姫神の巫女 其の壱(七)
儀式を完成させるため、皇月の家を勝たせる
ためだけに、千華音は生きてきたとも言えそう
です。十代らしいものの考え方や楽しみさえ
捨ててしまっていた彼女にかけられた言葉は、
とても意外なものだったのでしょうね。でも
その言葉がかえって、媛子との関係を加速させて
いくような気がします。
「神無月の巫女」のスタッフによって構築された
物語「姫神の巫女~千ノ華万華鏡~」のサイトが
更新されています。「其の壱」の中で(七)が追加
されています。
この部分のストーリーは、、、媛子(ひめこ)との
「お出かけ」を終えて部屋へ帰ろうとした千華音(ちかね)
の前に突然現れたのは、近江和双磨(おうみわそうま)、
「御観留め役(おみとめやく)」の少年だった。
本来「御神娘(みかみこ)」である千華音と媛子の
戦いに干渉してはいけないはずであったが、
気になる事があって来たのだという。
というわけで双磨が現れた理由と、千華音との
会話が描かれていきます。この双磨というキャラは、
「神無月の巫女」の大神ソウマ、「京四郎と永遠の空」
の大神ジンと重なる人ですね。これまでの作品では
それぞれ、オロチの宿命を背負った純情熱血な正義漢、
あるいは京四郎さえ操りそうな策士ぶりを見せる
機動風紀七番隊隊長、という感じでした。今度の
作品では、不敵な雰囲気で何を考えているかわからない
感じでしょうか。しかも「御観留め役」とは、
「御霊鎮めの儀(みたましずめのぎ)」で勝ち残った
1人の「御神娘」と結婚する立場にあるようです。
という事はこのままいけば千華音か媛子のどちらかと
結婚するらしいです。これまでの作品とはまた違う
位置づけにいるみたいですね。
(ちなみに近江和(おうみわ)とは、「おおみわ」、
「大神神社(おおみわじんじゃ)」から来ているのかな
という気がします。「神無月の巫女」でソウマが
暮らしているのは、字は同じですけど「おおがみじんじゃ」
ですね。「おおみわじんじゃ」は奈良県に実在する
日本最古の神社だそうです。それと、毎年6月に、
この神社の敷地内でとられた笹百合を、市内にある
「率川神社(いさがわじんじゃ)」へ奉納するお祭りが
開かれています。名前が「ゆり祭」という素敵なお祭りで、
以前私も行ってきました。)
双磨は、かなりゆったり構えているみたいですね。
この人にとっては儀式を完成させるのが一番であって、
相手が千華音だろうと媛子だろうとかまわないようです。
千華音の方はというと、双磨には何か逆らえない
雰囲気があるらしいです。千華音と媛子がいた「杜束島
(とつかじま)」では「御観留め役」や、双磨の家系の
「九頭蛇(くとうだ)」は絶対的な存在みたいですね。
「御観留め役」になる男は島の人々からあがめられ、
娘達はこの人と結婚する事に憧れるほどのようです。
(途中、千華音の考えとして、「運命以外の何物にも
屈したりはしない」という表現が出ていました。それは、
「運命には屈する」と言っている? これって、双磨と
結ばれるのは仕方ないと考えているという意味なの
でしょうか。)
そんな双磨から、千華音はある言葉を言われるのです
けれど、これが彼女にとっては衝撃的だったみたいです。
たぶん、今まで自分にそんな形容が当てはまるなんて
思いもしなかったからなのかもですね。
双磨がどういうつもりでそんな言い方をしたのかは
ちょっとわかりません。この人にしてみれば千華音は
自分と結婚するかもしれない相手ですから、そういう
見方で千華音を見ていたためにこういう表現になった、
とか? それとももっと別の意味があったりするの
でしょうか。
というかそれよりも気になるのは千華音の方、、、。
この言葉のために、彼女は何か新しい感覚に目覚めるの
ではないかという予感もあります。しかもそれは男女の
間柄に関係するものではなく、女性同士の何かなのでは、
という雰囲気が感じられたり。
双磨という男性からこんな言葉を聞かされたら、普通
そちらの方を意識しそうな気もするのですけど、千華音が
これまでずっと一緒に過ごしてきたのは媛子なんですよね。
またその間中、媛子の行動や仕草の一つ一つが、千華音に
影響を与え続けていたように見えます。だから彼女が
意識するとしたら、その相手は媛子なのではないかと、、、。
ちょっとひいき目なのかもしれませんけれど、そんな風に
思えました。
男性の双磨から言われたのに、女性の媛子をどうしても
意識してしまう。それも自分自身女性として。もしそうなの
だとしたら、そこに千華音の苦しみの始まりがあるようにも
思います。千華音の行く先には、これから何が待ち受けて
いるのでしょうね。
なお、次回の更新は1/15頃に予定されているそうです。
更新のペースが上がっているかもですね。次がどうなるか
楽しみです。
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