ささめきこと 第4話
気がつけば、純夏と汐の周りには女の子が
たくさんいます。純夏はこれまで考えた事も
なかったようですけれど、この中の誰かと汐が
恋人同士になる可能性だってあるのですよね。
純夏が、汐の望みを叶えられるだけでいいと
思ってしまうのかどうか、こういうエピソード
から判断できるのでは。
テレビアニメ「ささめきこと」、第4話
「その四 4+1」です。
教室で女の子同士のキスシーンを見て以来、
汐は以前にも増して、かわいい女の子との
出会いを求めるようになる。そんな折、純夏達
の前で仲の良さを見せつける2人の同級生が
いた。朋絵とみやこである。
朋絵とみやこが本格的に純夏達の前に姿を
見せてますね。「女子部」についても初めて
語られています。この辺りの場面では、朋絵達
の「かまかけ」や、それに対する純夏の反応
など、ギャグっぽい場面が描かれています。
が、前にもちょっと書きましたけれど間合いや
音楽の感じがゆったりとしていて、ギャグも
何か柔らかい感じになっているように見えて
しまいますね。みやこの「それは朋絵ちゃんの
ハナシ」と言う所も間延びしていたかも?
物語的には(Webラジオの中でも言われて
いました)第2話以降ギャグの部分が多く
なっていくらしいのですけど、それだけでは
なく女の子同士の切ない関係についても
もっと描いていってもらいたい気がします。
作品の公式サイトの今のトップページには、
「つくるよ! 女子部!!」というコピーが
書かれています。これは純夏のせりふですね。
これが大きく取り上げられているという事は、
アニメでは女子部としての活動が中心に
描かれていく、とか? 活動そのものが
面白い逸話を生み出していく事は考えられる
かも。その上に、純夏と汐の近づいていく
関係が表現されると良いように思います。
朋絵は、「高校生なら部活!」という信念(?)
のもとに女子部設立に動き出します。そこで
気になるのは、彼女がイメージする女子部とは
どんなものか、っていう部分ですね。
その内容については、原作では言葉だけで
語られていました。アニメの方では、具体的に
動く絵で朋絵の想定する部活動の風景が表されて
いますね。
放課後のひとときを女の子だけで過ごす。
白いクロスのテーブルにかわいらしいティー
セット、こぼれる笑みと密やかな話し声と
ともにゆったりと時が過ぎる、、、みたいな
感じでしょうか。
まあ放課後女の子だけでおしゃべりするなら
よくある事ですし、呼びかければ応えてくれる
子もいそうな気はします。でも朋絵とみやこが
そうしないのは、単なるおしゃべり以上のものを
実は求めているから、だったりする? 彼女達が
「同志」を探していた理由もそういう部分に
あるのかもしれません。
朋絵もみやこも、自分達が愛し合っている
事を隠そうとはしていないのですよね。女の子
同士でつきあうのが一般的でないのは十分
わかっているようなのですけど、、、。たぶん
自分達のつきあい方についてこそこそするのは
嫌なんでしょうね。
彼女達はずっとそうやって生活してきたの
かも。だから女性同士の恋愛を理解できない
人達との間でいろいろな事があったとも予想
されますし、そんな経験を重ねる内に、自分達
が望むような形で、女の子だけの暖かい世界を
作るのが難しいと考えるようになったのでは
ないでしょうか。
朋絵が純夏の前で朗らかに除し部の構想を
語るのは、純夏を「友達」だと確信したから
なのでしょうね。純夏なら自分の考えに
賛成して協力してくれると考えたのでは。
朋絵とみやこが考える「友達」については、
原作では第5話の「friends」で描かれて
います。アニメでも次回はこのエピソードに
なるみたいなので、アニメでの彼女達の
気持ちを聞けそうですね。
汐も、感じ方としては同じようなものなの
でしょう。誰かを愛するという単純で基本的な
気持ちの動きなのに、その対象が同じ女の子だ
という事で、周りからは違った目で見られて
しまう、、、。朋絵やみやこの女子部に対する
思いには、汐は共感できる所が多かったと
考えられそうです。
純夏は、汐が喜ぶ顔を見たくて、5人目を
探す手伝いを引き受けたのでしょう。それを
手伝うのにさらに正樹が駆り出される(?)わけ
ですが、正樹の立場も、何だか純夏に似ている
感じがしますね。自分が好意を寄せている人は
よそに気が向いているけれど、その人のために
何かしてあげる、みたいな。こういった関係を
見ていると、純夏もけっこう人を当てにしている
部分が多い?
ところで女子部の部員候補を探す場面で、
原作を見ていた時は、女の子との恋愛を拒否
する女の子が立て続けに登場してちょっと
心細い感じになっていました。アニメでも
また同じ事が繰り返されるのかなと思って
いたのですけれど、何となく少し柔らかい
表現になっていた気がします。ターゲットに
なった女の子が(諸般の都合で?)5人から
3人に減っていた、というのも大きいかも
しれません。それに相手の女の子達の反応も
あまりきつくなかったかも。もしこの場に
汐がいたとしても、あまりショックを
受けずにいられるかも。
汐好みの女の子を捜して校内を歩く純夏は、
ちょっと考えさせられていたみたいですね。
ちょうど周りにはたくさんの女の子達が
行き来していて、、、。普段は男子達より
接する機会が多い女子達。その中から汐の
恋人になる人が出てくるかもしれない、と
思うと、とたんに風景は違って見えてくるの
ではないでしょうか。
汐だって別に誰だっていいわけではないの
でしょうけれど、「かわいい女の子」である
限りは可能性はある、、、。純夏が女の子を
見る時の見方が変わる瞬間だった、と言える
でしょうか。
今回ストーリー以外の所で面白かったのは、
後半で女子部の宣言をする朋絵達の背景に
流れていた音楽とか。これってサントラに
収録されるという「女子部のテーマ曲」かな?
コーラスは「現役女子学生達」によるもの
らしいですけど、曲の雰囲気が面白いですね。
| 固定リンク
「百合レビュー」カテゴリの記事
- 星屑テレパス 第2話(2023.11.17)
- 16bitセンセーション ANOTHER LAYER 第1話(2023.11.15)
- 星屑テレパス 第1話(2023.11.09)
- アサルトリリィ BOUQUET 第5話(2023.10.30)
- アサルトリリィ BOUQUET 第4話(2023.10.23)
「作品 ささめきこと」カテゴリの記事
- 今週と来週の百合関係情報(コミック「聖純少女パラダイム」発行、イベント「GirlsLoveFestival13」開催など)(2015.02.27)
- 今週と来週の百合関係情報(アニメ「ささめきこと」BD-BOXリリース、コミック「ひだまりスケッチ」第8巻発行など)(2015.02.20)
- ささめきこと 第9巻が発売です(2012.01.23)
- ささめきこと 第9巻の表紙画像が公開されています他(2012.01.19)
- ささめきこと コミックス第9巻へのカウントダウン企画が行われます(2011.09.27)
コメント