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2009年11月 9日 (月)

つぼみ Vol.3 その3

 Vol.1から掲載が続いている「ひみつのレシピ」は
第3話、「しまいずむ」は第5話になって、それぞれ
展開が新しくなっている感じです。こういう続き物も、
物語がどうつながっていくのか、という部分が、
読みきりとはまた違った楽しみになりますね。

 発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.3を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。

つぼみ Vol.3
つぼみ Vol.3 その2

 では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・アンバランス(きぎたつみ)
 朝見は、立ち入り禁止になっている屋上で、聡子に
買ってきてもらった昼食のパンをにらみつける。2つ
とも菓子パンなのだ。一方聡子の手元を見ると、持って
いるのは2つとも焼きそばパンだった。
 Vol.1に掲載の「ランナーズハイ」にも顔を見せていた
陸上部部長が今回メインになっていますね。聡子の
登場の仕方がちょっと弱めな感じでしたけれど、この
エピソードでは彼女が朝見をどう思っているのかが鍵に
なりそうです。朝見は聡子に言われて渋々変装(?)してます
けれど、本人も実は気に入っているのかも。

・ともだち(小川ひだり)
 友達作りが下手なすみ子は、新しいクラスの輪にも
とけ込めずにいた。ずっとこんな学校生活を送るのだと
半ばあきらめかけていた時、彼女に声をかける女の子が
いた。あやのという名の、驚くほどの美少女だった。
 すみ子もそうですが、あやのもこれまでずっと同じ
ような生き方をしてきたのでしょうね。彼女が自分を
きれいに見せる努力をいつもしていたのかどうかは
わかりませんけれど、見た目と本人の性格のギャップに
周りは振り回されていたのかも。すみ子とあやのの関係が
慰め合いにならないように期待したいです。

・秘密基地(吉田美紀子)
 図書館から出てきた咲とかなんは、暑い陽差しを避けて
木陰のベンチに腰を下ろした。不意にかなんは、近所の
公園がなくなる、と咲に言った。彼女達と、幼なじみの
少年、ワッキーがいつも遊んでいた場所だ。
 男の子と女の子だから恋もするし告白もする。あまりにも
当然のように見られてしまいがちな光景ですが、告白した
からといって、必ず恋愛が成就するわけではないのですよね。
でも何だか、遠く去っていくワッキーの姿が、ちょっと
シュールに感じられたような気がします。3人が2人に
なった事で、咲とかなんの関係も変わっていくのでしょう。

・ひみつのレシピ 3ページめ(森永みるく)
 料理部の新入部員、若槻ちひろは困っていた。彼女は、
今まで男の子とつきあうのに、自分から告白した事が
なかった。だが、今気になっている人には振り向いて
ほしくて仕方がない。相手は部長の堀川、女の先輩だ。
 これまで本当の気持ちがちょっと謎だったちひろが、
今回主人公になっています。やっぱり彼女が気に
なっている女の子って、この人だったんですね。そう
するとこれまでのちひろの行動って、彼女にしては割と
回りくどい感じもしたり、、、。まあたぶん初めての経験で
戸惑っていたのでしょう。2人の関係はまだこれから?

・しまいずむ その5 ぎょるい(吉富昭仁)
 夏祭りの帰り、浴衣姿で道を歩く遥、芳子、桜、舞の
4人。暗い道が苦手な桜は思わず芳子の腕にすがりつく。
その瞬間、桜を愛でる芳子の下心が、不意にアイディアを
生み出した。今から肝試しをやろうというのだ。
 肝試しに対する桜と舞の反応が普段と逆っぽくて何だか
面白いですね。それにしても下心ばかりで接していれば
いつかはこうなる、みたいな事が起きてしまったようで。
遥も芳子も落ち込んでますが、まだこれぐらいで済んで
良かった? そして昔の自分達について2人は何か気づいた
みたいですが、これからどう進展していくのでしょう。

・「つぼみ」レビューリストレビューセンター

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