けいおん!! 第5話
音を合わせるのは楽しい、、、。この、シンプルなのに
魅力的な思いは、後輩達にもちゃんと受け継がれて
いるようですね。離れている間にも相手を思い、再会
すればすぐにいつもの雰囲気を取り戻せる。梓には、
そして憂にも、唯達は大切な気持ちをくれる人達なの
ではないでしょうか。
テレビアニメ「けいおん!!」、第5話「お留守番!」
です。
桜高の3年生は修学旅行に出かけている。唯から
送られてくるメールを見て、憂は姉が旅行を楽しんで
いるのを、自分の事のように喜んでいた。だが一方の
梓は、部室でいつもだらけている唯を気に入らない
ようだ。先輩にはもっとちゃんとしていてほしい、と
彼女は不満を漏らす。
前回第4話と同じ時間軸で、「お留守番」をしている
憂、梓、そして純という2年生が中心になるエピソード
ですね。2組の間ではメールや電話のやりとりなどが
あって、ストーリーがつながっている感じが出ています。
前回は、いつものようにきっちりと姉の準備を整えて
あげて送り出した憂。彼女は、旅先から送られてくる
姉のメールが何よりも楽しみみたいです。他の人には
よくわからないノリの文面でも、彼女には唯の気持ちが
十分に伝わっているようです。
憂には、今の唯が一番なのでしょうね。だから梓が
唯に不満でもあまりピンときていないみたいですし、
純に唯の事を「面白い」と言われても、どの辺りが
そうなのかよくわからないようです。
憂ってどういう女の子かというと、これまでにも
少しずつ描かれてきている感じでは、姉が大好きで、
唯がちょっとだらしない所を見せても、怒るどころか
自分から進んでサポートしてあげていますね。また
本人はとても器用で、コツを憶えると、すぐに
それなりにうまくこなせるようになってしまいます。
それとこのエピソードでは特に、いろいろなものに
向かって「かわいい」を連発してました。ドーナツの
パッケージや、軽音部で飼っている亀のとんちゃん、
それに純がチョコパンを構える姿までかわいいと
言っています。これはもうほとんど口癖みたいな
ものなのかもですね。でも、彼女にしてみれば本当に
かわいいと思ったものにしかこんな風には言わないの
でしょうし、実際に彼女の周りには、かわいいと思える
ものがたくさんあふれているのでしょう。
そういった部分は、唯とも似ているように思えます。
彼女も、何かかわいいものを見つけると、うっとりと
眺めたり近づいて触れたり抱きしめたりしています。
梓は、唯にとってはとてもかわいい女の子なの
でしょう。部活そっちのけで愛でたくなるほどなの
では。その様子は、梓の目から見ると、だらしなくて
「ビシっ」としていないように感じられるのかも
しれません。
梓は、日頃から軽音部の部室のまったり感を
見続けていて、これでは良くないといつも考えて
いるみたいですよね。軽音部に比べてジャズ研の
先輩達がきちんとしているのがうらやましく思える
ほどのようで。確かに、自分が叱らないと練習を
始めようとしない先輩、というのはちょっと嫌なの
かもしれません。
1年間一緒に活動してきて、梓は、仲間としての
親しさや愛情みたいなものを唯達に対して持って
いるのは間違いないのでしょう。だからこそ、音楽
に対して自分とかなり違うスタンスを持っている
唯達が、時々遠く感じる事もあるのかも、と思われ
ます。
さらに今は距離的にも4人と離れていますし、
やっぱり心細くなっているのではないでしょうか。
自分抜きで唯達が楽しそうにしていると聞くだけで、
寂しくなってしまっているようです。彼女が
想像した場面は、日頃から少しずつ蓄積してきた
寂しさが生み出したものなのかも。唯からいつも
あれだけ「かわいい」と言い続けられていても、
不安はあるのかもしれません。
唯達には、梓のそんな不安を吹き飛ばすほどの
親密な行為を、梓がわかったと言うまで、いえ、
言ったとしてももっとたくさんしてあげたら
良さそうですね。自分達が卒業した後も(卒業
できるかどうかは別として)、梓が寂しくならない
ような形で、愛情を注いでいってもらいたい所
です。
そしていつもより大きく取り上げられている
感じの純は、、、軽音部を外から見ている立場の人、
と言えそうでしょうか。自分が所属しているジャズ研
と比べるとかなり毛色が違うように見えるみたい
ですが、まあ別に見下したりはしていないですよね。
梓のギターの腕前は評価しているみたいですし、
