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2009年11月10日 (火)

comicリリィ Vol.1 前半

 アンソロジー本としては標準的な形、と言えそう
ですね。学園ものが中心でキス多め、という感じ
でしょうか。次の予定もあるそうで、そちらも
どういう仕上がりになるのか気になります。

 発行元ライスリバー、発売元文苑堂による
RICE RIVER COMICSよりリリースされた百合
アンソロジー、「comicリリィ」のVol.1を見て
みました。
 別の記事でも書きましたけれど、判型はA5、
160ページで10本のコミックが収録されて
います。厚さや大きさは一般的なコミック本と
同じ感じですね。
 表紙は椿あすさんが担当されています。椿さん
といえば「百合姫S」でも創刊号から表紙を担当
されていますね。あちらは連載作品「HONEY CRUSH」
の登場人物、みつや恭子などが描かれています。
 この「comicリリィ」Vol.1では、2人の女の子が
意味ありげな表情で見つめ合っている構図に
なっています。制服らしい服装はそれぞれ別の
タイプなので、学生という設定なら、別の学校に
通っているのかもしれません。マフラーやスカーフ
などに水玉模様が使われていてポップな雰囲気も
ありますが、イラスト全体の色調は落ち着いた
彩りですね。

 では収録されているコミックについて一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・憧れマカロン(楽時たらひ)
 沙良は友達も少なくクラスでは孤立した存在。
そんな彼女に、祭だけは親しく話しかけてくる。
そしていつもお菓子を持ってきてくれるのだが、
沙良はつい不機嫌そうに断ってしまうのだった。
 なぜ祭が自分の事を気にしてくれるのか、沙良は
わからなかったみたいですね。他の人との会話が
少ないためか、沙良は祭の言った事は一つ一つ
とても大事にしているようで、そちらへ気持ちが
向きすぎて自分達の関係に気づかなかったのかも。
でも思い合っていれば、いつかは通じるのでしょうね。

・あの感触(沙垣長子)
 雪子と2人きりの教室で、里美は窓の外を眺める。
女子に人気の男の子がサッカーをプレイしていた。
ああいうのがいいの? と里美が尋ねると、雪子は
首を横に振る。
 後半はせりふが少ないのですけれど、里美が
雪子をじっと見る所や、里美が歩いていくのに
合わせてアップになる雪子の表情とか、雰囲気が
あって良いですね。それにしても雪子、里美に
あそこまでされてそのリアクションは、、、。
初体験で何が起きたかわからなかった、とか?

・Don't say(山斗)
 校内のベンチに座って呆然としているリツカ。
そこに現れたアキは怒りながら彼女の頭をこづく。
2人しかいない放送部への新人募集を、リツカが
さぼっていると思ったからだ。
 2人だけに伝わる秘密の仕草、というのは
あるかもしれませんね。でもだからといって
頭を叩くのはどうかという気もしちゃったり、、、。
まだ彼女達は恋愛関係にまではなっていない
感じですけれど、お互いがきちんと向き合えれば
今よりもっと近づく事はできるのでしょう。

・ブルマーブルマニアックス(剛田ナギ)
 友達の美紀は、スカウトされてテニス部に入る
事にしたと嬉しそうに話すが、千早はまだどの
部活に入るか決められずにいた。その時、彼女の
前を1人の少女が風のように駆け抜けた。
 「あんみつ組」に「プリン組」、ファンタジックな(?)
女子高に通う女の子は、「ピンクの薔薇の人」の
ような麗しさには弱いみたいですね。千早は
そんな学校でもすっかり有名になってしまった
らしいですが、憧れの人に会うためなら何も
ためらいはないのかも。

・ココロまでのキョリ、、、(おこさまランチ)
 最近SNSを始めた広子は、雑談をしたりコミュニティ
に参加する内に、親しく会話をするいわゆる
「ネット友達」ができた。ところがその人物は、
家庭教師先の教え子、リコだった。
 文字だけの会話だと、詳しい相手の姿形などは
わからなくても、相手がどういう考え方をする
人なのか、わかったりする場合もありそうですね。
ネット越しであっても、広子は相手に親密さを
感じられたのでしょう。リコがあんなに積極的に
なれたのは、やはりSNSのおかげなのかもですね。

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