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2009年12月28日 (月)

姫神の巫女 「其の壱」が増補されています

 媛子と一緒に行動する内に、千華音の中で
何かが変わり始めているようです。それは
彼女にとっては初めての感覚で、どう捉えたら
いいのかもてあましそうな、でもどこか
心地よい、、、。けれど彼女に使命を
思い出させる出来事が起きるみたいです。

 「神無月の巫女」のスタッフによって構築された
物語「姫神の巫女~千ノ華万華鏡~」のサイトが
更新されています。これまで「其の壱」として公開
されていたイラスト入りのノベルに内容が追加
されています。
 追加されているのは後半3分の1ぐらいの部分
ですね。千華音(ちかね)と媛子(ひめこ)が一緒に
出かけて映画を見たりお茶をした後、千華音が媛子を
アパートまで送って、その帰り道に、、、といった
辺りまでが描かれています。千華音の前に双磨
(ソウマ、ですね)が現れて何かが展開しそうな
雰囲気です。

 ちょっと気になっているのは、千華音と媛子の
会話、だったりします。映画を見た後、媛子は
作品の主人公の2人が自分達に似ている、と言って
います。
 運命に翻弄されながらも惹かれあう、というのが、
媛子の言っている映画の主人公達らしいです。
それに似ている、とすると、媛子は千華音に恋愛
感情を持っている、しかもそれを自覚していて、
千華音も同じ感情だと考えている、という事?
さらにこの言葉に対して、千華音は、そうね、と
肯定しているようです。
 これは「神無月の巫女」の姫子と千歌音や「京四郎
と永遠の空
」のひみことかおんとはまた違った
位置づけのように思えますね。この2作品では、
例えば姫子は千歌音の秘めた思いを知らされずに
過ごしていきますし、ひみことかおんはお互いの
気持ちを察してはいても決して口に出したりは
しませんでした。彼女達は、姿やものの考え方
などは似ていますが、この「姫神の巫女」では、
さらに新しい2人の関係を見せていってくれるの
かもしれません。

 もっとも、媛子が映画の主人公と似ていると
言いたかった点が別にあった可能性もありますね。
彼女は「運命」、「惹かれあう」という言葉で、たとえ
何が起きたとしても1年後には御霊鎮めの儀
(みたましずめのぎ)のために同じ場所で引き合わせ
られなければならない、と表現したつもりだったの
かも。こういう儀式や御神娘(みかみこ)の存在
なんて、関係者以外の人達には、話した所で
信じてもらえないもらえないでしょうし、その意味
では、同じ御神娘である千華音が、媛子にとって
ほとんど唯一の、理解者になる可能性のある人
とも考えられそうです。

 媛子は、千華音に対して、無邪気ともわがままとも
言えそうな態度でいろいろ「お願い」をしています。
そうする理由って、千華音が彼女と同じ御神娘だから、
なのでしょうか。「惹かれている」といっても別に
愛しているわけではなく、同じ役目の人と自分達の
運命について話し合いたかっただけ、だったりするの
でしょうか。
 少なくとも千華音はそんな風に考えそうですね。
自分と媛子をつなぐものはそれしかない、自分達に
役目さえなければ、わざわざこんな汚れた都会に
彼女を追って来る事もなかったし、儀式でどうやって
命を奪うかなんて考える事もなかった、と。

 演出的に、この辺りの感覚を読者の側にも持たせる
構成になっていると面白かったかもですね。媛子が
話し相手に千華音を選んだ理由についてはずっと
伏せられていて、千華音にも読者にも、媛子が、単に
同じ御神娘だから、という点だけで千華音と親しく
できている、と思わせる、とか。
 でも今回の作中では、地の文を使って媛子の言葉
が表現されているので、何となく彼女は本当に千華音
に惹かれているのかな、という気もします。まあ
彼女達の本心はこれからどんどん語られていく事に
なるのでしょう。それを楽しみにしたいですね。

 媛子はドジっ娘で料理の腕も今ひとつ、自分の
やりたい事もうまくできなくて、いつも控えめな
たたずまいを見せています。けれど、彼女と千華音
が出会った最初の夜、無表情に刀を突きつけてくる
相手に向かって、媛子は声を震わせる事もなく、
笑みさえ浮かべて、自分の「お願い」を千華音に
告げます。それから2人で「お出かけ」した時は、
初めてのプリクラに戸惑う千華音の頬に口づけ
まで、、、。普段の彼女からは考えられない積極さ
のように感じられます。
 媛子はどうしてそんなに進んで千華音に関わって
いこうとするのでしょう。、、、媛子は本当は、
御神娘(もしくは剣の巫女)の本来の使命が何なのか
気づいてしまっているのでは、なんて考えて
しまいました。
 儀式によって、2人の御神娘の内の1人が命を
落とす、というのは関係者は皆知っているでしょう
けれど、それ以外に重要な役目が御神娘にはあったり
する、とか。千華音よりも先に前世の記憶に
目覚めてしまった媛子が、他の関係者どころか
千華音にさえ感づかれないように1人だけで何かを
成し遂げようとしている、なんて展開もあるかな
、、、。まあでもそうすると千歌音と姫子の関係に
近くなってしまいそうですし、やっぱり何か別の
思いがあるのかもですね。

 「其の壱」のページの末尾には、次の更新予定が
書かれています。次回は1/8ぐらいに見られる事に
なるようです。どんな風に物語が展開していくのか
楽しみですね。

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