ヨコハマ買い出し紀行 新装版第3巻が発売されています他
先月から連続リリースが始まっているみたい
ですね。この作品は百合がメインというわけ
ではありませんけれど、アルファとココネの
出会いや交流には、やわらかい雰囲気を感じます。
そして物語のまとまり方も、百合な結末を想像
させますね。
発行講談社、アフタヌーンKC「ヨコハマ買い出し紀行」
は、月刊アフタヌーンで12年間掲載され、単行本も
全14巻が発売されています。その新装版が先月
から毎月の予定でリリースされているそうです。
10月には第1巻と第2巻が同時発売され、今月は
第3巻が出ています。なお、新装版は全10巻が
発行される予定だそうです。
物語の舞台は、遠い未来。「お祭りのようだった
世の中がゆっくりとおちついてきたあのころ」、、、
地球規模の気候変動で地形まで変化してしまった
世界が描かれます。人間の文明も少しずつ衰退し、
たくさんの小さな「国」に分断されたそれぞれの
場所で、人々はたくましく、またはあきらめがちに
生活しています。
主人公は、三浦半島にあるカフェを切り盛りする、
アルファと呼ばれる女性。オーナーが家を空けている
間に留守を預かる事になったロボットです。見た目も
行動も人間と変わらない彼女と、近所の人達との
ゆったりとしたふれあいが語られていきます。
物語のポイントは、美しい風景や魅力的なキャラと
一緒に描かれるファンタジーな世界観、ですね。半分
水に没んだランドマークタワー、砂に埋もれた湘南の
道路、空を飛び続ける巨大な飛行機、羽を地空中を舞う
サングラスをかけた魚、水辺に棲む人の形をした生き物
、、、。横浜、横須賀とかの場所をモデルに遠い未来を
映し出していくため、幻想とリアリティが同居している
ような不思議な雰囲気があります。ファンタジー系が
好みの人には楽しめるかもしれません。
それで百合なテイストについては、、、まあそれが
メインになっているわけではなさそうです。けれど、
百合な感覚を想像させる部分もあります。
大きいのは、アルファと、同じロボットのココネの
関係ですね。ココネは郵便配達員で、アルファ宛ての
手紙を持ってカフェを訪れます。これが2人の最初の
出会いなのですが、、、誰もいないカフェで2人は
いきなりキスを。
というのは、ロボットが直接情報交換するための
手段なのだそうです。でも2人とも淡々とそうした
わけではなく、お互い意識して照れたりしています。
またその後アルファの夢にココネが出てくるなど、
彼女はちょっとときめいているようですね。
2人は同じタイプのロボットだった事もあって
友達になり、お互いの住む場所を行き来したりも
します。彼女達の間には、ご近所さんや同僚とは
違った親密さがあるようですね。
この世界ではゆっくりとした、そして逆らえない時間
というものが流れていきます。アルファの周りでも、
たくさんの人々が現れたり去ったりしていきます。
その流れの果てにアルファが出会った人は、、、。
第14巻の最後の2ページは、何となく百合な結末を
感じさせるのではないでしょうか。
(作品については別のレビュー記事に何個か書いて
いますのでよろしければそちらも見てみてください。)
この作品は、原作コミックの他、アニメDVD、
ドラマCD、サウンドトラック、小説版などがリリース
されています。ちなみに小説版には、コミックス
未収録の(という事はアフタヌーンには掲載された?)
原作エピソード「峠」が収録されているそうです。
となると、今回の新装版に何か新しい要素が入って
いるのかどうかが気になりますね。少なくとも
表紙は新しいものになっているようです。
第14巻が発行されてから時間がたっていますし、
第1巻からの時間を考えるとかなり長いですけれど、
こうして新しい形で見られるようになるのは良い
ですね。人気のある作品だからなのでしょう。
第14巻の帯には「コーヒータイムのお供に」と
書いてありました。「カフェアルファ」での物語を
読みながらコーヒーを楽しむのも面白いかもですね。
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