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2009年8月30日 (日)

つぼみ Vol.2 その2

 自分の思いが相手になかなか通じない状況は
誰にでもありそうです。が、それが女の子同士
だった場合どうなるのか、、、。いろいろな物語が
展開していますが、あきらめずにトライし続ける
ポジティブさも、ちょっと頼もしいですね。

 発行芳文社による百合アンソロジー「つぼみ」の
Vol.2を見てみました。以前に別の記事でも書いて
いますので、よろしければそちらも見てみてください。

つぼみ Vol.2

 では前に書いたもの以外の作品について一部
ご紹介、、、。

(・作品名(作者名(敬称略)))

・胸の炎(宮内由香)
 愛子の部屋に、最近瞳がよく遊びに来る。
2人は昔からの知り合いで、愛子は瞳を
密かに愛していた。しかし瞳は今、同じ
ゼミの男性に片思いをしていたのだった。
 相手の手に触れたくてネイルとか(後は手相
とか)習っちゃうっていうのはよく聞きますね。
でもそんな事を一つも疑わない瞳は、愛子が自分
を恋愛対象として見ているなんて思いつかないの
でしょう。愛子もこのままだと、2人の関係が
変わるのが怖くて告白できないかも、、、。

・つんぺろ(裏次郎)
 クラス委員のりんは、雨の中びしょ濡れに
なりながら野良犬を背負って走るあやかを
見かけた。自分の身なりなどにかまわない
あやかを、りんはなぜかとても気にかけていた。
 クラス委員としてあやかに近づいていくりん
の言葉の端々には、あやかへの思いが表れて
いますね。けれどあやかは全然気づく様子が
なく、、、。りんが、自分の気持ちが何なのか
自覚していても、それをわかってもらえる
ようになるにはもう少し時間がかかりそうです。

・ピンク色(大朋めがね)
 演劇部では、新入生歓迎会で上演する舞台の
準備中である。主役は白鳥、相手役は後輩の新村。
彼女の友達の緒方は大道具の担当だが、その日は
集合前に保健室へ行っていた。
 桜の下で昼ご飯を食べる場面のモノローグで、
「そっち行きたいなー。」というのが印象的
ですね。あの場面にいる3人の関係が見事に
描かれているような。女の子同士だから、
追いかけても誰も追いつけないこういう関係を
表現できるのでしょう。
 ところで、途中に出てくる保健室の先生
って、Vol.1の「ついでのはなし。」に出てくる
もなよ、ですよね。単に登場人物が重なって
いるだけでなく、保健室で生徒が相談していた
内容が今回のようにエピソードとして描かれる
というのは面白いかもです。、、、今回もなよは、
ベッドに寝ている白鳥を置き去りにして帰って
しまいましたが、もしかしたらこれぐらい
「てきとう」でなければ女の子同士の恋愛を
成就させるのは難しい、という意味だったり
するのかも。

・つばきごと(天乃タカ)
 父の跡を継いで植木屋になった玉霞(たまかすみ)
が椿の世話を依頼されて神社へ行くと、そこには
1人の女性が座っていた。名前は「つばき」、依頼
とは彼女の身の回りの世話だったのだ。
 きれいな花をむやみに散らせるようなまねを
する椿祭りを、玉霞は嫌っています。異端の
存在など知らない彼女は、純粋に花を愛する
気持ちを持っていて、それがつばきにはとても
嬉しかったのでしょうね。玉霞の愛情が、
いろいろな意味で彼女の力になったようです。

・オオカミの憂鬱(水谷フーカ)
 地方の小さな百貨店でエレベーターガール
をつとめる桜井は、昔から女性にもてていた。
自分も女の子好きだと自覚する彼女は、今日も
「獲物」を求めて乗客を案内する。
 ただ女の子達から好かれるだけでなく自分も
女の子好きだとわかっている桜井は、はつらつ
として仕事に取り組んでいる感じですね。何か
喜びにあふれている雰囲気が伝わってきます。
たとえ美少女に翻弄されようと、それさえも
彼女の楽しい生き方の一つなのかも。

・「つぼみ」レビューリストレビューセンター

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