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2009年10月11日 (日)

咲-Saki- 第25話

 これだけたくさんの個性的なメンバーが集まると、
合宿は予想もしないハプニングの連続になりそう
ですね。とはいえ皆同じ高校生ですし、実力を磨く
以外にも、お互い仲良くなる事ができるのでは
ないでしょうか。そして咲達が目指す「全国」には、
さらに個性的な人達がいっぱいいるようです。

 テレビアニメ「咲-Saki-」、第25局「全国
です。
 久の呼びかけにより、県予選の団体戦決勝を
戦った龍門渕高校、風越女子高校、鶴賀学園の
メンバーが顔をそろえた。清澄高校麻雀部の
合宿が始まる。全自動卓の完備された大部屋に
全員が集まり、まずはミーティングを行う事に
なった。

 今回のサブタイトルは「全国」ですけれど、
全国大会の試合そのものについてはあまり描かれて
いないですね。とはいえ全くないのではなく、
これが「全国区の魔物」とも呼べそうな、服装
(コスチューム?)と打ち方をする人達が続々
登場していて、期待が高まります。けれどこの
シリーズは今回までですし、それじゃあどうなるの、
という所が気になります。その辺りの予想というか
希望については、後でちょっと考えてみたいと
思います。

 清澄からの招待に応えて各校の団体戦メンバーが
全員集まってきてますね。それに「ビッグゲスト」
も登場しています。やはり学生議会長の久らしく
この辺りのしきりはうまいみたいです。
 女子選手の合宿のため、さすがに京太郎は
遠慮しているようで。部室で寂しく特打ちしながら
妄想するだけ、かと思ったらネット対戦の相手が。
ハギヨシって何でもできちゃうんですね。
 男性陣だと他には咲や和の父親がいます。
2人は自分の娘が麻雀をする事にはいろいろ
考えがあるようですけれど、少なくとも今回は
行方を見守る、という感じでしょうか。

 今年の夏の全国大会に出場できるのは、清澄の
部員達と、美穂子だけです。それ以外の人達、特に
3年生にとっては、合宿に参加するのはあまり
利点があるとは言えなさそう。
 でも彼女達は、清澄の合宿に進んで参加している
ようです。自分達の学校の麻雀部をレベルアップ
させるのも目的の一つではあったのでしょう。
けれどそれよりも、メンバー全員にとって、あの
決勝戦が忘れられない、とても楽しい経験だったから
という理由があるのでしょうね。県予選の時に、
先鋒戦の後でがふとつぶやいていた感想は、この
場にいる全員に共通しているのでは。

 「まずは温泉」という相変わらずの(?)の提案で
入浴した後に、ミーティングが行われます。が、
個性的なキャラが20人も集まるとあちこちで
騒ぎが起きるようで。優希だけでなく、星夏
睦月までもがトラブルに巻き込まれている
みたいです。
 星夏は入学から数ヶ月でレギュラー入りしたほど
急成長しました。が、団体戦メンバーの中では
唯一の1年生ですし、県予選から合宿まで初めて
尽くしで目が回ってしまったのかも。彼女に純代
ほどの安定感(と体格?)があれば何とかなる?
 睦月の方は新部長に選ばれたらしく、責任感で
いっぱいいっぱいになっていたのでしょうね。智美
のような立派な部長が目の前にいると、どうしても
彼女の存在を意識してしまって緊張しちゃうのでしょう。
けれど、睦月だって真面目な人柄で冷静な判断が
できるはずですから、肩の力を抜けば良い結果が
出てくるのではないでしょうか。

 4つの学校が集まって合宿をするのは、この
4校だけでなく全国的に見てもあまりないイベント
と思われます。初めての試みなら思い通りに
いかない場合も十分考えられるわけで。そんな
時にも臨機応変に対応できる久はさすが、なの
でしょうね。
 そういうわけで合宿メニューは2日目からの開始に
なりました。思わぬ自由時間ができた参加者達は、
おみやげを買ったりダウンした人を看てあげたり、
(温泉といえば(!))卓球をしたりしています。
 その中でもどうしても麻雀を打ちたい人達がいた
らしく。まこ未春智紀が卓について、そこへ
佳織が入ります。これは決勝戦次鋒戦の再現、
ですね。「初心者」の佳織のビギナーズラックに
打ちのめされた3人がリベンジを狙っています。
闘争心むき出しのまこはともかく、普段は周囲
への気遣いを忘れない未春や、冷静沈着な打ち方を
する智紀が我を忘れるほど燃えている感じです。
 果たして結果はというと。佳織、それ發、混一色
じゃなくて、緑一色、、、。この引きの強さは実は
彼女の実力なのかも?

