ハートキャッチプリキュア！ 第２３話

　「３人目」の登場、ですね。彼女は武道の心得が
あるらしいです。そうなると、バトルの場面では
かっこよく技を決めてくれたりもするのかもしれません。
　彼女は、美しくかわいらしく活躍するプリキュア
達に、これまでずっと憧れていたようです。その
仲間に自分も入れるのは嬉しいでしょうし、ここから
彼女の本当の自分を取り戻せるようになるのでは。

　テレビアニメ「ハートキャッチプリキュア！」、
第２３話「キュアサンシャイン誕生ですっ！！」です。
　つぼみは夜中に、ポプリに叩き起こされた。ポプリ
によれば、「３人目のプリキュア」はいつきに
違いないという。しかし、ポプリが自分の好みで
判断しているようにも見える上に、いつきが
プリキュアにふさわしいハートを持っているか
どうかはまだわからない。そこでつぼみ達は調査に
乗り出した。

　「優しくてかっこよくて素敵」、ポプリから
見ればその印象が一番強くて、またそれ以外は
重要ではないと考えているようにさえ思えます。
確かに薫子からは、「感じるものがあるはず」と
言われてはいましたが、ポプリの言葉だけを聞いて
いると本当にいつきがその人なのか、心配になって
きてしまいますね。
　前にも少し書きましたけれど、例えば水島アヤ

だって、花を愛する気持ちはいつきにだって
負けてはいないはずですよね。ポプリは、自分との
相性が一番良くて、プリキュアの力を最大限に
引き出せる相手を自然に求めていた、という事
なのでしょう。「キュアムーンライトの夢」を
見ていたかどうか、といった部分は後付けでも
良いのかもしれません。

　さてつぼみ達は、いつきがプリキュアの素質を
持っているかどうか確かめるために調査を始めます。
そこで見たのは、いつきの落ち込んだ表情。いつでも
お日様のようににこやかにしている彼女がそんな
顔をするには理由があったようです。
　さらにいつきに近づいた時、つぼみ達は彼女の
意外な姿を目撃してしまったみたいですね。悩む
時もかわいらしく「ごろごろ」しちゃういつき
なんて、もっと珍しいかも。
　それを見たつぼみは、申し訳なさそうに黙って
います。こんな表情になってしまった理由は、
いつきを心配している、とか、いつきに幻滅した、
とか？　つぼみは以前からいつきに憧れています
が、それは日頃のかっこいい姿だけでなく、
かわいらしいものが大好きで花やファッションを
とても大切にしている姿も含めて、なのですよね。
ですからつぼみは、いつきのこんな姿を見ても、
彼女が胸の中に抱えている悩みの方が気になって
いるのでしょう。

　ここでちょっとポイントだったのが、えりかの
行動のように思えます。声をかけたものの次を
しゃべれなくなっているつぼみを見て、彼女は
代弁してあげています。つぼみといつきの様子を
見比べた上でさりげなく会話に入っていくえりかの
やり方はとてもスマートかも。
　一方で少し心配な気がするのが、いつきの態度
だったりします。あまり人前では見せない姿を
目撃されてしまった彼女は、慌てていつもの、
生徒会長らしい厳かなポーズを繕っていますね。
誰にも見られていないつもりだったのが実は
そばに人がいたら、確かに気恥ずかしくはあるの
でしょう。でもつぼみやえりかは、一般の生徒達
よりはずっといつきと親しい人だと言えそうです。
なのであまりにも他人を拒絶するような態度で
接するのではなく、少しぐらい弱みを見せたって
いいんじゃないかなとも感じます。まあその辺りは
少しずつうまくやっていければ良いのかもです。

　この話数では、新しいプリキュアが誕生する
いきさつがつづられていきます。その中でちょっと
注意を引かれたせりふがありました。
　ポプリにプリキュアの事を言われたいつきは、
自分がプリキュアになるのを想像して夢見心地な
感じでしたが、今の自分を振り返ってちょっと
落胆してしまったようです。そこで彼女が言って
いたのは、「プリキュアになる資格」という言葉。
その後も「精一杯頑張って」とも言っていました。
さらにいつき達の前に現れたデザトリアンの
叫ぶ声が「イース！」でした、、、。これだけ
そろうと、どうしても前シリーズのキャラを
思い出してしまいますね。これは狙って演出
されている？

　そして３人目のプリキュア、「キュアサンシャイン」
の登場、ですね。古武道の跡継ぎとして通用する
ぐらいの腕前の持ち主ですから、これからの戦いの
場面では活躍を見せるのかもしれません。特に
ここでは、「明堂院流対明堂院流」みたいな流れに
なっていて緊迫のバトルだったかも。

　さらに印象があったのは、普段は自分を指す時に
「僕」と言っていた彼女が、変身した後には「私」と
言っている所ですね。やはり彼女は、本当は男子の
制服を着て男っぽく振る舞うのを嫌がっているの
では、とも思わせる変化です。（普段でも、気持ちが
揺り動かされた時は「私」と言ってしまうようです。）
　以前別の記事で、プリキュアの変身後の姿が、
彼女達の内面を表しているのでは、といった事を
書きました。このエピソードでの「私」という
言い方から考えても、もしかしたら彼女達は変身する
事によって自分を解放し、自分が本当はなりたいと
思っている姿に近づいているのかもですね。

　いつきは、明堂院流を絶やさないために、女
である事をやめ、人前で男っぽく振る舞うように
なっていきました。けれど本当はかわいいものが
大好きで、きれいな服もたくさん着たいと思って
いるのですよね。
　彼女の家族はそれをある程度知っているみたい
です。それに、いつきが無理に明堂院流を継ぐ
必要はないとも考えているようです。また、
明堂院流の当主になるためには別に女を捨てる
必要は特にないらしいです。
　だったらいつきに妙な我慢をさせなくても
良いようにも思うのですけれど、、、。でもまあ、
今度の手術がうまくいけば、いつきが後を継ぐ
必要性はさらに低くなるでしょうから、彼女は
本格的に以前の自分に戻る事ができるのでは、
と期待したいです。

　この作品の放送局や制作会社のサイトには、
いつきの私服姿のイラストが掲載されています。
これまではどんな時でもほとんど制服か道着姿
だった彼女ですが、これからは自分好みのかわいい
服を着て、皆の前でも素直に「私」と言えるように
なると良いですね。

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