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2010年5月 4日 (火)

ひらり、 Vol.1 前半

 表紙の雰囲気でも示されているような、
女の子同士のしっとりした物語やかわいらしい
ストーリーが収められているようです。
ページ数は長いものや短いものなどいろいろ
あり、それぞれの作品らしさを引き出している
気がします。

 発行新書館による、年3回刊の「ピュア百合
アンソロジー」となる「ひらり、」のVol.1を
見てみました。
 この所百合アンソロジーが割とたくさん
始まっていますよね。この本も、年3回という
ちょっと長いペースではありますが素敵な百合
作品を送り出していってもらいたい所です。
 最初の号という事でどんな雰囲気の本なのか
気になりますね。表紙画像が掲載されたり
全作品のあらすじが紹介されたり、部分的に
作品を見られる試し読みが行われたりと、少し
ずつ情報が公開されてきていました。
 その感じからすると、柔らかい絵柄の中に
甘さや切なさのある物語が詰め込まれている
ように思いました。それで実物を見てみると、
やはりそういう雰囲気がありますね。

 表紙は遠田志帆さんが担当されています。
前にも書きましたけれど、花が満開の藤棚の
下で、セーラー服を着た2人の女の子が
そっと耳打ちするような姿が見られます。
黒髪ショートカットの女の子と、金髪で
ふわふわロングの女の子、2人とも抜ける
ような白い肌と紅い唇が印象的ですね。
くすぐったそうにしている表情の下には、
「あなたにだけ、教えてあげる」の文字が。
誰にも内緒の気持ちを打ち明けあっている、
みたいな感じがあります。
 なお、この表紙の絵柄の図書カードを
抽選でプレゼントするとか。この本の
アンケートはがきを使って応募できる
らしいです。締め切りは6月末までだとか。
詳しくは帯の内側などを見てみてください。

 それからカラーの口絵は、古張乃莉さんが
描かれています。学生らしい2人の女の子
(別々の制服を着ています)の内1人が膝枕
、、、。花の冠(シロツメクサでしょうか)も
かわいらしいですね。

 では収録作品を部分的にご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・一瞬のアステリズム(雨隠ギド)
 テレビを見ながら、ふと蝶子の事を思い出す
蜜美。その頃の蝶子は、同じクラスの花の事が
気になっていた。翌朝2人でテレビ番組について
話している所へ、花がやって来る。
 蜜美、蝶子、花、という名前からもう3人の
関係性が伝わってくる感じかもですね。彼女達は
自分の気持ちに悩む事だけで精一杯みたいです
が、決して誰かを傷つけようとは思っていないの
でしょう。そうやって彼女達が選ぶ方法が
正しいかなんて誰にもわからないのかも。

・日向で咲いて(仙石寛子)
 作家が渡した原稿を読んでいて、担当編集者
は「素敵ですね」とつぶやく。それもそのはず、
それは作家が彼女に言いたかったせりふで、
締め切り間際のため作品に使ったものなのだ。
 作家という仕事をしていると、やはり言葉を
操るのはうまくなるのでしょうね。基本的には
仕事のために言葉を使うわけですが、やはり
とっておきのせりふはあるようで。編集者の
方も、仕事だと割り切っているものの、実は
作家への気持ちがあったりするのかも?

・ピンク・ラッシュ(TONO)
 かおり、アンナ、樹里、今日子というスタッフ
に恵まれ、今日もサナはアイドルとしてステージ
に立つ。ところがある日、ライバルのマールと
スタッフを総替えさせられる事になった。
 サナとマールは芸能界にいるらしく、そこ
では男性も女性も登場しますが、男性陣が
ほとんど人間として描かれていないのが何となく
ファンタジーな雰囲気です。サナとマールは
ライバル以外の関係になれるのでしょうか、
というかこのオチは、、、?

・わたしをすきにならないで(御徒町鳩)
 小さい頃から一緒にいる都子と亜衣。都子は
いつも亜衣の無邪気でわがままな言動に
振り回されてきたが、それは成長した今でも
変わらない。
 都子は亜衣のわがままにつきあわされたり
傷つけられたりしている、という意識を持って
いるようです。けれど意外と亜衣の方も、
都子のちょっとした表情や周りとの関係に
一喜一憂しているのでは、とも思えます。2人が
今後それに気づく事はある?

・コイスルオトメ(藤沢誠)
 登校前、髪の手入れに余念がない東城かえで。
きれいにする理由はただ一つ、恋する相手に
見てほしいから。その相手の名前は夏目、同じ
クラスの女の子だ。
 自分の気持ちに素直に突き進むかえでの姿は
何か見ていて爽やかになりますね。それに夏目
の事だけじゃなくちゃんと友達との接点も大事に
する所が、彼女の魅力なのかもしれません。
だから竹田も一肌脱ごう、という気持ちに
なったのではないでしょうか。

・影慕い(前田とも)
 人影の少ない早朝の道を歩くゆき。駅へ着いた
所で、同じ学校の生徒に声をかけられた。相手は
隣の家に住む先輩。だがゆきはなぜか彼女に
つれない態度をとってしまう。
 先輩がゆきの事を意識できなかったのは、女の子
同士ですし無理もない事なのかもしれません。
ゆきが人知れず傷ついていたと知ったら、彼女は
どう思うのでしょう。けれど最後の場面は、
そんな心配を吹き飛ばすような感動的な雰囲気が
感じられてなかなか良いですね。

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