 初日は麻雀を打つ人は少なかったようですけれど、
それ以外の事でも学校間での交流は多かったようで、
皆けっこう打ち解けられたのではないでしょうか。
その後2日目を迎えるわけですが、やはり温泉は
はずせないみたいです。

 露天風呂一番乗りは、ゆみ桃子だったようです。
何かゆみが不自然に緊張した顔つきでしたけど、
桃子と2人きりで何をしていたのかは、聞かない
方が良い?
 この合宿では、桃子はかなり積極的に行動してますね。
団体戦でも個人戦でも全国出場ができないとわかった
時点で、彼女はゆみと一緒にいられる時間がほとんど
なくなってしまうと悲観していたのかもしれません。
ところが思いもよらなかった清澄からの合宿への
お誘い。桃子は、同じ学校に通う生徒として温泉付き
ホテルで一緒に過ごせる4日間をチャンスと考えたの
でしょう。
 ゆみの方は桃子の気迫にちょっと押され気味ですが、
それでも別に嫌なんかじゃないのですよね。桃子が
したいと言う事にためらわずにつきあっていますし、
自分からも桃子に誘いかけています。この2人は、
たとえ麻雀というつながりが失われても、慕い慕われ
ながらうまくやっていけそうですね。
 ゆみは、県予選の団体戦の時やその前の回想の
中でも、好意を持った目でまっすぐに見つめてくる
桃子に、なかなか答えてあげられずにいたようです。
その事でゆみは自分を卑下していましたが、本当は
そうではないのでしょう。ゆみはとても(初めて卓球を
やって全力で空振りするぐらい(?))真面目だから、
それだけ答えを出すのに時間が必要だったのでは
ないでしょうか。女の子同士だからという悩みもある
でしょうし、麻雀の腕だけを求めて彼女に近づいたと
言われてもおかしくない自分が、桃子の気持ちを
受ける資格があるのかなんて考えてしまっていたの
かも。でも今なら、誰にはばかる事もなく、桃子への
好意を、ゆみは口にできるのでは、と思います。

 先輩後輩という間柄では、美穂子と華菜がいますね。
ですが今回は彼女達の関係を描くエピソードは
なかったような。やはり美穂子としては、久への
気持ちがまだまだ残っているのでしょうか。
 全国大会へは、久は団体戦で参加、美穂子は
個人戦で参加します。それに同じ県の代表ですから、
全国大会の会場では一緒になる機会も多いでしょう。
 2人の間には、まだ説き明かされていない出来事が
幾つもあります。3年前の県大会で突然消えた久。
次に美穂子の前に現れた時、彼女の名字は変わって
いました。それに久が美穂子に残した「ルビー」と
「サファイヤ」の言葉の意味。美穂子は口にこそ
出しませんが、そういう事情、というか久自身に
ついてもっと知りたいと思っているのではないか
という気がします。全国大会の時に2人の間で
それが語られる事になるのでしょうか。
 そうだったとしても、華菜にはおとなしく
ならないでもらいたいですね。彼女だって美穂子を
思う気持ちは強いでしょうし、涙もろい美穂子に
いつも笑っていてもらうためには、どんな事だって
やりたいと考えているはずです。華菜らしく
「図々しい」自分の持ち味を生かして、美穂子を
支えてあげられると良さそうです。
 華菜自身は全国大会には出場できません。けれど
美穂子のサポートメンバーとしてついて行く事には
無理はないですよね。自分の試合がない分、いつも
美穂子と一緒にいる事だってできそうです。そんな
風にしている間に、美穂子と久の関係に気づき始めて
、、、みたいな展開も考えられるのでは。

 「全国」を知る者として、透華も清澄の相談に
乗っていました。って、2人はなぜ一緒に露天風呂に
来たかというと、、、一に言わせれば、自分は透華の
専属メイドだから、という返事になるのでしょう。
それだけではありません。一は、透華と同じ学校の
同級生で、麻雀部でも団体戦のレギュラーをつとめて
います。この地位は、龍門渕家の一般のメイドで、
学校の後輩で、麻雀部のレギュラー補欠の歩にとっては
うらやましいものなのでしょう。
 だからといって、一は安心して当たり前のように
透華の隣にいられるわけではないように思われます。
専属メイドである事も、麻雀部のレギュラーメンバー
である事も、単なるポジションでしかありません。
肝心なのは、透華が一をどう思っているか、、、。一は、
彼女に与えられた拘束具を付け続ける事で、自分と
相手とのつながりを保とうとしています。そこに
頼ってしまうのは、まだはっきりと透華の気持ちを
確かめられていないから、なのかも。
 本当の所、透華は一の事をちゃんと思っているの
でしょう。中堅戦の後の2人のやりとりを見ていても、
その雰囲気は伝わってきます。
 透華自身は、自分が一に抱いている気持ちには
まだ気づいていないようにも感じられます。が、
気がつけばいつでも、それこそ家でも学校でも
麻雀を打っている時でも隣にいて、文句を言ったり
つっこみを入れたりしながらも、最後は自分の
味方になってくれる一の存在を無意識ながらも
大切に感じているはずです。今は2人の距離が
あまりに近いためわかりづらいのかもしれません。
けれど何かのきっかけがあれば、透華は、自分が
一をどう思っているのか、一とどうなりたいのか、に
気づけるのではないでしょうか。

