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2009年9月21日 (月)

咲-Saki- 第23話

 「手加減はしない」、、、対局者全員が自分の
持っている全力を出して対戦します。強い者が
勝ち残るのは必然としても、自分が勝者になる
事を信じてぶつかっていく彼女達の姿には、
すがすがしさがあるのではないでしょうか。
この1話だけでこれだけの対局が描かれて
しまうのはちょっともったいないかもですね。

 テレビアニメ「咲-Saki-」、第23局「本気
です。
 個人戦2日目第9回戦、咲の就いている卓
では南3局を迎えていた。だがここにきて智紀
が桃子に無警戒で連続の振り込みをしてしまう。
久は、場に起きている何かに不審を抱き、
自分の打ち筋を変える事にした。

 個人戦第9、10回戦の模様が緊迫感
いっぱいに描かれています。各対局室では、
団体戦決勝の出場者に数絵を合わせた実力者
達が直接対決しています。これは何が起きても
おかしくない予感、、、。それぞれの技を
思う存分出した対局が期待できますよね。
そういうのをたっぷり見てみたい所です。
 、、、けれど、話数の都合なのかこの1話の
中で凝縮されています。スピーディな展開
を見られますがもうちょっと一つ一つの
打ち方を見てみたい気がしますね。そういう
部分は原作コミックで確かめられるように
なる?

 今回の対局の中で盛り上がる所が幾つか
ありましたね。一つは久と美穂子の2度目の
対局になった10回戦。1日目の時に
「本気」を出す事を久から思い出させて
もらった美穂子は、ここまでで断然首位、
どれだけ負けても全国出場はほぼ間違い
ない位置にいます。
 それでも美穂子は、手加減するとか、
危なそうなら降りるとか、そんなやり方は
一つもしていないのですね。常に勝ちを意識
した、「前に出る」打ち筋を貫いています。
さらに、ここだという時には両目を開いて、
自分の技を惜しげもなく使っています。
こうなるともう彼女を止めるのはとても
難しいのでしょう。
 美穂子にこういう戦い方を思い出せたの
は、久でした。1日目の予選を通過し、
2日目の本戦で3位以内に入る、そんな
規定に従った勝ち方では得られない何かが
ある事を、久は美穂子に気づかせた、とも
言えそうです。その結果久は相手に苦戦
する事にもなりそうですが、それでも
久にとっては望む所だったらしいですね。
 そこまで思えたのは、相手が美穂子
だったから、なのでしょう。久にすれば
美穂子は、3年前に一度だけ対局した
女の子。3年ぶりに再会したのも同じ
麻雀大会の場で、相手は何か言いたそうに
いつも自分を見つめてくる。
 もしそこまでだけの印象だったら、普通
に対戦相手の学校のキャプテンとして対局
したのかもしれません。でも久は、今まで
興味のなかった個人戦の中に、「燃える」
ものを見つけ出しています。彼女の気持ちの
向かう先にいるのは、咲や和などではなく、
美穂子なのでしょう。

 久と美穂子は、団体戦終了の時に会話を
交わしていました。その後も個人戦1日目
の終了後、そして今回2日目の試合が
終わった後にも話し合っています。その
たびに、美穂子は久への気持ちを整理する
ような態度を見せていますが、2人の間が
それきになったりはしていないのですよね。
とすると県予選が終わってからも彼女達の
関係は続きそうな予感もあります。2人の
間に麻雀が存在する限り、離ればなれに
なったりする事はないのかも。この2人が
語り合う場面をもっと見てみたい気が
しますね。

 他には、華菜を全国大会へ送り出そうと
奮闘する未春の姿も頼もしかったですね。
咲達を相手に東場で断然のトップです。
 対局室に入れば、他の部屋の様子は
わかりません。直前の対戦の結果から、
未春は、自分の成績を上げるではなく、
華菜を勝たせる打ち方を目指したようです。
 華菜と同級生の未春は、昔から彼女の
打ち方、上級生からでも勝利を奪おうと
する「図々しい」戦い方を見てきたらしい
です(この辺りは「ピクチャードラマ」の
第4巻収録分で語られるみたいです)。
それから、優しいキャプテンの美穂子を、
誰よりも慕っている事を。その華菜が
3位に届く範囲にいる今、自分ができる
事は、彼女を美穂子と一緒に全国大会で
戦わせる事だと覚ったのでしょうね。

