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2009年9月10日 (木)

大正野球娘。 第9話

 サブタイトルにあるように、小梅は何だか「誤解」
に巻き込まれてしまったみたいです。けれど、
彼女が今回言っていたのは常に本当の気持ち
だったのでしょう。晶子の経験がきっかけだった
とはいえ、今は小梅自身が晶子や皆と野球を
続けたいと願っているはずですから、そう簡単
にはあきらめたりしないのでしょうね。

 テレビ放送中のアニメ「大正野球娘。」、第9話
誤解の多い料理店」です。
 夜に寝床で、朝香中学の選手達の特徴をチェック
する小梅。しかしそのまま寝てしまい、翌朝は
ぎりぎりの起床になってしまった。慌てて支度を
済ませ部屋を飛び出す時に、選手の写真が1枚、
引き出しから舞い落ちた。

 太郎達との練習試合を通じて、小梅達桜花会は
だんだん自分達のプレイに自信を持ち始めている
ようです。まだ課題は残されていますが、アンナは
すかさず朝香中へ正式な試合を申し込む事に
しました。今の勢いをキープする事と、実戦を
意識させてより自分達を高められるように、との
配慮なのでしょうね。
 幸い、乃枝や記子が情報を収集しているため、
彼女達はどうすれば相手に対抗できるのか、
明確になっているようです。後はその対策を
実行して腕を上げるだけ、みたいですね。一番
難しそうなのは、晶子と小梅が効果的な魔球を
編み出せるかどうか、かな?

 そんな彼女達の所へ送られてきた朝香中の返答
は、、、。こんな言葉を聞かされたら誰だって
ショックでしょうね。
 雪は、環にすがりついていました。背中を
向けているため表情はわかりませんけれど、たぶん
悲しさと悔しさが彼女の胸にこみ上げていたの
でしょう。普段は、落ち着きがあって、人の言葉を
きちんと聞き分ける所のある級長の彼女でも、
こんなやり方で結果を知らされては、冷静では
いられないのでは。
 一方、巴は、最初の内は何を言われているのか
わからなかったみたいですね。彼女にとっては、
朝香と対戦できない事だけが不満だったようです。
他の人に比べればショックの度合いは低いかも?
でもこれぐらい打たれ強い(?)人がいた方が
チームのムードを良くしていけそうな気がします。
 それにしても、朝香中の校長はなぜわざわざ
あんな問題を起こしそうな手紙を出したの
でしょうね。「学校間の問題」と意識しているなら、
東邦星華の学院長へのメッセージとしてはもう
少し内容を選んだ公式な文章になりそうなもの
ですけれど、、、。それだけ朝香の校長は相手校を
下に見ていた、という事なのでしょうか。

 今回と同じ経験を、晶子と小梅は既にしています。
晶子については第1話の回想場面で描かれていて、
小梅は第4話の時に自分の家で直接相手の口から
言われています。相手はさも当然のように、女性
とは、なんてひとくくりにして彼女達の気持ちや
考えを無視しています。しかもそれを当の本人達の
目の前で言っている所は、自分の言葉がどういう
意味を持つのか意識できていないという事なの
でしょうね。
 その相手とは、岩崎でした。言い方は少し違って
いたかもしれませんが、女性の立場を考えていない
という点では、今回の手紙と同じだったと言えそう
です。

 晶子はそういう経験があったから、今回の仕打ち
にも岩崎が関係していると確信したのでしょう。
晶子に責められた事で、岩崎は自分の知らない所で
何が起きているのかを知る事になります。
 この時、岩崎は、学校側の対応をどう思ったの
でしょうね。この人の行動を見ていると、校長の
考えなしな対応に、怒りさえ覚えているようです。
では、それとは別の事実には気づかなかった
でしょうか? 校長が手紙に書き、岩崎達にも
伝えた言葉が、そっくりそのまま自分が以前
晶子達に言った言葉だという事に。
 この人はたぶん賢いと思うので、その点には
気づくのでしょう。そこから女性に対する態度を
改めてくれるのなら、晶子も岩崎を許さなくはない
かもしれません。

 、、、でもそうなってしまうと百合的にはちょっと
寂しいような気もしますね。それに、もし晶子が
変に岩崎を認めるという形になると、以前にも書いた
ように、女性として見下された晶子に加勢する
ために集まった桜花会の他のメンバーの立つ瀬が
ないようにも思えますし。ここは女性達だけで
勝利を収めるような結果を出してもらいたい
かもです。
(ていうか今回の手紙の件で、今まで「悪者」的な
位置づけだった岩崎が、俄然「良い者」っぽく
なってしまいそうな、、、。この演出はちょっと、
という気もしますね。)

 男性との関係で言えば、小梅の方にも変化が
ありました。三郎との距離が少し縮まっている
感じですね。とはいえ小梅としてはまだ愛情の
ようなものを意識するには少し早いみたいです。
今回、練習中に何だか浮かれたようになって
いたのは、自分が野球をしている事を、近くに
いる人に認めてもらえた(と誤解した)のがとても
嬉しかったからなのではないかと思います。
 桜花会のメンバーと関係者以外は、小梅が
野球をしている事を知りません。親にも打ち明け
られないのは、基本的に真面目な彼女にとっては
かなりのプレッシャーなのではないでしょうか。
しかも、当時は女性が野球をするなんて信じられ
なかったほどらしいですから、相当な覚悟を
毎日のようにしているのでしょう。
 三郎を説得する小梅の姿に、その気持ちが
表れているようですね。いつもは赤いほっぺで
のんびりとした表情をしている彼女も、この時
ばかりは必死になっていました。自分がどれだけ
本気なのかを伝えようとしています。
 この時の三郎は誤解をしていましたが、それでも
小梅の真面目な態度を前にして、何か重大な
決意が彼女の中にあると考えたようです。三郎の
返答は、小梅の考えを認めるものでした。それが
小梅を後ろめたさから少しだけ解放してくれた
と言えるのかもしれません。

 となるとここでも百合的にどうなるのか心配に
なってしまったり。小梅は別に三郎を嫌っては
いないらしいですし(かといって結婚までは
考えていないのでしょう)、三郎も小梅の考える
事を尊重しているようです。なら何も問題なし、
となってしまいそうですが、百合的な何かを
ここで期待したいですね。
 小梅と晶子が2人ともこのまま男の方へ行って
しまうと物語的に、野球に対する深みが薄れて
しまいそうですし。彼女達の「夫婦」関係も
今まで以上に発展させてもらいたいかもです。

 後は、小梅を追う巴の存在もありますね。
小梅に近づくため、というちょっと不純な(?)
動機があったらしい巴も、野球を通じて小梅を
支えたいと思っているのは本当でしょうし、
彼女の思いが報われる場面も見てみたい所です。
 次回予告によると、今度は何だか巴が合宿で
小梅にアタックするらしい? 百合的に良い
結果が出てもらいたいですね。

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