ささめきこと 第11話
割って入れない雰囲気を作り出す彼女達。周り
には2人の内心はばればれなのに、本人達は何も
気づかず、自分の求めるものを手に入れようと
一生懸命になっています。その時周りの人達が
どう関わっていくのか、、、ですが、2人の友達は
皆優しくしてくれているみたいですね。
テレビアニメ「ささめきこと」、第11話
「その十一 なんでもない」です。
女子部の合宿の邪魔をしてしまったから、と、
あずさの両親が純夏達にプールの優待券をくれた。
皆で遊びに行けるのは嬉しいが、純夏には一つ
心配事がある。織野真紗香の大ファンであるあずさ
に、その正体が汐の兄、つまり男であるとばれて
しまわないかという事だ。不安になる純夏と
話している間に、汐はあるアイディアを思いつく。
プールへきた最初の辺りから、純夏と汐の間に
何かあるらしいのを、朋絵は感じ取っていた
ようです。「大人チーム」と「子供チーム」に
分かれた後、急にお互いを意識し始める2人の
姿は、朋絵にはどんな風に見えていたのでしょう。
純夏達よりも2歳年上なためなのか、それとも
みやこと2人で険しい恋愛を貫いてきたからなのか、
彼女は純夏と汐の考えている事、特に好意という
感情についてかなり詳しくわかっているみたい
ですね。まああれだけお熱く、邪魔できない空気
を作り出されたら誰だって「こいつらデキてんじゃ
ないの」って思っちゃうかもしれませんけれど。
朋絵の場合はそこに恋愛ならではの美しさを
見ているようです。
そしてその上で、彼女は何もしていないの
ですよね。冷やかすわけでもなく、かといって
率先して2人きりにするわけでもなく。純夏と
水泳対決をしたのも、単に挑発されてノっただけ
っぽいです。
そこに恋が生まれたのなら、けしかけもせず、
やめさせようともせず、あるがままにしておく。
朋絵の姿勢はそんな感じなのでしょうか。女の子
同士だからといって変に騒ぎ立てたりしないのは、
彼女なりの優しさなのかもですね。(それは同時に、
自分とみやこの関係もそういう風に見守って
ほしい、という意志表示だったりする?)
みやこの方は、今回はあまり純夏と汐には
関わっていませんでした。もし2人の様子を
見ていて、話しかけるチャンスがあったとしたら、
彼女はたぶん純夏に「告っちゃえば?」なんて
言っていたかもしれませんね。みやこは女の子
同士の恋愛が素晴らしいものだと思っているの
では、という気がします。だからそこに
踏み込むのをためらっている女の子がいたら、
進んで後押しをしそうにも思えます。
きよりは、今回(結果的に?)純夏を援護する
ような行動をとっています。これは本当に「大人」と
「子供」を比較されるのが嫌だったからとも考えられ
ますけど、それ以外の感覚が働いている気もします。
「いい夢見ろよ~」というせりふは純夏の頭の中で
作られたイメージですが、けっこうそれに近い事
を、きよりは考えていたのではないかと。純夏と汐
とはいつも昼食を一緒に食べ、女子部ではない
けれど彼女達が集まっていると顔を出している
ほどなので、百合への理解はなかったとしても、
純夏と汐が喜ぶような事はしてあげたいと思って
いるのではないでしょうか。
そして、あずさは、、、きよりにさんざん引っ張り
回されてくたくたになった後、純夏と汐が一緒に
いる光景を目の当たりにします。そこで彼女は何かに
気づいたみたいですね。
汐は中学時代から純夏と知り合いだったから、
自分より長く純夏と接しているし、友達歴が自分
より長い、ぐらいの事はあずさは意識しているの
でしょう。純夏以外の女子部メンバーとはあまり
親しくないあずさは、人間関係を考える時に、必ず
純夏を通して見ているため、どうしても考え方が
純夏寄りになっているとも言えそうです。
そんなあずさがこの日純夏達の所へ戻ってきて
見たものは、彼女の赤らんだ頬と、嬉しそうな笑顔。
午前中の困ったような笑いとは大違いでした。
また、純夏ばかり見ていたあずさは、純夏の視線の
先にも目がいってしまいます。純夏がその笑顔を
向けている先にいたのは、汐。しかも彼女の表情も
純夏と同じでした。
ここまで来て、彼女はやっと自分のおかれている
立場を、客観的に見る事ができるようになったの
では、という気がします。純夏しか見えていなかった
時は、彼女と2人で、少女小説のような世界を
作り出せたらそれですべて良かったのでしょう。
でも現実の世界はそう簡単ではない、と、あずさは
この日知らされたのかもしれません。
また、それを気づく過程で少女小説のフレーズが
出てくる辺りが、彼女らしいと言えるかもですね。
あずさも朋絵も、けっこう詩人みたいです。
では、この後あずさはどんな風に振る舞っていくの
でしょうね。もともと彼女は別に純夏に恋をした
わけではないみたいです。なので、ショックを受けて
落ち込んだり、純夏と汐の間に入っていって無理に
三角関係を作ろうとしたり、みたいな状況には
ならないようにも思えます。
そうなると、2人を見守っている朋絵と同じ
位置づけに立つ事になる? それとも2人にとって
自分は邪魔だと思い込み、女子部から離れて、また
昔のような孤独な生活に戻るのでしょうか。原作
ではある程度答えが出ている感じですけれど、
アニメなりの形があっても良いかもですね。
形といえば、今回の純夏と汐が作り出していた
関係は、今までのエピソードで描かれていた形とは
けっこう違っていた気がします。これまでは一方的
に純夏が汐に思いを寄せて、それに気づかない汐の
言葉や行動で純夏が傷つく、といった場面が多かった
ように思います。でも今回は汐の方も、純夏の
そばにいたいという空気を漂わせていた感じ
ですね。
そうなったのは、この所純夏があずさの手伝いに
忙しくて、2人の距離が少し開いていたから、
らしいです。汐は、隣に純夏がいない事に、寂しさを
自覚したみたいですね。
今の汐は、自分が意識している範囲では、友達
として純夏と一緒にいるのが普通だと思っている
節がありそうです。もしその意識が変わらないの
であれば、あずさの事が少し落ち着いて2人で
いられる時間が増えれば、それで満足して、また
前のように無邪気に純夏を傷つけてしまいそうにも
思えます。
汐だって誰かを傷つけて喜んでいるわけではない
でしょうから、早く誰かが純夏の心情を彼女に
気づかせてあげた方が良いようにも思えますね。
別に気づいたから純夏と恋人にならなきゃならない
と決まってもいないですし、変に汐が悪者に
ならないようにした上で、2人がそれぞれに自分の
気持ちをじっくり考えられるようになると良い
かも。、、、といってもまあそう簡単には済まないの
でしょうね。
アニメの方はもうそろそろクライマックスですし、
アニメならではの、百合たっぷりな形を見せて
もらいたい気がします。この次のエピソード
「雨を見たかい」はどうも原作にないオリジナルな
ストーリーみたいなので、ここで作品の雰囲気が
決まってきそうです。百合度高めでお願いしたい
所ですね。
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