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2010年2月21日 (日)

姫神の巫女 其の壱(九)、(十)

 千華音は、媛子に対して感じている気持ちが
何なのか考え始めます。ですが出てくる答えは
どれも信じられないものばかり、、、。彼女の
迷いはにはなかなか出口が見えないようですが、
ずっとそこにとどまるわけにもいかないみたい
ですね。

 「神無月の巫女」のスタッフによって構築された
物語「姫神の巫女~千ノ華万華鏡~」のサイトが
更新されています。「其の壱」の中で(九)と(十)が
追加されています。
 この部分のストーリーは、、、ほとんど乗客の
いない都内のローカル線に、千華音と媛子は
乗り込んでいた。終点にあるというケーキ屋を
訪ねるためだ。洋服選び、甘味、他愛のない
おしゃべり。千華音は、媛子につきあい始めて
からの自分の変わりように思いをはせていた。
その時、彼女の肩に何かが当たる感触があった。

 最初は、単なる交換条件のつもりだったのかも
しれません。媛子は千華音に、自分の命を捧げる
代わりに、その日まで自分と一緒にいてほしいと
願っていました。嫌なら途中でやめてもかまわない、
そんな一方的に不利になる条件を自分から提案
する媛子の気持ちを理解する気もなく、千華音は
取引に応じたのではないでしょうか。
 それからの日々、千華音が経験したのは、今まで
教えられてこなかった、自分からも興味を示さずに
いた物事。女の子らしさ、なんて自分には必要ない
とずっと思っていた彼女には、新鮮な発見の連続
だったとも思われます。
 それでも、興味がなければ別にとりたててかまう
事もなく流していれば良いはず。なのになぜか
気にかかってしまうのは、いつも隣にいる女の子が
理由なのではないでしょうか。
 媛子を形容する言葉なら、千華音の頭の中には
いくらでも浮かんでくるようです。また、その
どれもが、甘くて、暖かくて、好ましいものばかり
、、、。

 そうして、彼女は気づいていったのでしょう。
自分が媛子に抱いていたのがどんな感情だったのか。
 でもここでちょっと切ないのは、その感情への
気づき方、だったように思います。もともと
恋なんて気持ちとは関わりのない環境で育って
きた千華音がそう簡単に恋愛感情を意識するとは
考えられません。そんな彼女が自分の気持ちを理解
するきっかけになったのは、媛子と一緒に見た
恋愛映画でした。現実的に男女が恋愛するのを
見た経験がないらしい千華音には、脚色された
世界でさえ、貴重な情報源だったのでしょう。
映画では、主人公達の考え方や行動の仕方、また
行動の結果までがことさら劇的に描かれていきます。
それだけを参考にするのならば、千華音は、自分の
気持ちの行方についてもつい劇的に考えてしまうの
ではないかという気もします。
 まあ彼女の場合も十分に激しい定めを背負って
いる人なのでちょっとした映画ぐらいには引けは
とらないかもですね。でもあまりに思い詰め
過ぎてしまって、正常な判断を下せなくなって
しまうのは避けてもらいたいようにも思います。
千華音には、どんな過酷な出来事でも、真正面
から受け止めて、非常なまでに冷静に戦い抜く、
そういう姿勢を持っていてくれたら、と思って
しまいます。

 千華音は胸の中で、「恋というのは」と考えて
います。この気持ちは、15年も生きてきて
初めて味わうようなものだったのでしょう。
でも、彼女が胸に抱いた感情は、ただの恋では
ありません。
 敵対する組織の人間との間に芽生えた恋愛?
これも苦しいものでしょう。でもそれだけでさえ
ありません。
 女性である自分が、同じ女性の媛子に恋愛感情
を抱く、、、いくら女の子らしい事を何も知らない
千華音だったとしても、そこに何か受け入れられない
ものがあるのを直感したのではないでしょうか。
これはもう、皇月家と日之宮家の対立どころか、
御霊鎮めの儀だの御神娘の定めなど足下にも及ばない、
救われる当てのない感情だと気づかされたのでは。
彼女がこの気持ちにどう向き合っていくのか、
気になる所ですね。そして媛子がどんな反応を
示すのかも知りたいかもです。

 彼女達が列車に揺られている間にも、儀式に
関わる人達は動きを続けているようです。また
ここでは、「霊句子(たまくし)」と呼ばれる人物が
新しく登場していますね。この人ってもしかしたら、
トップページにあるイラストで、左端の方に
描かれている人、でしょうか。「神無月の巫女」には
この位置づけに当たる人はいなかったような気が
しますので、この後千華音や媛子にどう関わって
いくのかが興味のある所です。
 それから「九頭蛇」の人々も姿を現している
みたいです。双磨をはじめとして、ギロチやネココ
らしい姿の人もいそうな感じですね。でもあちらの
作品ではオロチ衆は8人の内7人だけが描かれて
いました。けれど九頭蛇は9人、、、。新キャラも
いるのかな?
 それと、九頭蛇と「御観留め役」はイコール
みたいに表現されています。という事は、「奉天魂」
の後御神娘と結ばれるのは双磨に限ったわけでは
ない? その辺りの事情も気になりますね。

 九頭蛇達の不穏な動きをまだ知らない千華音は、
自分の中の気持ちをもてあましている雰囲気
です。寄り添いあう千華音と媛子を表す言葉
として、「女騎士」と「姫」というものが使われて
いました。
 戦うすべだけをたたき込まれてきた千華音は、
確かに「騎士」とも呼べる存在なのかもしれません。
けれどここは、2人とも「姫」という表現になって
いると良いかな、という気もしました。
 例えば「神無月の巫女」だと、優雅な作法を
身につけ、いかにもお嬢様といった雰囲気をまとう
千歌音も、秀でたものは持っていないけれど
芯が強く、親しい人を柔らかな笑顔で包む
姫子も、どちらも「姫」という感じがしたりします。
名前も「『姫』宮千歌音」と「来栖川『姫』子」で、
どちらにも「姫」とついていますし。そういう風に
性格や名前からも2人とも女の子なんだと意識
せずにはいられない状況になっていると、百合度
も高くなる気がするような、、、。とはいえ百合
にはいろいろな表現方法があるのでしょうね。

 千華音と媛子はこれから、予想もつかない物語に
巻き込まれていくのでしょう。その中でも、お互い
が相手を女の子だと意識しながら、どうしても
惹かれてしまう気持ちが描かれるのを見てみたい
かもですね。

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