 そして、、ですね。2人については、この
シリーズを通して順調に距離が縮まっていった感じが
あります。夏祭りでも、本当に自然に手をつなぐ
事ができるようになっていました。2人が麻雀を
する理由は違っていても、同い年の女の子として同じ
目の高さで話し合えるのが良いのでしょうね。
 今回は咲の姉、照の事で、咲は気持ちに迷いが
生まれてしまったようです。いたたまれなくなって
皆の前から離れていく咲を、和が追いかけます。
(この構図は、出会ったばかりの2人が初めて対局
した時にもありました。反対に咲が和を追って走った
事もありましたね。やはり彼女達は、常に相手を
求めていて、片時も離れたくないという気持ちを
持っているのではないでしょうか。)
 咲の不安は、彼女の家族の事でもあり、和には
簡単に答えを出したりなぐさめを言ったりは
できそうにありません。そんな彼女にできる
唯一の事は、、、というのがここでの和の行動に
表れていたのでしょうね。
 和が言ったのは、これまでとは違う新しい願い、
ですね。これまでなら、咲は照と再会するために、
和は清澄で麻雀を打ち続けるために、全国大会を
目指していたと言えます。ですが今回のは、咲と和、
2人だけの関係についての願いです。咲は、こんなにも
自分を思ってくれる人がすぐ隣にいる事を、改めて
感じられたようです。
 全国大会は、開催日程が決められています。
その日が来れば試合は始まりますし、最終日には
終わってしまいます。けれど和の願いはそこに
とどまらないものなのですよね。彼女の言葉が、
遠く未来に続く自分達の姿を、咲にも想像させたの
でしょう。
 そこからの展開がまた、、、。自分と相手の持ち物
を交換したり、名前を呼び合ったり。さらにそれを
した場所が場所だけに、もう結婚式でもしてるの
ではと思うほどでした。
 何だか彼女達を祝福してあげたくなってしまいますね。
こういう場面をここで見られたのは良かったかもです。

 といった感じで、この作品については百合的にも
楽しめた気がします。咲と和が親密な関係を築いていく
姿を中心に、他の女の子達の関係にも注目する部分が
多かったと思います。
 それでこの後どうなるのか、が気になりますね。
今回のエンディングのように、次の対局の模様が
描かれてしまうと、続編みたいなものを期待しづらい
場合が多いような感じがあったりします、、、。それに
原作コミックの連載は、今は県大会の団体戦決勝が
終わった辺りなのですよね。原作をフォローした
アニメ版を作るのはすぐには難しそうな。
 でも、今回登場していた全国大会参加校の設定は
かなりきちんとしてましたね。繰り出す技の数々も
「全国区の魔物」らしい感じでしたし。彼女達の
登場する物語も是非アニメで見てみたい所です。
 また咲と和の関係も何かありそうですよね。
これまでは徐々に近づいていって結ばれた、という
雰囲気でしたけれど、気持ちを通じ合えない場面も
これから出てくるような予感ですし(それを表現
するのに雨が使われていたのも、第1話や、
第24話図書館をイメージさせて良いかもです)。
悲しみを乗り越えてより強く結ばれる2人の姿を
見てみたいですね。

 それと、ちょっと期待を持たせるものもあります。
それは提供画面の後のイラスト、、、。デフォルメ
キャラの清澄高校麻雀部員5人が描かれています。
真ん中にいる優希のせりふとして「まだまだいくじぇ~」
とも書かれています。
 これはまだ続きが描かれる、という意味でしょうか。
それがアニメだと良いですね。
 今の所予定されているものとしては、10月に
ドラマCDの第2弾、それから時期や内容は未定で
PSP用ゲームの制作発表されています。今回の
イラストがこういったものを示しているのかどうか
といった部分もありますが、新しい物語を何かの
形で提供していってもらえるのは良いかもです。
それをアニメにつなげていってもらえれば、、、。
 ところで今回のイラストでは、咲達は半袖の
夏服を着ています。これは全国大会(またはその
前や後)の時期を示していると言えそうですよね。
「全国」を舞台に彼女達が活躍するストーリーを
期待したいです。

・「咲-Saki-」レビューリストレビューセンター

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