澪の事は「かっこいい先輩」として憧れている
ようです(第1期の第8話では、メイド服を無理矢理
着せられて恥ずかしがり、ドアの陰から部室を
のぞき込んでいた澪を見て唖然としていました
けど、それで評価は下がらなかったっぽいですね)。
純はちょっとふざけたり冗談を言ったりする人
みたいですね。場を和ませようと考えているの
かもですけど、時々失敗もするようで、、、。彼女が
2年生トリオを引っ張っていく位置づけになるのかは
ちょっとわかりませんけれど、梓や憂とはずっと
仲良くやっていけそうですね。
ところで、ジャズ研の部室に1年生達が来る場面を
見ていると、梓達は2年生なんだな、って思わせられ
ちゃいますね。いつもは「唯達の後輩」という見方に
なってしまうのですけれど、彼女達自身にももう
後輩はいるわけで、彼女達の時間はもうかなり過ぎて
いるようです。唯達もそうですけれど、梓達も
同学年の女の子達でもっとたくさん思い出を作れる
ようになると良いですね。
(ちなみに、ジャズ研の1年生達って、2人とも
ほっぺたが赤くなっていました。この作品って、時々
こういうデザイン設定の女の子達が出てくるような
気がします。この学校って、そういう純朴そうな
生徒が多い、という事?)
思い出といえば、このエピソードの間に流れていた
CMがちょっと気になりました。エンスカイなどが提供
する新しいタイプのトレーディングカードゲームで、
名前は「Precious Memories」というそうです。第1弾
タイトルとして「けいおん!」がフィーチャーされて
いて、CMの中では唯や澪がゲームを紹介しています。
そのせりふが「カードの1枚1枚が、私達の思い出」、
「まるで、アルバムの中から抜け出したみたい」といった
もの、、、。ゲームのタイトルに「Memories」という
言葉があるためにこういうせりふになっているとは
思うのです。けれど、前にも書いたように「けいおん!!」
ではどうも「かけがえのない時間」がテーマになって
いるらしく、つい本編での唯達の、卒業を意識する
姿を思い出してしまいます。
それから、以前からかなり気になっていた事に
ついても、ここで少し答えが示されていたようです。
憂がお姉ちゃんを大好きらしいのは彼女の行動を
見ていればわかるように思います。が、その姉の唯が
梓を、正に猫っかわいがりしているのを見たら、
憂はどう思うのかが気がかりでした。
、、、唯はいつも自分に甘えてきてくれるけれど、
本当は梓の方に思いを寄せているんじゃないの、と
憂が寂しさや嫉妬のような気持ちを抱くのでは、なんて
想像してしまいました。
修学旅行から帰ってきた唯は、憂の目の前で梓に
飛びつき、部室へと引っ張っていきます。そういう
ふれあいを見た憂は、、、普通にしていましたね。
純から、いつもこうなのかと聞かれて、にこやかに
うなずいていました。
どうやら憂は、梓をかわいがる所も含めて姉を
愛しているのかもですね。それにたぶん、家に帰れば
思う存分姉とふれあえているのでしょう。
3年生の教室に入った時、憂は唯の席に座って
雰囲気を確かめていました。いつも自分に喜びを
与えてくれる姉に少しでも近く寄り添いたい、という
気持ちが、彼女の中にはあふれているのかも
しれません。
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コメント
本当に憂はお姉ちゃんが大好きと言う感じですね。姉妹百合と言う意味でも今回は観て良かったと思いました。
それと記事とは関係ありませんが、先日のコミティアは行かれましたでしょうか。女子GL部(R18)なんかもあって百合に関してコミティアは見るべきとこが多くなってきているような。
投稿: nobu | 2010年5月 8日 (土) 10時25分
ふだんとはちょっと違う視点で描かれた
エピソードでしたけれど、その中でも憂が
いつもと変わらず姉を思いやっている所が
素敵ですね。唯も妹は大切にしているでしょうし、
唯と憂の関係は百合的にも良い感じです。
コミティアには、行けませんでした、、、。
「女子GL部」では好みのサークルさんが参加
されていたので気にはなっていたのですけれど。
それから、5/2のスーパーコミックシティでは
「シティ百合部」があったそうで、コミティア
ともども百合的に注目なイベントが増えている
みたいですね。
投稿: ギンガム | 2010年5月 9日 (日) 21時35分