咲-Saki- ピクチャードラマ 第7話
中学で出会った2人はとても気があっている
ようで、会話のテンポの良さからもうかがわれ
ます。そういう事があったから和は、これまでの
自分とは違う新しい一歩を踏み出そうと思ったの
かもですね。そしてその思いは、確かに彼女を
ときめくような舞台へ、また初めての女の子へと
導いたのでしょう。
テレビアニメ「咲-Saki-」のDVDの第9巻特典
となるピクチャードラマの第7話、タイトルは
「昨夏のこと」です。
(DVD発売からは時間がたってしまいましたけれど、
コミックス第7巻も発売されましたし、みたいな
感じで、、、。)
中学3年の夏、和には少し思いあぐねている
事があった。それは、来年からの自分の進路だ。
麻雀の全国中学生大会で優勝した彼女には、それこそ
全国の麻雀強豪校からたくさんの誘いが来ている。
どれかを選ぶ事で優希と離ればなれになるのは
致し方ないとしても、どうするのが一番いいのか、
和にはわからなかった。
このピクチャードラマのシリーズは、DVDの
映像特典として第3巻から付属しているものです。
アニメでは描かれなかった、別の場所や時間での
物語が語られています。1話当たりの時間は、最初
は5分ぐらいとして企画されていたそうですけれど、
作品に対するスタッフ側の思い入れも強いようで
10分の長さになる場合もあったみたいです。
この第7話では、元の5分に戻っているようです。
ストーリー的にも大きな展開があるわけでは
ありませんけれど、キャラ達のつながりが見えて
くるような内容になっていますね。ちなみに第9巻
のライナーにある解説によると、このエピソードは
原作コミックの単行本に収録された番外編を元に
したものらしいです。
「昨夏」とあるように、アニメで舞台になっていた
時期から1年ほど前のストーリーです。和や優希
(それに咲も!)は中学の制服を着ているのが描かれて
います。(和達の中学の時のエピソードは、アニメ版の
中でも少し登場していて、後は県予選で応援に来て
いたマホや裕子も同じ制服姿でしたね。)この第7話
では、和達が中学生の頃どういう風に過ごしていたか
が見られるという意味では珍しいかもしれません。
中3の和は、進路をどうするか迷っていたようです。
麻雀は続けるつもりではいたのでしょうけれど、
どこか有名な高校(風越女子みたいな)に入って腕を
磨きたいとか、高校生になっても頂点を極めたいとか、
それほどまでの気持ちはなかったみたいですね。
また、せっかく友達になれた優希と離れるのが嫌で
ずっと一緒にいたいと強く願っているわけでもない
ようです。和が昔住んでいたという奈良について
2人が話していた感じでは、和は、優希と別々の学校に
進学して疎遠になっても仕方がない、ぐらいの考えで
いるようにさえ見えます。
この時の彼女には、人間関係に対してまだ何となく
淡泊な所が残っていたのかもしれませんね。これより
前、ネット麻雀で誰ともわからない相手と対局し続けて
いた頃の感覚が、彼女の中では大きかったとも考え
られます。マホや裕子達と一緒に中学生大会の団体戦に
出た事で、和の感覚は変わり始めてはいたと思います
けれど、彼女が人と人との繋がりのすばらしさを
強く感じたり、それを通じて自分にとっての麻雀を
意識すようになるのには、また他のエピソードが
必要になるのでしょう。
ピクチャードラマの第1話では、和が麻雀を
始めた頃の事が彼女の口から語られていました。
その思い出はとても暖かくて、穏やかな気持ちに
させてくれるもののようです。この記憶がある限り、
和は麻雀を嫌いになったりなどしないのでは、と
思えます。
その点で、親(特に父親)は、彼女が麻雀をするのを
あまり快く思っていないみたいなのが気になりますね。
(この辺りはアニメ本編の第5話でも少し描かれて
います。)和も、基本的には親の言う事には従うタイプ
なのかも、と思われます。このまま何も起きなければ
彼女は親に押し切られて麻雀から手を引かされる
可能性もありそうです。これまで淡々と生活してきた
らしい彼女が、自分の意志で麻雀をしたいと言える
ようになり、また卓を取り巻く世界で、自分の人生に
とってかけがえのない大切なものを手に入れるには、
もう一つ何かが必要なのでしょう。
その始まりとなりそうなきっかけが、この第7話の
中で出てきていますね。ここではまだ小さな一歩、
ほんの些細な予感でしかありませんけれど、やがて
彼女の未来を彩る事になる大きな出来事とときめく
ような出会いが、彼女を待っているんだと想像する
事ができてなかなか良い気がします。
この第7話の作中では百合を思わせる場面はそれほど
ありませんでした。が、アニメの本編や原作などを
知っていると、和がこれからするはずの経験への
繋がりを思い浮かべる事ができて楽しいかもです。
他の場面では、和と優希の会話が軽妙な感じで
楽しめました。2人が出会ったのは中学に入ってから
ですけれど、このエピソードの頃までにはすっかり
気心が知れていたみたいですね。人とのつきあいが
少なかったように思える和がこれだけ流れるように
ボケツッコミ風の会話ができるというのは、とても
2人の相性は良いからなのでしょう。
それにしても唐突に入浴シーンがあったり、、、
やはりこれはサービス、なのでしょうか? それと、
2人がタコスを食べていた店って、アニメの第24話
で優希の勉強につきあっている時に和と咲と3人で
入ったショップと同じみたいですね。こういう所は
何となく彼女達がこの地元で生活していた、という
感じがします。
ところで冒頭の会話の中で、和が「IPS細胞の~」
なんて話題を持ち出していました。これは優希が
「私の嫁」なんて言ったのに対応した言葉だったの
でしょう。けれど「女性同士で子供を作る」事の現実味
についてさらりと言える所を見ると、和は女性同士で
一緒になる事については特に抵抗はないのかも
しれませんね。
ではそのお相手はというと、何となく優希ではない
と思っているようですね。まあこの時は具体的に誰か
を想像できていなかったようですけれど、そこから
1年もしない内に大切な出会いが待っているの
ですよね。その物語については、アニメや原作の
第1話からをまたひもといていく事で見られるの
でしょう。
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