楽園 Le Paradis Tome 1、、、の一部

　百合作品と言えそうなのは、、、それほど多くは
ないかもですね。第２号から後もこんな感じの
ペースになるのでしょうか。でも「Web楽園」の方は、
率で言うとこの第１号より高いので、実はだんだん
百合作品の掲載が多くなっていったりする？

　発行白泉社、年３回刊のコミック誌
「楽園 Le Paradis」の第１号「Tome 1」を見て
みました。いろいろな形の恋愛を描く作品が
１６本掲載されています。この中で百合テイストの
あるものは４本ぐらいでしょうか。その部分だけ
ピックアップしてみました、、、。

（・作品名（作者名（敬称略）））

・コレクターズ N°1、2（西UKO）
　おしゃれに気を遣う貴子と、本が趣味で服装なんて
気にしない忍。同じ女でもまるで違って見える彼女達
は、実は恋人同士。周りからすれば、どうして２人が
つきあっているのか不思議なほどだった。
　ページ数もそれほど多くなく、軽い感じで読める
４コマ漫画、という雰囲気でしょうか。ちょっとした事
でもすぐ口げんかみたいになってしまうのは、似たもの
同士だから、なのかも。相手を深く思いやる気持ちも
似ていると言えそうです。「恋人」と書いて「カノジョ」
と読んだり、「一緒に暮らそうよ」が「結婚しようよ」
だったりするのは何だか良い感じですね。

・立体交差の駅（中村明日美子）
　みずほがいつもの通学電車に乗ろうとホームへ行く
と、電話に向かって大声でわめき立てる女性がいた。
恋人との「痴話ゲンカ」とかなのか、などと考えながら
歩いていた彼女の目の前に、突然バッグが降ってきた。
　２本の鉄道の路線が交差するように、見ず知らずの、
歳も違う２人の女性の気持ちが入り交じる、という
流れが面白いですね。みずほにとっては、女性同士が
愛し合うのは、携帯の待ち受け写真みたいに別世界の
事だったのかもしれませんけれど、本人達が一緒に
いる場面に遭遇し、そして自分自身も他の子に慕われる
事で、現実的な暖かみを感じたのではないでしょうか。
　この作品のページ数は「３２＋」と書かれていました。
本編の後にカラーイラストが１枚付いているために
そうなっているのでしょうね。このイラストには、
主人公２人が隣り合って電車の座席に座っている
構図が描かれています。どちらも、靴下を脱いだり
ジーンズの裾をまくり上げたりしてますね。この
感じだと、彼女達は目的地に行けたのかも。

・想いの欠片 1 piece（竹宮ジン）
　住宅地にあるカフェ「Piece」は、ミカのお気に入りの
場所だった。高校を卒業したらここで働こうと思って
いる。今日も１人でお茶を飲んでいるとマダム達らしい
一団が入ってきたが、その中の１人が目にとまった。
　相手の女性は、自分が本当は何を求めているのか
よくわからなかったみたいです。でもミカからすれば、
相手の一言一言を注意深く聞く事で、百合な恋愛を
受け入れられる人なのかどうかははっきりわかっちゃう
ようです。そんな事ができてしまう彼女って、実は
高校生になるまでにたくさんの女性達を愛して、いろいろ
な経験を積んできたのかもしれませんね。

・mio post（西UKO）
　郊外へと向かう路線で人の少ない車両に毎日乗って
いるのは、降りる駅の改札が近いから。同じ車両で週に
何回か見かける女性は、いつもその先へと乗り越していく。
彼女がどの駅で降りるのか、ふと気になった。
　主人公の女性は、通勤電車に乗っている間には、少ない
とはいえそれなりの数の人達は見かけているはず、
ですよね。それでもこの相手の女性が気になったのは、
もともと興味をそそられるような人だったから、なの
では。そしてそこまでの気持ちを起こさせた相手の
女性は、作戦勝ちだったり？　まあ理由は何であっても、
お互いが近づくきっかけができるのは良いかもですね。

　という感じで百合テイスト作品の掲載本数はちょっと
少なめかもしれません。でも今ネット配信中の「楽園
Web増刊」では、百合な作品の本数が割と多くなっている
気がします。この調子で(?)第２号の百合作品の本数も
増えていってもらえると良さそうです。