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2009年11月29日 (日)

咲-Saki- ピクチャードラマ 第3話

 一の時と同じように無理矢理なやり方で、透華は
智紀に迫ります。でもそうやって、目指す人の
ために努力する透華の姿は、けっこういじらしくも
あったりしますね。智紀自身は透華がどうやって
自分の所まで来たのかは知らなかったのでしょう
けれど、本人を前にした時、透華がどういう人
なのかはよくわかったのでしょう。

 テレビアニメ「咲-Saki-」のDVD第5巻特典
となるピクチャードラマの第3話、タイトルは
「最後のピース」です。(このタイトルは、
第1話第2話のものと一緒に第5巻の
ライナーに書かれています。)
 衣が起きてきた時、居間には智紀だけが
座っていた。透華達は授業を受けていると
彼女は言う。いつも通り端末をいじっている
智紀に、今何をしているのか衣が尋ねると、
彼女はゲームだと答えた。衣や透華に会う前
にはよくプレイしていたゲームだった。

 今回は、智紀がどうやって龍門渕高校の
団体戦メンバーになったのかを描くエピソード
ですね。今回も多くのアニメ版イラストが
使われていますし、音声やBGMもたっぷり
収録されていて、かなり豪華になっているの
では、という気がします。

 透華は、衣と「遊ぶ」ために、麻雀で全国の
「魑魅魍魎」と対局するという目標を打ち立てて
います。そのために、実力を持った打ち手を
あちこちから見つけては龍門渕家に連れて
きています。一をスカウト(というかゲット?)
した時のエピソードは第11話で語られて
いますね。純については語られていませんが、
透華はやはり龍門渕家の力を使って彼女を
呼び寄せたのでしょうね。
 メンバーの対象になる条件は2つあるの
かな、と思われます。一つは、当然ですが
麻雀の腕前を持っている事。とっさの判断力
や、大局を見極める力などに秀でていなければ
なりません。
 もう一つは、同い年の女の子である事、
だったのでは。衣と一緒に団体戦に出るには
もちろん女の子でなければならないでしょう。
さらに同学年であれば、高校卒業までずっと
一緒にいられます。高校に入ってからの3年間、
思う存分「遊ぶ」ためには、同い年である事が
重要な条件だったのではないでしょうか。

 該当する女の子を捜して、透華は手を尽くし
ます。が、これは、という人はなかなか
見つからないようです。人間業とは思えない
ほどの衣の打ち方に耐えられる人間なんて
元々限られるでしょうし、いたとしても既に
進学先が決まっていたりします。同じ県内に
風越女子という名門校があると、皆そちらへ
持って行かれてしまうみたいです。

 そこでハギヨシからの情報で目を向けたのが、
オンラインゲーム。麻雀そのものの分野で
人材が見つからなければ、麻雀に必要な
能力を持っている人を他の分野から探す、
というやり方ですね。
 やがて透華は、候補になりそうな人を
見つけます。そこからすぐに相手を連れて
くる手配をしても良かったと思うのです
けれど、なぜか透華はそうしませんでした。
 理由は、ゲームのランキングなどではなく
自分の目で相手の力を確かめたかったから、
なのでしょう。それも自分自身が相手と
対戦しなければならない、と透華は
決めていたようです。
 ですが舞台は、彼女がさわった事もない
オンラインゲームの世界。そこで相手と
対戦するにはクリアしなければならない
条件が多すぎました。
 ところが透華はかまわず真正面から
突っ込んでいきます。、、、彼女はたぶん、
これまでいつも強引なやり方で自分の
ほしいものを手に入れてきたのでしょう。
親の財力にものを言わせる事もしばしば
だったと思われます。でも、誰かの力を
使っていつも自分はのうのうと構えている、
といった種類の人間ではなかったみたい
ですね。自分の目指すもののために努力が
必要というなら惜しまず努力をする、彼女は
そういう人なのでしょう。彼女が「デジタル
の打ち手」なのも、「流れ」など不確定な
要素に頼ろうとしない彼女の姿勢の表れ
なのかも。

 そしてついに、透華は智紀の前に
立ちます。ここからは、第11話の回想
場面で一にしていたような強気の姿勢を
見せています。
 では透華を見た智紀の方は、どんな風に
思ったのでしょうね。オンラインゲームの
対戦は、当たり前ですがネットの上だけの
ものです。また、ずっと家に閉じこもって
いたらしい智紀は、対戦相手どころか他の人
と直接会って話す機会もあまりなかったの
でしょう。けれど本人は、その生活で特に
悩んだりはしていなかったみたいです。
 智紀は、突然自分の所にやって来た
透華に、驚いていたのではないでしょうか。
世界を相手にしたゲームのランキングで
50位以内に入っている、プレイヤー
としての彼女を知らない人は、ゲームの
世界ではほとんどいないのでしょう。けど
だからといって、住所を公開しているわけ
でもないので、直接訪ねてくる人間なんて
これまでいなかったでしょうし、誰かが
来る事自体予想もしていなかったのでは。
 でも透華は、自分の目の前に今立って
いる。昨日今日100位以内に食い込んで
きた、ぽっと出のプレイヤーは、同じ
国の人間で、同い年で。しかも麻雀をやれ
だなんて言っている、、、。この時の彼女
には、正直意味不明だったのでしょう。

 そんな気持ちも、龍門渕の家に来て
衣や透華、一、純達と麻雀を打つ内に、
だんだん変わっていったみたいですね。
智紀を獲得するために透華がどんな苦労を
したか、智紀は知らないのでしょう。透華
も別に恩着せがましくその時の事を
話したりはしないのでしょうね。でも
皆と暮らす内に、智紀には、皆が自分を
必要としてくれているのを何となく
わかったのではないでしょうか。1人
ではなく、同い年の女の子5人でいる
楽しさが、彼女を麻雀へと向かわせて
いるように感じられます。
 龍門渕の人達って、あまり自分の
気持ちを口に出す人が少ない気がします。
けどお互いの考えている事は何となく
皆に伝わっていて、、、。衣を楽しませる
ために集まった彼女達ですが、皆同じ
年齢だという事もあって、皆で一緒に
楽しもうとしているみたいですね。
この団結力も、龍門渕の強みの一つ
なのではないでしょうか。

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