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2010年1月31日 (日)

ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第4話

 出会って半月もたっていない2人なら、相性は
ともかく、お互いに相手の知らない部分は多かったり
するのでしょう。そこでもう一歩を踏み込んで
いけるかどうか、そうしたいと思うかどうかが、
彼女達のこれからを指し示すのでは。それから今回は、
乃莉となずなだけでなく、ゆのと宮子、それに
夏目にも百合な見せ場があったような気がします。

 テレビアニメ「ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)」、
第4話「4月15日 日当たり良好」です。
 教員達が午後から会議に入るため、やまぶき高校の
授業は午前中で終了。ゆのと宮子は午後何をするか
考える前に、学食へ昼食を取りに行った。そこで
乃莉に出会うが、なずなとは一緒ではなかった。
どうやら先にひだまり荘へ帰ったらしい。

 同じ学年で同じアパートに住んでいるから
といって、必ずいつも一緒にいなければならない
と決まっているわけではないのでしょう。それに
乃莉となずなの場合それぞれが通うのは美術科と
普通科。クラスが違う以上に、学校で接する機会は
少ないかもしれません。
 だから昼食を一緒に食べていなかったとしても、
それは十分あり得る事のはず、ですよね。クラスが
別なだけでも授業が終わるタイミングとかも違う
でしょうし。
 そうではあっても、宮子やゆのから見れば、
2人が一緒にいないのはちょっと不思議に思えた
らしいです。1年間沙英とヒロを見てきて、また
自分達もそうであったように、乃莉となずなも
当たり前に仲良くしていると考えていたのかも
ですね。

 では実際の所、2人の関係はどうなのでしょうね。
性格的には、乃莉は正直で、思った事はストレート
に口に出すタイプ。その結果で相手がどう感じるか
まではあまり考えていない場合も多いようです。
それに対してなずなの方は、引っ込み思案で自分の
考えをなかなかうまく表現できません。これでは、
耳を傾けている相手は待ちくたびれてしまうかも。
 こんな2人が会話したら、片方が正直にものを
言い過ぎて、もう一方はどんどん縮こまってしまい
そうにも思えます。同じアパートに住んでいる、
という事以外共通点のない彼女達の距離は広がって
いくばかり、なんてあまり考えたくない状況が
見えてきそうな。
 けれど、乃莉となずなはそうじゃない、って所が
描かれていますね。美術科でもない自分がデザイン
を選ぶなんてできない、となずなが尻込みする所へ、
乃莉が少し怒りのこもった意見を言っています。
これで2人の間は険悪になってしまうの、という所
で、壁を打ち破ったのは彼女達自身だったようです。
なずなは自分だけの考えで答えを選び、乃莉はその
答えをちゃんと評価していました。
 しかも、乃莉はなずなが選んだものを、自分の
中に取り入れているのですよね。この事は、乃莉が、
なずなに対して意見を言いっぱなしにしていないの
だと示しているように思えます。乃莉は自分の意見に
ついて責任をとっている、と。またさらにそれだけ
ではなくて、なずなが自分の好みで選んだものが
彼女の好みと一致した、という素晴らしい出来事を
表しているのではないでしょうか。
 乃莉はつい青系統のものを選んでしまう傾向がある
ようです。が、その奥に隠されている、自分が本当に
ほしがっているものを、この時なずなが見つけて
くれた、と言えるのでは。この事実は、彼女がこれから
美術科の生徒として学んでいく中でも大きく役に立つ
ように思えます。
 この人といれば、どんどん素敵な自分に変わって
いける、そんな相手を乃莉となずなは見つけたのかも、
という気がします。彼女達の高校生活はまだまだ
始まったばかりで、これからも楽しい事だけでなく
悲しい経験もいろいろしていくのでしょう。そんな
時に、いつでも声をかけられる、話し合える場所に
相手が暮らしているのは心強く、また親密になれる
関係と言えそうです。

 夏目の場合は、科は同じでもクラスが違っています。
美術科にクラス替えがないのを、彼女は前回複雑な
気持ちで考えていたようです。
 気がかりなのは、やはり沙英。クラスが別だと、
同じ空間にいられるチャンスはぐっと減ってしまい
ます。さらに沙英には、ほとんどいつもヒロが一緒に
います。夏目には沙英と2人きりになれるチャンス
なんてほとんどなく、、、。気になる気持ちはどんどん
強くなっていくように思われます。
 そんな時、1人で下校する相手の姿を見つける
夏目。「あ、沙英」というほんのささやくようなせりふ
にも、彼女の思いが表れている感じですね。ちなみに
このせりふは、前シリーズ「ひだまりスケッチ×365
第10話第12話でも使われています。彼女は
ずっとこの気持ちを抱えて、でも相手に打ち明け
られずにいるみたいです。
 そんな彼女の胸の内は、誰も理解してくれないのか
というと、そうではないようです。沙英を見つめる
夏目を見て、クラスメイト達は後押しをしてあげて
います。
 女の子が女の子を切なそうに目で追っている
というのに、周りの人達は何も言わずにその気持ち
を応援しています。こういうのって何か素敵かも
です。夏目はいい友達を持っていますね。
 友達に送り出されて、どきどきしながら夏目は
沙英に声をかけます。下校といっても沙英は学校の
目の前に住んでいるので2人でいられる時間は
一瞬で終わってしまうのですが、この日はいろいろな
事を話せたようです。
 普段の関係のせいでついお互いに引っかかりの
ある語り口になってしまっています。でも沙英が
いつわらない気持ちで口にした言葉が、夏目の胸には
響いていたようです。夏目がひだまり荘の前から
立ち去る時の、ほとんど捨てぜりふみたいな
言い方の中にも、「じゃあ、また明日」なんて再会の
約束がちゃんと含まれていました。
(この直後に沙英がちゃっかり(?)ヒロと私服で
お出かけ、だったりするのがちょっと切なかったり
します。)
 今の夏目にはこれが精一杯なのかもしれません。
けれど残りの1年の間に、少しずつでも進展していく
と良いですね。

 そしてゆのと宮子は、、、この2人は安定した(?)
親密さを見せていますね。授業が午前中で終わった
ため、午後何をするか考えていた彼女達が出した
結論は、ゆのの部屋で2人で絵を描く事だった
ようです。つまり、、、家デート? まあ本人達は
そういうつもりではないのでしょうけど、とにかく
仲が良さそうでした。
 その後乃莉となずなと一緒にホームセンターへ
出かける事になるのですが、その場面もちょっと
面白かったですね。ホームセンターの品揃えに
思わずクリエイター魂が燃え上がるゆの、宮子、
乃莉。引き出しやねじが動くカットもとても
細かく描かれていました。普通科のなずなには
ピンとこないかと思っていたら、彼女もけっこう
買い込んでいました。
 それと、前回第3話の後の次回予告で描かれていた
部分もちゃんと出てきていましたね。ゆのが何の
「少女漫画」を参考にしたのかはわかりませんけれど、
なずなにはちょっとした驚きだったようで。
やがてこういうふれあいが素直に受け取れるように
なったら、彼女も百合的に成長できるかも?
 後は宮子の「レースクイーン」もつっこみ所満載
でした。そしてその後ゆのと宮子は、、、女の子
2人でレースのベール(本当は違いますが)を
頭にいただいて寄り添い、誓いの言葉を。本人達は
ちょっとふざけていた感じでもありますけれど、
絵的には何だか祝福したくなってしまいますね。

・「ひだまりスケッチ」レ ビューリストレ ビューセンター

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