が
します。

　発行講談社、アフタヌーンKC「ヨコハマ買い出し紀行」
は、月刊アフタヌーンで１２年間掲載され、単行本も
全１４巻が発売されています。その新装版の第１０巻が
本日発売となっています。この新装版は第１０巻が完結巻
です。
　ストーリーなどの紹介については以前別の記事に少し
書いてみました。遠い未来の湘南地方を中心にした
幻想的な物語、という感じですね。
　「カフェアルファ」をオーナーの代わりに営む女性型
ロボットのアルファは、衰退していく世界の中で
いろいろな人達とふれあっていきます。この第１０巻
で描かれる辺りでは、時間がどんどん過ぎ去っていって、
見慣れていたはずの景色も少しずつ変わり、またご近所
の子供達は成長し、大人達は年老いてしまいます。
　それでも、アルファはロボットであるため年を
とらないのですよね。時間に取り残されているような
彼女が何を見て聞くのかといった所も物語の主題に
なるのでしょう。

　百合的には特にメインになっているわけではないの
ですけれど、時々そんな雰囲気があったりします。
それに、物語の結び方も実は百合っぽいのでは、という
気がしています。
　この世界には、アルファの他にもロボットがいます。
男性型、女性型どちらも存在しているのですが、
特にココネという女性型のロボットとのふれあいが、
第１巻の頃から時々描かれていますね。
　ココネはある日、配達人として「カフェアルファ」に
やって来ますが、そこでアルファとキスを、、、。
というのは、ロボット同士で情報伝達をする効果的な
方法だからだったらしいです。が、これまで経験が
なかったアルファは意識しまくってしまい、夢の中
にまでココネが出てくるほど。
　それが本編中で恋愛とかに発展したりするわけでは
ないのですけれど、その後２人は仲良くなっています。
一緒にバイクで走ったり、かなり離れているお互いの
家に遊びに行ったりもしています。

　大詰めのエピソードでも、ココネはアルファに
関わってきます。その関わり方は、何となく百合な
雰囲気を想像させるように思います。
　たとえ地上のすべての生命が途絶えても、ロボット
である彼女達は永く存在し続けます。周りに知っている
人が誰もいなくなった時に、アルファが一緒にいたい
と思ったのがこの人だった事は素敵かもです。

　この作品は、原作コミックの他、アニメDVD、
ドラマCD、サウンドトラック、小説版などがリリース
されています。コミックの方も、コーヒーなどと
一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。