つぼみ Vol.5 その2
中盤の辺りは掲載作品のページ数が多くなって
いるみたいですね。物語の中で女の子同士の
気持ちがどう動いていくかがじっくり見られる
ような気がします。短く印象的にまとまる物語も、
ストーリーの背景や登場人物が豊かなものも
見てみたいかもです。
発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.5を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。
では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。
(・作品名(作者名(敬称略)))
・キャンディ(鈴木有布子)
弓道部に所属する可南は、弓の腕前もさる事
ながら、背も高く中世的な雰囲気のため女子校
では憧れの対象になっていた。そんな彼女には、
最近気になる女の子がいるらしい。
いつもなら、自分を見て騒いでいる女の子達の
気持ちをあまり素人はしない可南ですが、千秋の
事だけは違ったようです。可南も千秋も何だか
初々しい感じで、実はけっこうお似合いなのかも
しれませんね。そして一条も自分の考え方を通し
つついい味を出してる気がします。
この作品では、タイトルにもある「キャンディ」
が一つのキーワードになっているようです。が、
何となくこの言葉には、可南のような登場人物
よりも、作り手側のイメージが反映されている
感じがありますね。
・タンデムLOVER(カサハラテツロー)
2人乗りの陸戦兵器タンデマインのパイロット
養成学校で、シマとコダは教官に呼び出された。
次の試験でチームを組めという。しかし2人には、
相手に対する苦手意識があった。
2人とも、お互いに自分と相手を比べて違いが
ありすぎるのを実感しているようです。何かと
思い出すのは、相手の欠点ばかりのようですが、、、
それだけ相手のする事がもどかしくて、気になって、
放っておけないのでしょう。最後のコマにはそれを
全部吹き飛ばすような爽快感があるのでは。
・ひみつ。(大朋めがね)
楓は家庭教師の女性と恋人関係にあったが、
相手はあっさり男性と結婚してしまった。学校
でもふとふさぎ込むようになった彼女に、同級生の
五月が声をかけてくる。
せりふは少なめで、たっぷり間をとって雰囲気が
出ている感じですね。恋愛でひどい目に遭わされても
相手は女、自分も女。自分で悲劇ぶった所で、誰にも
わかってはもらえない。そんな風に秘密を抱える楓の
ちょっとした言葉から気持ちを察する事ができる
五月は、楓にとって大切な存在と言えそうです。
・アシンメトリー(きぎたつみ)
ずぶ濡れで家へ帰ってきた奏が、開口一番に響を
なじる。2人で一緒に買い物をするはずだったのに
連絡が付かず、奏は雨に降られたのだ。とはいえ
響の方にも言い分はある。
2人は双子の姉妹ですが、似ている所や違う所が
いろいろあるらしいです。子供っぽかったり冷静
だったりするためタイミングの違いでぶつかり
合う場合もあるけれど、それでも相手は自分の半身、
という思いはあるみたいす。が、何だか姉妹喧嘩
のようで、百合度は少し低め?
・鬼丸さんの恋(宮内由香)
鬼丸さくらは自分でも信じられないような恋を
経験中。1歳年上、バイト先で一緒の水科晶子
に、である。今までの自分の遍歴にはなかったが、
この気持ちは決定的だった。
優しくて気が利いて頼りになって、自分の無粋な
ボーイフレンドなんかよりよっぽど気持ちをわかって
くれて、、、。でもそれが恋愛感情なのかというと
微妙な所ではあるのでしょう。けれどさくらは、
自分の気持ちは恋だと自覚しているので、迷わず
進んでいく事はできそうです。
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