武士道シックスティーン アフタヌーン版コミック第1巻
性格も太刀筋も違うし、出会いは試合の場、
対戦相手としてだった2人、香織と早苗。
部活を続けていればそれぞれに違う相手とも
試合をするでしょうけれど、彼女達には
どうしてもお互いが気になってしまうみたい
です。2人はその先に何を見つけられるの
でしょうか。
発行文藝春秋、誉田哲也さん作の小説
「武士道シックスティーン」はシリーズが3作
まで発行され、また映画化が予定されています。
成海璃子さんと北乃きいさんの主演で4/24
から公開されるそうです。
またコミック化も行われていて、月刊
アフタヌーンでの連載は安藤慈朗さんの作画、
またデラックスマーガレットでの連載は
尾崎あきらさんが作画を担当されています。
この内アフタヌーン版の第1巻をゲット
できましたので読んでみました。
ストーリーは、、、剣道の全国中学生選手権で
準優勝まで上り詰めた磯山香織は、しかし
満足などしていなかった。勝ち続けなければ
意味がない、彼女は優勝できなかった鬱憤を
晴らすかのように、地元の市民大会へ参加した。
ローカルな大会で彼女に太刀打ちできる者など
いないかに思われたが、1人、奇妙な太刀筋を
持つ選手がいた。
なぜこの作品が気になったかというと、映画を
紹介するテレビ番組を見かけたからでした。
早苗(北乃きいさん)と香織(成海璃子さん)が
剣道の手合わせをしたり、放課後の時間を一緒に
過ごす様子が流されていました。剣道の試合相手
としてお互いを求める姿や、高校生の友達らしく
接する所などに何となく2人の関係の濃さが
感じられました。
それで、コミックも2種類出ているというので
探してみたのでした(小説を読まない所がまた
、、、)。百合な雰囲気を求めて、、、。
アフタヌーン版のコミックでも、早苗と香織が
なぜかお互いを引き寄せあう様子が描かれて
います。試合では早苗が香織の美しい身のこなしに
魅せられるのと同時に、香織は早苗の不思議な
間合いに翻弄されています。
この最初の手合わせから、2人はそれぞれ
剣道に対して新たな思いを抱くようになるみたい
です。これまでどっちつかずだった早苗は
はっきりと剣道を続ける気持ちになり、香織は
早苗ともう一度戦うために数々の推薦校を蹴って
地元の東松(とうしょう)を目指します。
香織には、この時既に、剣道がどうというよりは、
もう早苗しか目に入っていなかったとも言えそう
ですね。自分が負けたと認めたくないから
ここまで息巻いていたとも考えられますけれど、
それにしても早苗と再戦するためだけに、敵地
とも言える東松に乗り込もうとするのは、実は
よほどの事なのではないかと。
早苗の方は、自分の力のなさを痛感している
ためなのか、何となく気楽な雰囲気が感じられ
ます。香織と再会した時も、ライバルとか、
ましてや「敵」なんかじゃなく、同じ趣味を
持っている同級生、ぐらいに思っていたの
かも。ですが彼女にしても剣道をやりたい、
続けたいと願っているわけですから、やはり
強くなりたいとは思っているみたいです。
第1巻ではまだ2人が出会ったばかりで、
試合の様子が中心に描かれています。竹刀と
面を挟んでお互いの本当の思いを知り合う、
というのもあるでしょうけれど、それ以外の部分
でのふれあいみたいなものも見てみたいかも
ですね。百合的に大きく発展するまでは
いかないのかもですけれど、スポーツを続ける
中で衝突したり背を向けたりしながら、だんだん
近づいていく女の子同士の関係が見られるの
では、という気もします。
2人は、お互いに竹刀を交えている時に、
何か特別な感覚を味わっているようです。
けれど永遠に2人だけで打ち合うわけには
いかず、試合になれば他の選手達と戦う事が
圧倒的に多くなるでしょう。彼女達が、
ずっと敵同士として戦いあうのではなく、
仲間として外の試合相手へと立ち向かって
いくなら、2人の感覚にふれられるチャンスは
少なくなりそうです。そうなってきた時に、
彼女達が本当はどうしたいのか、剣道を
とるのか、それとも2人で一緒にいる事を
選ぶのか、そういった辺りが重要になる
ようにも感じられます。
そんな部分に百合テイストなどあると
ちょっと面白いかもですね。それと、早苗の
中学時代の後輩の美緒が、やたらに早苗に
なついているのが興味深かったです(まあ
彼女にしてみれば、先輩なのに危なっかしい
早苗を放っておけないのかもですけれど)。
なお、このアフタヌーン版は、作品紹介の
ページから第1話試し読みのページへのリンク
があります。興味のある方はアクセスしてみては
いかがでしょうか。
それと、マーガレット版の方にも試し読みの
ページが用意されています。こちらもかなりの
ページ数が読めるようですね。これを見た感じ
では、(そんなにはっきり分かれているわけ
ではないですけれど)どちらかというと
アフタヌーン版が早苗視点、マーガレット版が
香織視点をメインとしている雰囲気でしょうか。
また、小説版の方も、作品紹介のページに
「立ち読み」ページへのリンクがあります。
こちらは10ページほど読めるようになって
います。
それと、楽天ブックスの特集ページには、
別の作品になりますが誉田さんのインタビュー
記事が掲載されています。この作品名が、、、
「ガール・ミーツ・ガール」だったりします。
とはいえどうも別にガールズラブ的な物語では
ないみたいですね。
ところで全く違う作品の事なのですけど、
中学時代に全国レベルの腕を持っていた女の子
が無名の女の子に負けてしまい、ライバル心を
燃やしながらも惹かれていく、という流れは
何となく別作品を思い出してしまいます、、、。
あちらの作品でも、中学時代に負けた相手を
追いかけて地元の強豪校に進学した、とか、
その相手は両親の都合で名字が変わっていた、
みたいな部分がありますね。まあ偶然なの
でしょう。
小説は「武士道シックスティーン」に始まり、
「~セブンティーン」、「~エイティーン」と
続いています。コミックも、アフタヌーン版、
マーガレット版どちらも第2巻が4/23(明日
ですね)発売される予定となっています。映画
とはまた違った視点で物語を見られそう
でしょうか。
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