とある科学の超電磁砲 第２１話

　多くの人達を恐怖に陥れ、けがを負わせる災害
にまで発展している現象。それが人間の手で
引き起こされているなら、誰が手を下しているのか、
何の目的があるのか、、、。風紀委員（ジャッジメント）
としては真相をはっきりさせなければならない所
でしょうけれど、飾利達はそこまで踏み込んで
いけるのでしょうか。

　テレビアニメ「とある科学の超電磁砲（レールガン）」、
第２１話「声」です。
　涙子達が花火大会を見ていた場所で、
ポルターガイスト現象が発生した。衿衣を
かばう飾利の上に、折れた街灯が倒れ込んで
くる。間一髪を救ったのは、MARの駆動鎧
（パワードスーツ）。搭乗者は、昼間の会議で
RSPK症候群について説明していたテレスティーナ
だった。

　途中、飾利と黒子の意見が合わず、対立する
ような形になってしまいました。事故の原因の
可能性を口にする黒子ですが、飾利にはその考えは
全く受け入れられない、受け入れたくないものの
ようで、、、。黒子の方も、美琴と一緒にちょっと
正当でないやり方で調査した内容のため、あまり
強くは言えないのかもしれません。
　合理的な考え方でいけば、検査でも何でも
受けさせてはっきり答えを出せば良い、となるの
でしょう。でも飾利は、その考えにはなかなか
賛成できなかったようです。衿衣の無実を信じて
いるのだからこれ以上何をする必要もない、
というのが彼女の考えみたいです。
　普段の飾利は、おっとりした性格を涙子に
いじられる事も多く、また風紀委員の仕事にしても
うまくこなせない場合もあるようです。周りの
流れの速さについて行けずあたふたしていると、
涙子がぐいぐいと引っ張っていってくれる、みたいな
雰囲気もありそうです。「お世話になっている」
涙子達の前では、つい自分の意見が言えずじまいに
なってしまう、とか。
　そんな行動をとってしまうのには、自分に対する
自信のなさや、自分より早く明確に答えを出す
人達なら間違いはないだろうという信頼みたいな
ものが、影響を与えているのかもしれません。
たぶん彼女自身、自分の中ではそれなりの答えを
いつも持ってはいるのでしょう。けれどそれを
口に出して周りを納得させるまでもなく、友達は
皆先へ進んでいってしまう、という感覚が、彼女
にはあるのでは。

　飾利は、衿衣に出会いました。「学園都市」には
親元を離れて生活している学生が多いようですが、
それにしても衿衣は、学期の変わり目でもないのに
たった１人で学区を越えて編入してきて、何か
不安そうな表情をしています。
　飾利から見てさえ頼りなげな衿衣を、飾利は
出会った瞬間から、助けてあげたいと思っていたの
かもですね。そう考えた理由は、今まで自分が
そうやって助けてもらってきた、というのと、衿衣
本人への愛しさがあったのでは。小さいもの、弱い
ものを大切にしたい気持ちが働いていた、とか。
いつも守られてばかりいる彼女にとっては初めての
経験だったりする？

　飾利は、衿衣に対して何度も「大丈夫」と安心
させる言葉を使っています。こんな弱々しい自分に
励まされても嬉しくはないだろうけれど、という
前置きはあったとしても、飾利は衿衣にそう
言わずにはいられなかったのでしょうね。
　前の学校では嫌われてばかりだったという衿衣が、
自分の意志で自分を変えていこうと思い立った
事を、素直に応援したかったという意味もあるの
でしょう。何かを実現したい気持ちがあるのなら
手伝う。よりよい方向へ変わろうとする彼女に、
小さいけれど自分の手を差し伸べてあげたい、と
飾利は思えるようになっていたのでは。

　それは、飾利が彼女自身をよりよく変える結果にも
つながるのかもですね。誰かの力になるためには
どうするのがいいのか、考えるきっかけになる、とか。
その「誰か」が特に衿衣だからこそ飾利には意味が
ある、とも思いたい気もします。
　前回、衿衣は飾利と涙子を見ていて、ずっと自分が
探している人を思い出したそうです。その人に
もう一度会えた時、飾利と涙子は、自分達の関係が
周りから見たらどういう風に映るのかを知る事が
できそうですね。

　この話数では、割と黒子が冷静で真面目な(?)
行動をしていた感じがします。衿衣に深く関わって
いく飾利に何かを感じていたのかもしれませんけれど
、、、その辺りの本当の気持ちが語られる事はあるの
かな？
　またその関係もあってなのか、あまり百合的な
場面がなかったような気もします。常盤台の寮で
調べ物をしている美琴に黒子がすり寄る場面ぐらい？
百合テイストの方もいろいろと描いていってもらいたい
かもです。

・「とある科学の超電磁砲」レ ビューリスト、レ ビューセンター