ソラノヲト 第10話
カナタのラッパもだんだん様になってきて、
ノエルが取りかかっている修理もかなり進んで、
また皆の気持ちも同じ方向にそろいつつある
気もします。これから彼女達の行く先には何が
待ち受けているのでしょうね。
テレビアニメ「ソラノヲト(ソ・ラ・ノ・ヲ・ト)」、
第10話「旅立チ・初雪ノ頃」です。
クレハが部品の調達から戻ってくると、リオ
は庭掃除の当番でもないのになぜか落ち葉焚き
をしていた。クレハが持ち込んだのは、多脚砲台
タケミカヅチに使われる部品だ。砲台には既に
可動脚が取り付けられつつあり、修理作業を
進めるノエルも心なしか嬉しそうだった。
冬の始まりの出来事を通じて、リオはいろいろ
経験し、また自分のこれまでのあり方と他の人
との違いを見せられて、何か考えるものがあった
ようです。それに合わせて、これまでにも彼女が
時々見せていた、物思いに沈んだ表情や、不思慮
な行動に対する怒りなどがなぜ引き起こされるのか
がわかってくるのではないでしょうか。
子供の頃のリオはたぶん、何もなく穏やかで
退屈な自分の暮らしも、それなりに楽しんでは
いたのでしょう。たとえ毎日が面白くなかった
としても、たまに顔を見せてくれる姉の存在が、
何もかもを喜びに変えていたのかも、という気が
します。この世のどこかに自分を振り向いてくれる
人がいる、と信じられる事が、彼女を前向きな
気持ちにさせていたのかも。
そんな思いが、いつからか変わってしまって、
今に至っているのかな、という感じがしました。
そのきっかけは、誰かから自分の身分を知らされた
とか、後はやはり姉がいなくなってしまった
というのが大きいのでしょうね。
世の中の不条理なものを嫌っているらしい
リオは、ジャコットのする事にも口を挟んで
います。リオには無意味にしか見えない事を
せっせと行っているジャコットの気持ちが、
彼女には理解できなかったようです。
ですが、話している間に、リオはいろいろな
ものに気づかされていきます。50年の間、
1人で暮らしてきたジャコットが感じ続けて
きたものの、ほんのひとかけらしか彼女は
教えられなかったのかもしれません。それでも
自分の生きる姿勢を見直す転機にはなった
みたいですね。
人の生き方はそれぞれで、誰かの人生に
胸を打たれたからといって、それをそっくり
真似する必要はないのでしょう。ジャコット
は確かに自分のやり方で何十年も生き続ける
事ができましたが、リオにも彼女なりの道が
あるのでは、と思えます。彼女が道を進んで
いく間には、ジャコットの生き方をはじめ
として、自分が見聞きしたものを誤って
解釈してしまう可能性もあります。それを
どう見直して、よりよい方向へ進んでいける
ようにするか、今は彼女が自分自身で何事も
経験していかなければならないようです。
この話数では、第1話辺りで語られていた
モチーフが現れていて、何か物語が
一巡りしてつながった感じですね。これで
ストーリーも一区切り、となってしまいそう
ですけれど、まだ話数は残っているのですよね。
この後は何が起きるのでしょうか。
エピソードの区切り方がとてもぴったり
としていたので、次は何年かたってカナタが
大人になっているとか? なんてちょっと
想像してしまいました。、、、が、公式サイトの
「あらすじ」を見るとそうでもないようですね。
大人といえば、ジャコットの過去が語られる
場面は割と大人な演出になっていたような。
普段は14歳前後の女の子達の日常が舞台に
なっているためか、この部分はこの作品の中
ではちょっと異色な感じもありました。ここで
こういう場面を見せるという事は、この後
小隊の5人の中の誰か(あるいは全員)について
大人な場面が出てくる、という意味だったり?
、、、というのは考えすぎでしょうか。
(それと、本編中でジャコットは「マダム」と
呼ばれていましたけれど、あの過去では結婚は
しなかったみたいなので(50年ずっと1人で
暮らしてきたとも言っていますし)、だとしたら
「マドモワゼル」なのでは、という気もしたり
、、、。まあ「マダム」で通っていたという事なの
でしょう。)
後は、本筋とはあまり関係ないのですけれど、
リオの名字って「カズミヤ」ですよね。作中の
イデア文字では「和宮」と書くようです。また、
イリヤは「皇女」と呼ばれていました。これを
合わせると、何となく「皇女和宮(かずのみや)」
を思い出してしまいました。
和宮は、江戸から命じにかけて生きていた人
だそうです。最初は有栖川宮と婚約していました
けれど、社会的な事情があって結果的に第14代
将軍徳川家茂と結婚したのだとか。その後、
江戸城の無血開城の裏でも活躍したらしいです。
リオがこの人のような生き方をするのかは
わかりません。けれどリオなりに責任感を持った
行動をするのでしょうね。
それから、前にも書きましたけれど、この作品
はピザショップとのタイアップキャンペーンを
行っているそうです。もしかしたらその関係で
本編中にピザが出てくるかもと思ったのですけど
、、、少なくともこのエピソードでは出てきていない
みたいですね。やはり現代とは世界観がちょっと
違うため登場しづらい?
リオは、自分がいい先輩でいられたかどうか
カナタに問いかけています。これは、先輩兵士
としてカナタ達を導く、という意味での言葉
だったのでしょう。
でもこれに、後輩達を心配させないために
苦しみを隠して生きる、という気持ちが含まれて
いるとしたら、ちょっと寂しい気もしてしまうの
ですよね。前にも書いたかもしれませんけれど、
フィリシアも、第7話の後でも後輩達には自分の
悩みを言わないようにしているみたいですし、
リオもこのエピソードでは、自分に来た手紙を
フィリシアにしか見せていませんでした。
エンディング曲「Girls, Be Ambitious.」では、
「本音、聞かせて」という歌詞が出てきます。
カナタとリオが、いつか先輩後輩という関係
を超えて、お互いの本音をぶつけ合えるように
なると良いですね。そうなれば今よりもっと
2人は近づけるような気がします。
そんな関係が百合的に発展していくと面白そう
なのですけれど、、、どうなるでしょうか。
カナタは、リオに出会えた事を思い改めて
感動しているようです。そこに彼女の口癖の
「素敵」がプラスされれば、新しい気持ちを
彼女の中に生み出す事にもなりそうに思えます。
そんなエピソードがこれからあるのを期待したい
所です。
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