けいおん！！ 第１話

　３年生になって気持ちも新たになる唯達。
否応なしにやって来る変化に、律達はちょっと
戸惑いや寂しさのようなものを感じている
ようです。のりのりなのは実は唯ぐらい？
けれどそんな彼女も、ただ一つ、２年生に
なった梓の事は気がかりなようです。

　テレビアニメ「けいおん！」の第２期
として放送が始まった「けいおん！！」の
第１話を見てみました。サブタイトルは
「高３！」です。
　人通りの少ない通学路を駆け抜けるのは、
唯。急いで校舎に入り、階段を駆け上がる。
軽音部の部室に飛び込むと、彼女は早速
持ってきたギターを取り出し、１人で
かき鳴らし始めた。やがて律、澪、紬、梓の
４人も部室の前までやって来る。

　苺ジャムの乗ったトーストをくわえて
突っ走り、寝癖であちこち髪がはねてるのも
気にせず目の前の事に熱中する唯。この姿は
１年生の頃からほとんど変わっていないように
見えます。この日一つだけ違っていたのは、
彼女が朝早く起きすぎた事ぐらい？
　彼女の暮らしぶりはそう簡単に変わるもの
ではないみたいですね。冒頭のモノローグで
バンドのメンバーを紹介していた時も、最後に
思いっきり「毎日楽しくお茶してます！」と
言っちゃってますし。もし梓がこれを聞いたら
怒り出しそう、、、。

　唯、律、澪、紬は３年生に、梓は２年生に
なりました。皆それぞれ改めてスタート
するような気持ちになっているみたいです。
が、進路が気になってくる律達はちょっと気が
重いようですね。唯と律は学校の勉強を
澪や紬に頼ろうとしているみたいですが、
そううまくいくのでしょうか、、、その辺りも
これからのエピソードになったりするの
でしょう。

　こんな風に彼女達には、変化があった所と
なかった所があるらしいです。それぞれについて
彼女達はどう考えているかというと、嬉しい
気持ちや寂しい気持ち、いろいろなようです。
　第１期のブルーレイ＆DVDの第７巻に収録
されている番外編の第２話「ライブハウス！」
では、学校を離れてライブハウスで大晦日に
演奏する事になった彼女達の姿が描かれて
います。たくさんの初めての経験をする内に、
少しずつバンドや音楽というものへの見方が
変わり、自分達自身にも変化があったのを
実感していたようです。その時は、変わる事、
成長する事に彼女達は希望や夢を感じていた
と感じられました。
　けれどそこから何ヶ月かたって、彼女達は
時間が過ぎるのを惜しむような気持ちにも
なっているのかもですね。３年生にとっては
最後の１年になりますから、いろいろなものが
去年までとは違って見えたりするのでしょう。

　公式サイトでは、この事に関係するっぽい
記述が見られます。第２期スタッフコメントの
3/31付けの記事では、「ゆるやかではある
けれども、かけがえの無い時間」と書かれて
います。また「ゆるやかスタッフブログ」の
4/6付けの記事にも「今しかないかけがえのない
一時」といった言葉が見られます。スタッフ側
としても、この一瞬を大事に生活する唯達の
姿に注目しているのかもですね。これからの
話数の中でも、過ぎゆく時間を感じさせる
ような演出が、もしかしたらあったりするの
でしょうか。テレビ放送された番外編に似た
ちょっと寂しい感じにはあまりならないで
もらいたい気もしますけれど、どんな雰囲気に
なるのでしょうね。

　そんな中でも唯は変わらず高いテンションで
飛ばしているみたいですね。３年生になって
より強力になっているかも？　演奏で新しい
技を開発したり、挑戦が続いているようですし。
　とはいえ元気な彼女にも気がかりはあるの
ではないかなという気がします。下級生の梓は、
もしこのまま自分達が卒業したら軽音部で
１人きりの部員になってしまうかもしれない、
と考えると、やはりちょっと心配になっている
みたいです。
　かわいいものが大好きな唯にとっては、小さくて
かわいらしい梓もターゲットになっています。
何かあるとすぐに抱きついて、隙があれば
キスでもしそうなほど。ですが今それだけ近くに
いる梓とも、来年には離ればなれになってしまうの
でしょう。
　その時は寂しさを感じてしまうかもしれない
、、、。でもそれよりも梓の方が、孤独を感じて
しまいそうにも思えますね。嫌だと言っても
「かわいい」と連呼しながら先輩が抱きついて
くる。実は梓には、自分が誰かに愛されているの
だと実感できる嬉しい瞬間だったのではないで
しょうか。唯の体の柔らかさとぬくもりを
感じていたのは、メンバーの中では梓が一番
だったのかも。
　唯が梓の気持ちをすべて理解しているのか
どうかはよくわかりません。でもかわいい
後輩のためなら何でもしてあげたいと考えるの
では。彼女達のまったりティータイムの中にも、
そんな気持ちのやりとりを見られるのかも
しれません。
（それに梓には同級生の純や憂がいますし、
あまり悲観的にならなくてもいいのかも？）

　そういった部分で百合な雰囲気が描かれる
事もあると良いですね。かわいがるだけではない
親密さの表現とか。
　他には、やはり作品全体の様子も、ふんわり
した優しさを醸し出しているように感じられます。
画面の中に描かれている人物は女子率が高くて、
しかも多くの人が親密なふれあいを大切にしている
ように見えます。こういう空気の中なら、
メンバー達ものびのびと交流する事ができそう
です。
　そして忘れてならないのは唯と憂の関係、ですね。
この第１話ではあまり描かれていませんけれど、
唯が話している感じでは、憂は家で唯のために
いろいろしてあげているようです。彼女達は
ずっと昔から一緒に暮らしてきた仲ですし、
これからもたくさんの甘い姉妹の愛情を見せて
くれるのでは、と期待したいです。