 チームのメンバーを援護する戦い方は
個人戦でもあり得る。けれどそんな考え方
とは無縁な場所にいるのが、数絵なの
でしょう。これまでの描かれ方からすると、
平滝高校からは数絵以外で個人戦に参加
する生徒はいないようです。それどころか
数絵は麻雀部に入っているかどうかも
不明、、、。
 彼女には、祖父と作り上げた戦い方が
重要で、他の同年代の人達と仲間になって
試合に臨むなんて自分はしない、と考えて
いるのかもしれません。1人なら、思い通り
に打牌できるし、誰かの足を引っ張ったり
引っ張られたりもしない。そんな自由さを、
数絵は認めていたのかも。
 でも他の人達は、仲間がいる事を、喜び
にも力にも変えているのですよね。数絵が、
一緒に打つ仲間がいる事の大切さを実感
する事がこれからあるのかどうかは何とも
言えませんけれど、彼女にも大事に思える
仲間ができると良さそうですね。

 チームの仲間を援護するという点では、
智美もせいいっぱい努力していたようです。
普段はひょうひょうとした所のある彼女も、
さすが部長だけあって、ゆみや桃子を後押し
する心構えはできているみたいです。
 そのゆみと桃子は、、、。個人戦の後、
鶴賀のメンバーが一緒にいる場面で、桃子が
見せていた表情が、彼女達の気持ちを
物語っていると思われます。
 つい最近まで、誰とも関わらない、何も
感じない生き方をしてきた桃子が見せて
いた表情、それは彼女の成長を物語って
いるようにも感じられます。本人からすれば
ゆみと一緒にいられるチャンスを失って
しまった絶望感が支配している、とも
言えるのでしょう。けれど一緒にいるゆみが
どんな気持ちでいるのかを知ったなら、桃子
は違う感情を抱く事ができるのでしょうね。
 10回戦が始まる前に、ゆみは自分の
高校生活で最後の公式戦になるかもしれない
この半荘に思いをはせていました。ですが
自分が勝ち残れるかどうかよりも、桃子と
一緒にいられるかどうかの方が、今の
彼女には大きいようです。前回までで
少しずつ高まってきた思いが、彼女の中で
何かの答えを出そうとしているようですね。
それが桃子にとって嬉しい答えになると
良いかもです。
(ところで9回戦でステルスモードを
打ち破られた桃子は、咲がどうやって彼女
の牌を見る事ができたか、を聞いていました。
これで彼女は自分の技の弱点を知ったと
思うのですけど、それをひっくり返すような
新しい力を身につけて(今回の大会ではなく)
いつか咲達の前に立ちふさがる、なんて
展開もあったりする?)

 そして、咲と和も対局での強さを見せて
いました。和は、美穂子には及ばないものの、
安定して勝てていたようですね。デジタル
打ちの神髄なのか、純や一が何を仕掛けても
対応できていたみたいです。
 咲は、団体戦以来マークがきつくなって
思うようにカンができなくなっています。
が、一瞬でも隙ができれば流れをさらって
いく力量を発揮できたようです。
 また、合宿の時に久が出した指示が生きて
きています。(第5話であの指示を見た時は、
咲にはわざわざそれをする必要がないのでは、
と個人的にも思ったのですけれど、実は
そうでもなかったのですね。)この大会では
リアルに牌を使って対局するため、和のように
ネット麻雀中心だった人には慣れが必要
でした。ですが咲のような人がネット麻雀
の特徴を取り入れる事で勝ちを引き出せる
場合もあるみたいですね。
 リアルを身につける和と、ネット麻雀を
味方にする咲。2人はお互いの特徴を
それぞれ取り込んでいます。何となく
2人の密接さが増している、という感じが
しますね。

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