ソラノヲト 第1話
初めてやって来た街で、たくさんの美しいもの、
素晴らしい景色にカナタは目を奪われています。
そんな彼女がここで一番最初に見つけた「素敵」は、
1人の美しい女の子でした。それが壮大な百合の
物語につながっていくと良いのですけれど、
そうなるかどうかは、、、ちょっとわからないですね。
テレビ東京などによるプロジェクト「アニメノチカラ」
の第1弾として制作されているアニメ「ソラノヲト
(ソ・ラ・ノ・ヲ・ト)」の第1話を見てみました。
タイトルは「響ク音・払暁ノ街」です。
喇叭手(らっぱしゅ)として軍に入隊した15歳の
新兵、空深彼方(ソラミカナタ)は、同道した先輩兵士
達に別れを告げ、ローカル線へと乗り換えた。行き先は、
トロワ州セーズ、湖とガラス細工で有名な街だ。そこに、
彼女の配属先である第1121小隊の駐屯地、通称
「時告げ砦」があった。
カナタがトランペットを吹く時、そこには何か
願いが込められているのでしょうね。つたないけれど
ひたむきな願い。彼女は、それがどこかに「響く」事を、
誰かに「届く」事を思い浮かべながら、楽器に息を
吹き込んでいるようです。
その願いが何なのか、誰に届けようとしているのか
が、作品の中では描かれていくのでしょう。彼女が
成長するのと一緒に、願いも少しずつ形を変えていくの
かもしれません。それに合わせてトランペットの音色も
変化していくのでは、とも感じられます。
カナタと交流していくのは時告げ砦の小隊のメンバー
が中心になると思われます。この女の子達との生活の
中で、彼女の願いが叶えられるのだとしたら、そこには
百合な展開がありそうな気もします。とはいえ少なくとも
今の所はどうなるのかまだよくわからない感じですね。
(ところで主人公の女の子が鋭い音感の持ち主で、
さらにこの絵柄の雰囲気となると、別作品を
思い出してしまったり、、、。たぶん関係はないの
ですよね。)
映像的には、エキゾチックな世界観の中で、たくましく
生きる街の人々の姿が、細やかに描き込まれていますね。
アニメの公式サイトにある記事などで、「スタッフ、
キャスト、キャラクター、音楽、美術、すべてにわたり
細部までこだわった内容」と書かれているのはこの辺り
にも表されているのでしょう。この画質がキープ
されるなら絵的にも楽しめそうかもです。
この物語の世界は、いろいろな国や地域の文化が
解け合っているような雰囲気ですね。セーズの街並み
はスペインの城壁都市をモデルにしたそうです。
地名や文字などはフランス語、お金の単位や人の名前
には日本語が使われているなど、こういう設定を
作るのにもこだわりがあったのでは、と思われます。
また、ここでは大規模な戦争が行われているようで、
軍人があちこちに駐屯しているみたいです。少し前
までは徴兵も行われていたとか。今は休戦状態の
場所もあるようですが、すべてが安全というわけ
ではなさそうです。
カナタは志願して軍に入隊したようです。15歳で
兵士になる、と聞くと現実的にはあまり良くない傾向
のような気がしてしまいます、、、が、たぶんこの世界
ではカナタぐらいの年齢の人には敵と直接戦うような
役目は回ってこないようになっているのでしょう。
「水かけ祭り」で風邪を引きかけたり、方向感覚が
おぼつかないなど身体能力がそれほど高くなさそうな
彼女が採用されたのは、もっと軽い任務なのかも。
(冒頭でカナタにキャラメルを渡していた兵士は、
たぶんもっとハードな任務をこなしているのでしょう。
「戦利品」を持っているのは、敵と交戦して勝って
奪い取った、という事なのでしょうし。)
セーズの街ではお祭りの真っ最中で、カナタも
ちゃっかり仲間に加わって楽しんでいました。ここで、
物語のキーワードの一つ、「炎の乙女」の言い伝えが
語られていましたね。
伝説に残る「炎の乙女」とは、昔この街を救った
5人の女の子達の事らしいです。その言い伝えを紹介
する場面では、絵画的な映像(というかクリムト?
ちなみに今美術展が開催されているみたいです)が
流れていきます。乙女達の顔はカナタやリオ達に
似せて描かれています。
まあこの映像はカナタ達は見ていないのでしょうけれど、
リオは祭りで乙女の役割を演じていました。リオ達は、
乙女達と自分達との関係を意識しているのかどうかが
ちょっと気になります。
同じぐらいの世代の同性、ぐらいの認識はあったの
かもしれません。でも乙女達は5人、第1121小隊は
4人、その辺りはマッチしていないとも考えていそう
です。
が、今度の配属でカナタがやって来た事で、小隊の
人数も5人になりました。「炎の乙女」の話題を考える時、
これから彼女達は今までとは違う感覚でその伝説を
見る事いなるのかもですね。
黄金色の角笛はトランペット、戦闘に使った蜘蛛は
多脚砲台と、何となくイメージはつながってきそうです。
後は相手の「魔物」ですけれど、、、これはどういうもの
なのでしょうね。戦争中の敵国の何かだったりすると
苦い物語になってしまいそうですけれど、そういうの
とは違う存在なのでしょうか。
前に別の記事でも書いたように、カナタ達は別に
偉大な事をしようなどとは思っていないのでしょう。
彼女達が苦しんで選んだ結果が人々を救う事になれば、
彼女達のした事は誰からともなく語り継がれていくの
ではないでしょうか。
さて大事な(?)百合的な部分ですけれど、、、今回は
特に重要な場面はなかったように思われます。リオを
慕っているというクレハもあまり前面には出てきて
いなかったですし、カナタとリオの初対面の場面でも
2人はそれほど相手を意識していない感じでした。
出会った瞬間に照れて真っ赤になる、みたいな事も
なかったようですし。
とはいえ、カナタがこの街にやって来て、一番最初に
出会った「素敵」はリオだったみたいです。色とりどりの
ガラス細工よりも、素晴らしい湖の景色よりも、リオの
美しい姿が、彼女の胸に残ったのでは、とも感じられます。
これが愛としてもっと発展していってもらいたい
ように思うのですけれど、どうなるでしょうね。
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