とある科学の超電磁砲 第24話
学園都市で超能力が研究されている理由、様々な
能力を持った子供達が集められている理由とは何
なのでしょう。その思惑が明らかになった時に
起きる事とは、そして美琴はその先に何を感じるのか、
という部分が見所になりそうです。でもたとえ
どんな出来事があったとしても、彼女達の絆は
変わらないのでしょうね。
テレビアニメ「とある科学の超電磁砲(レールガン)」、
第24話「Dear My Friends」です。
移送される子供達を、1人春生は自分の車で
追っていた。しかし搬送車から現れたのは、MARの
駆動鎧(パワードスーツ)の小隊。多数の銃が、
無情にも春生に照準を合わせる。が、今度は
突如飛来した電撃が、搬送車もろとも駆動鎧を
吹き飛ばした。春生の前に降り立った美琴と黒子
は、追いついてきた飾利と涙子を春生のナビ
として送り出し、武装したMARに向き合う。
このエピソードを見る前に、ちょっと気になって
いた事がありました。それはこの作品の元になる
別作品の男性主人公について、、、。以前にも書いて
いるかもしれませんけれど、原作コミックスの
最初の方だとなかなか美琴が思うように行動
できない場面があったりしました。
後はまた他の作品になりますが途中は女の子同士
で強い結びつきを見せているものの、最終的に
ヒロインが男の子の方へいってしまうものを
最近あの作品とかあの作品などで見た気が
します。そういう事もあって、この作品も結局
男の子が最後に出てきておいしい所を持って
行ってしまうのかな、と、ちょっと寂しくなって
いました。
が、この第24話では、エンディングまで
きちんと美琴をはじめとする女の子達の物語に
なっていました。男の子は1カット出てくる
ぐらいでした(その代わり、というか公式サイトの
各話紹介のページではなぜかトップなどに表示
されていて存在感を見せていたような)。この
作品の公式サイトに最初の頃から書かれていた
「とある街の、とある少女たちの物語」という
フレーズは間違いではなかったようです。
そういう事もあって個人的には安心(?)しました。
なので落ち着いてもう一度最初から見直してみたり
、、、。
物語も大詰めになり、バトル全開な展開に
なっていますね。美琴達も全力で相手に
立ち向かっています。
ここで前回ちょっと気になった光子ですが
、、、彼女にもちゃんと活躍の場がありましたね。
決めぜりふは黒子にちょっととられてしまった
感がありますが、「エアロハンド」の能力を
思う存分発揮していました。
戦う相手の戦力を見越したらしい黒子は、
美琴を春生達の方へ送り出します。彼女的には
美琴と一緒に戦いたい気持ちもあったかも
ですけれど、わがままを言える状況では
なかったでしょうし、潔い判断だったと言えそう
です。
かくして黒子と光子という、普段なら
考えられないペアができあがります。とはいえ、
いつもはいがみ合って(というか基本的に
光子が黒子に食ってかかる場合が多いみたい
ですが)いても、相手をライバル視している
だけあって、お互いの能力について彼女達は
よくわかっているようです。敵に追われて
背中を預けあう時も、実は結構安心感が
あったのでは。
先行した春生に追いつくために、美琴は
美偉のバイクに乗せてもらいます。美偉の
出で立ちは、真っ赤な革ジャン。これは彼女に
とっての戦闘服なのでしょうね。
MARが封鎖したため、美琴達以外に道路を使う
人はいないようです。すんなりと目的に向かって
進んでいけそうに思うのですが、敵の武器は
機動的で、どこから襲ってくるかわかりません。
そこでピンチを救ったのが、美偉の能力
だったのでしょう。もし彼女がこの能力を
持っていなければ、テレスティーナの駆動鎧に
あっさり足下をすくわれていたかもしれません。
それにしても、美偉も春生も運転がうまい
ですね。美偉はもしかしたら昔やんちゃだった
頃に憶えたのかも? でもそうすると春生は
いつあんなドラテクを身につけたんでしょうね。
いつもあんな車に乗っているぐらいですから、
昔から運転には興味があった、とかなの
でしょうか。
そして美琴はテレスティーナと正面から
対決します。ところが高位能力者を前にしても、
テレスティーナはひるむどころか余裕の態度の
ようです。
「学園都市」の生徒である美琴の能力は正確に
管理されているため、学園側の人間である
テレスティーナにはすべてお見通しだった
みたいです。こういう所には、学園都市の裏の
顔があるように思えますね。学園側が、学生
達をどういう風に見なしているのかが見えて
くるようです。
ですが美琴はひるむ事なく立ち向かって
いますね。レベル5にまでなれば、自分の
能力がどういう性質のものなのか、どうすれば
最も強い力を引き出せるのか、美琴は心得て
いるみたいです。
美琴は最前の対抗策を一瞬にして考えつき
ます。それを繰り出すには他の人の協力が
必要。その人とは、、、黒子です。
黒子も、美琴が自分に何を求めているのか
すぐにわかったらしく、的確に彼女を
