うみものがたり 第6話
いつもと違うウリンの反応に戸惑い取り乱す
マリン。でも彼女がこの時感じていたのと同じ
気持ちを、ウリンは空の世界に来てからずっと
感じていたのかもしれません。マリンはそこに
気づいてあげる事ができるのでしょうか。
テレビアニメ「うみものがたり~あなたが
いてくれたコト~」、第6話「堕ちる心」です。
皆既日食のために昼間でも真っ暗になっている
天神子島を、ウリンはさまよい歩く。やがて岸辺に
立った彼女の指には、夏音から預かった指輪が
黒々と色を変えはめられていた。不思議な事に、
どうやっても指からはずれないのだ。
マリンのそばにいさせてもらえない、マリン
本人ももう自分の方を振り返ってはくれない、、、。
そう感じたウリンは、自分でマリン達の前から
立ち去ります。
ウリンにとっては、今までずっと一緒で一番
近くにいたはずのマリンが、どんどん離れていく
ような気がする、なんていうのはこれまで一度も
経験した事がない気持ちなのでしょう。マリンを
取り戻したくて、前回も彼女なりにとても考えて
いろいろ行動したのではと思われます。が、
(マリンにはその気がなかったらしいとはいえ)
結果的に自分の努力を否定されてしまいます。
まだ周りの世界の広さをよく知らないみたいな
所のあるウリンには、この仕打ちは厳しいもの
なのでしょう。今までずっと存在していた絆が
突然消えてなくなってしまったら、これから
どうしたら良いのか、考える事すらできなく
なってしまいそうです。今の彼女には、もう
望みは残っていないとも言えそうです。
そこへ忍び寄るのはセドナの気配のようです。
第1話で影響を与えていたらしい指輪を使って、
ウリンの考えを支配しようとしているみたい
ですね。
でもちょっと気になるのは、セドナが狙うほど
ウリンって邪悪だったのかなという事、、、。
確かにマリンの事で絶望はしていたかもしれません
が、それと邪悪とはちょっと違うような気も
します。マリンの気持ちを奪った(と思っている)
夏音に対する憎しみが強くなり、、、みたいな
パターンもありそうですけれど、前回や今回の
感じでは、ウリンはそこまでの気持ちは夏音に
対して持っていないように思います。
考えてみると、セドナの兵士にしても邪悪な
気を集めているだけで、兵士本人が邪悪だった
とは限らないのですよね(前に出てきたタコや
フグもマリンの浄化で元のピュアな魚介類(?)に
戻っていたようです)。ウリンがセドナの兵士に
なったのか、それとももっと違う存在なのかは
わかりません。けれど邪悪そのものとはまた別の、
悲しみに満ちた思いが、彼女の中にはありそう
ですね。
(ところで今回のこの辺りの場面、公式サイトで
配信中のPVにも少し描かれていました。5/1付けの
PV第1弾なのでちょっと表現の内容は違っている
みたいですね。、、、これを私は今回の話数の
何日か前に見てしまって。こういう場面を直前に
見てしまうのは避けた方が良いかもですね。)
一方のマリンは、、、日食が終わった事で正気を
取り戻したのか、ウリンの身を心配してほとんど
取り乱しています。自分がなぜウリンに向かって
あんなに冷たい事を言ったのか、信じられない
気持ちになっているようです。
やはりこの辺りはちょっと不条理を感じて
しまいますね。マリンがあまりにもピュアで
あるがために、ちょっとした事でも邪悪に支配
されてしまうかもしれない、という意味なの
でしょうけれど、それにしても支配の結果が、
妹に冷たい口をきくだけだったというのは、、、。
(姉妹げんかに慣れている空の世界の人間達には
なかなか重大な事態には見えないかも。)
もちろんずっとお互いを大切にし合ってけんか
なんか一度もした事がないマリンとウリンには、
これは信じられないほどの悪夢なのでしょう。
その事は、マリンの取り乱しようにもはっきりと
表れています。マリンもウリンと同じで、今まで
経験した事のない出来事だったため、自分達の
関係が果たして元に戻るのかどうかとても不安
なのでしょうね。
マリンは、空の世界の美しさよりも、巫女の務め
よりも、自分が「愛してる」夏音さえも押しのけて、
ウリンを求めています。ほとんど泣き出しそうな
声でウリンを呼んでいます。失ってみて初めて、
いつも一緒にいたウリンの大切さを、身にしみて
感じているのでしょう。
けれど全く同じ気持ちを、ウリンは既に感じて
いたのですよね。ウリンは、空の世界に目を奪われ、
巫女の務めに興味を示し、夏音に抱きついていく
マリンの背中を見ながら、今のマリンと同じ思いで、
叫び出しそうになるのをこらえていたのでは。
相手も自分と同じ思いをしていた、と気づけるか
どうかが、マリンにとっては意味がありそうな気が
します。今度はマリンがウリンを取り戻す番に
なりそうですが、そのためにはどうすればいいのか、
マリンはきちんと考えなければならないかもです。
といった姉妹の関係の危機が起きている間に、
夏音の方は小島の事をいろいろと思い出している
ようです。小島を巡っては大島というライバルも
いますし、夏音がよりを戻すための舞台は整って
きているようにも見えたり、、、。もしそうなると
百合的にもマイナスになりそうですし、海の世界と
空の世界が二つに分けられたまま何も変わらず、
なんて事にもなってしまいそう(エンディング
アニメの描き方を見ているため余計にそんな
感じが漂っていたり)。マリンとウリンだけでなく、
マリンと夏音の関係でも百合を見せてもらいたい
所です。
今回ふと思ったのは、人の強さと弱さについて
、、、。100%と言っていいほど「純粋にピュアな」
(という言い方があるのかどうかはわかりません)
マリンは、その純粋さのために邪悪に対するもろさ
のようなものがあったようです。人が厳しい環境に
左右されず自分らしさを保って行くには、ピュア
だけでなく(夏音のように)邪悪さも持ち合わせて
いる方が良かったりするのでしょうか。
そこから考えて、セドナの方も似た事が言えたり
するのかな、という気がしました。セドナの半身は、
邪悪な気を集めてもう一つの半身を解き放とうと
行動しています。セドナは邪悪な存在と考えられて
いますが、その純度が高まって、「純粋に邪悪な」
ものになっていったとしたら、、、。そうなった
セドナは、実はピュアな気持ちに対するもろさが
あるのかも、とも思えます。
天神子島の日食と前後して、マリンの周囲の世界は
闇に包まれていきます。公式サイトのトップページも
どんどん暗くなってるほどですね。あの暗闇は
セドナがもたらしたものかもしれませんが、その先に
かすかでも希望の光が見えてくると良いですね。
巫女達も、そしてセドナも、実はそれを願って
いるのかもしれません。、、、ともかく百合を
お願いしたいです。
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