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2010年4月29日 (木)

つぼみ Vol.5

 本誌も1周年になるのですね。ページ数も
前号までから比べて増えていますし、より
たっぷりと「あまくてやさしい」百合作品を
楽しめそうです。連載作品でもストーリー的に
クライマックスだったり新しい展開を見せて
きているものが多い感じです。

 発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.5を見てみました。
 Vol.5まで発売されるようになると、連載作品
とかの話数もかなりたまってきているのでは、
という気もします。その中から単行本など発行
されるようになったりすると素敵なのでは、と
思うのですけど、そういう予定ってあるの
でしょうか? 「まんがタイムKRコミックス
GLシリーズ」とされている本誌ですので、この
シリーズが充実するようになると良いですね。

 Vol.5の表紙は黒星紅白さんが担当されています。
別の記事でも書きましたけれど、2人の女の子の
じゃれ合い加減が良いですね。裏表紙ではキス
マークを付けられた女の子の逆襲が、、、。これも
彼女達の仲の良さの表れなのでしょう。
 カラーイラストの担当は、小梅けいとさんです。
入学試験の結果発表の場面みたいですね。別の
中学から受験したらしい2組の4人の女の子達が
描かれています。そして裏のモノクロイラスト
では、、、高校の入学式で再会した4人、その中で
別の中学だった2人の女の子が何か親密な感じに。
残された2人は気が気じゃないようです。4人の
高校生活は百合な恋愛をめぐっていろいろな事が
起きそうな予感、でしょうか。これで一つの物語に
なりそうですね。本誌の連載で見てみたいかも。
 では収録作品を部分的にご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・エビスさんとホテイさん 第5話
(きづきあきら+サトウナンキ)
 薄手の部屋着という姿で、真代はちづるにすり寄って
くる。唇が触れそうになった瞬間、ちづるは目を
覚ました。夢だったのだ。しかし驚いた事に、
ちづるは少しも嫌悪感を感じていなかった。
 今まで女性を愛した事がなかったらしいちづる
には、ここまでになってようやく自分の感情が
何なのかを自覚できたようです。それを受け入れ
られるのなら、彼女はこの先の一歩を踏み出せるの
でしょう。目の前には真代がいて、ちゃんと彼女を
待っていてくれると良いですね。
 この作品はVol.1からずっと本誌に連載されて
いましたが、掲載はこのエピソードまでになる
ようです。単行本としても見てみたい所です
けれど、ページ数はまだ少し足りない? この前
紹介されているVol.6の表紙にはきづきあきらさんと
サトウナンキさんのお名前は出ていないようです
けれど、この後本誌で何か執筆されるのかどうか
気になります。

・星川銀座四丁目(玄鉄絢)
 小麦粉、バター、卵に、、、チョコレート。乙女は
食材を前に悩んでいた。学校のクラス担任で、
同居人で、恋人の湊へのプレゼントには、やはり
こだわりたいのだ。
 前回、相思相愛だったとわかってお互いに思いが
通じた、のですよね。とはいえ激しい愛情表現に
おぼれたりしない所は、大人な湊の教師らしさの
表れなのかも。けれど大人である分、乙女よりは
いろいろ他の人との関係もあったようで、新しい
展開の予感です。

・しまいずむ その8 つるつるのこころ(吉富昭仁)
 一緒に下校する途中、遥は芳子に切り出した。
彼女によると、最近小学生の女の子達の間で男の子の
アイドルがはやっているらしい。芳子の妹、舞も同じ
なのかどうか気にしているようだ。
 遥と芳子は、だんだん2人でいる時間の方が長く
なっているのでは、という気もしますね。それに
姉2人が怪しそうだと桜は気づき始めているように
見えますし、今度の出来事で、天然っぽい舞でさえ
疑いを持つようになったのでは。遥と芳子の妹達への
気持ちはどうなっていくのでしょうね。

・ロッシェの限界(関谷あさみ)
 紫(ゆかり)は友達の菜純(なずみ)の前でだけは
落ち込んだ表情を見せる。目下の悩みは、つきあって
いる男性の完璧さに対する自分への劣等感だ。菜純は
彼女の言い分を優しく聞いてあげていた。
 紫は自分の姿や性格にかなりコンプレックスを
持っているみたいですね。その劣等感は、実はよしゆき
に対しても、菜純に対しても、同じ種類のものなの
では、という感じもあります。それに成り行きだけで
ああいう関係になってしまうのはちょっと危険かも。
2人のつながりは強いのかどうか、気になります。

・雪のお姫さま(水谷フーカ)
 劇団オーロラの次回公演は「雪の女王」に決まった。
主役の少女ゲルダ役を団長が呼ぼうとした所、先に
立ち上がる者がいた。彼女は河合マナ、自他共に
認める「お姫様」だった。
 役者として成長するための努力は、マナだって
彼女なりにしているのでしょう。けれど団長から
見ればそこにはまだ足りないものもあるようですね。
マナにとって、「皆と打ち解ける」事と「翔子と
打ち解ける」事は別のようにも思えるのですけれど、
恋と演劇、両立できるのでしょうか。

・「つぼみ」レビューリストレビューセンター

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