アシストしています。このコンビネーションは
素晴らしいですね。やはりお互いを「パートナー」
と呼び合っているだけの事はあるような。
黒子が美琴の部屋で一緒に暮らすように
なってから、この時点ではまだ数ヶ月ぐらい
と思われます。それでもここまでできて
しまうというのは、よほど相性が良いのでは、
と考えられそうです。
子供達の移送先の施設では、飾利と涙子が
連係を見せていました。仕掛けられた罠の
ために飾利達はピンチに陥ってしまいます
が、涙子の姿を見た彼女は、自分達の命運を
涙子に託します。つい呼びかけたりしない所が
飾利の機転なのでは。
涙子は、目の前の悲惨な光景に唖然と
なりますが、飾利が言葉に隠して送った
信号には気づけたみたいです。、、、本当なら、
涙子は、目の前に困っている人がいれば、
どんな危険な場面でも助けずにはいられない
所なのでしょう。このシリーズでは、第1話
から、そんな彼女の性分が描かれ続けて
きました。今だってその気持ちは同じ、ですが、
危険を承知で飾利が送ってくれた信号を無視
する事はできず、、、涙子は歯を食いしばって
その場に背を向けます。
涙子には、飾利達のような能力はありません。
レベル0と判定された彼女は一時は落胆し、
「ずる」をしてまで能力を手に入れようとも
しました。
そんな状況から立ち直った彼女は、今でも
レベルは変わっていません。ですが「無能力者」
であっても、「友達」を思う気持ちに違いなど
ないのですよね。この場面で彼女は、自分の力
(と金属バット?)でこの事を証明したのでは
ないでしょうか。
その後、飾利は、衿衣と絆理が確かに
テレパシーで通じ合うのを間近で見る事に
なります。飾利は、自分がかつてしてもらった
ように、衿衣の面倒をずっと見ていました。
そうして、彼女と仲良くなりたい、とも思って
いたのでしょう。ですが衿衣にとっての一番の
「友達」は自分ではなかった、、、。これは
飾利にはちょっと寂しい事でもあり、また
衿衣が求めていたものを見つけられたという
うれしさもあるように感じられます。
それに、飾利には涙子達がいますものね。
飾利は今度の事で、昔自分を助けてくれた
涙子の気持ちがよりよくわかるようになった
と思われます。なので、これからはもう一歩、
涙子と親密な関係になれるのでは、と思います。
(ところで、本編中では飾利の能力が何なのか
本人から説明されていましたね。涙子でさえ
知らないほどだそうですから、飾利もかなり
懸命に隠してきたのかもしれません。
それがわかった事で、このシリーズでは
あらかた登場人物の能力が判明した、、、と
思ったのですけど、まだ不明な人がいるような。
黒子の同級生で、後半は光子と一緒に行動する
絹保は、水流操作系の能力、、、でも万彬の能力
は明かされなかったような? 彼女はどういう
力を持っているのでしょうね。)
この作品では、美琴達の日常と、事件を
通して成長していく彼女達の姿が主題になって
いたように感じられます。美琴が施設で
撃ち出したレールガンも、「レベル5」という
単なる数字や限界を超えた威力を見せていた
と思われます。
学園都市には得体の知れない人間達の思惑が
渦巻いていて、集められた学生達は、場合に
よっては虐げられているとも見なされそう
です。また、その状況を受け入れて言われた
通りの事だけをこなしていく、という生き方
では、いつになっても希望は見えてこないの
でしょう。
どんな圧力があろうとも、逃げも隠れも
せず、真正面からそれを受け止めて
跳ね返していく、そんなポジティブさを、
美琴達はここで学んだのではないか、という
気がします。そして重要なのは、そうするため
には、能力レベルの数字なんて全く関係ない
という事なのでは。すべては自分の考え方
一つ、なのかもしれません。
物語としてはこれで一つの形になった、とも
思えますが、まだちょっと物足りない雰囲気も
ある気がします、、、。美琴と黒子、飾利と涙子
の関係がそれぞれどうなっていくのか、その
将来像みたいなものが描かれなかったように
思います。
自分達のコンビネーションのすばらしさを
実感した美琴と黒子は、お互いにより近づけ
そうですよね。って、まあ彼女達の場合は
これまでと同じように黒子がアタックして、美琴
が冷静につっこみを入れる、という関係に
なりそうですけれど、、、。でもその中にも
これまでとはちょっと違う感覚が生まれそうに
思われます。
飾利と涙子も、衿衣の事件が一段落した事で、
改めてお互いの関係を見直せるようになるの
では。飾利は今なら涙子の立場をわかる
でしょうし、涙子も成長した飾利を自分と同じ
目線で見られるようになる気がします。そこから
彼女達の新しい親しい関係が生まれるような。
といった所で、そんな4人の姿をアニメで
見てみたいようにも思います。どこかで
そういうエピソードを見られる機会など
あったりするでしょうか? その辺りを少し
期待したいです。
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