咲-Saki- 第19話
自分の力に突き動かされて対局を繰り返す内に、
衣は、昔からそばにあった大切な何かを忘れて
しまっていたのかもしれません。気づいた時には
もう手遅れなのか、、、彼女が振り向いた先に、
答えはあったようです。
テレビアニメ「咲-Saki-」、第19局「友達」
です。
衣の気迫に干渉されたのか、突然の停電が
予選会場を闇に包む。対局室にいた者達は
衣のただならぬ気配に幻を見る思いだったが、
咲だけは、穏やかな表情で彼女を見守って
いた。
今回も対局で見せる場面が多かったですね。
4人の気迫がこもっていた感じがします。
例えば卓を囲んだ4人が牌をツモって切る、
それだけの動作が1カットで丸ごと1巡
描かれたりしましたが、それだけなのに何か
緊迫感のある雰囲気で、目が離せなかった
ですね。
華菜は、1位から大きな点差をつけられて、
誰が見てもここから勝つなんて無理、という
状況でした。けれど彼女は、あきらめるなんて
事はもう考えていないようです。役満をあがり、
テンパイを繰り返した後直撃すれば、可能性は
まだある、と。
けれど手牌が集まらない上に衣のあがり。
彼女の計画は一瞬でつぶされてしまいました。
、、、ですが彼女はまだあきらめません。
すぐさま次のやり方を考え出します。それは
ほとんど不可能で、自分だけでなく他家の
手牌の条件までそろわなければ実現しない
もの。それでも一つでも可能性がある限り、
華菜は食らいついていくのでしょう。
(そういえば今回、役を崩す時に華菜は
七ピンを切ってましたね。この牌は以前の
試合(コーチが怒る原因の一つでした)でも
鍵だったようで、彼女には因縁のある牌
なのかもですね。)
ゆみも気持ちは同じだったようです。
点数では3位だったものの、親番が残って
いるため、有利ではありました。
その有利を優勝に結びつける唯一の
手は、勝ち続ける事。連チャンする限り
場は進みませんし、点数も自分に入り続ける。
ルール上では当然の答えと言えそうです。
でも1回も落とさずにあがり続ける
なんて、とても難しいでしょう。それに、
上にいる相手は衣と咲。今までの対戦を
思い出せば、望みがあるのかどうか、常に
冷静なゆみならすぐにわかるはず、、、。
それでも彼女は、1位を目指して挑んで
いきます。
衣にしてみれば、刃向かう気持ちなど
起きないほどに打ちのめしたはずの2人が、
全く勝負をおりる気がないのは、素直に
理解できなかったようです。自分が
相手をしている女の子3人それぞれに、
「つながり」を持つ女の子がいるというのは
何となくわかっていて、さらに彼女達が、
3人に戦う気持ちを与えているとも思って
いるようです。
その思いは、衣の胸の奥をかき乱している
みたいです。自分にはないもの、求めても
得られなかったものを持っている人達。
今自分の目の前で圧倒的な点差と力量差を
見せつけても決してあきらめない人達の
存在は、勝っているはずの衣に、試合とは
別の場で、彼女を追いつめているのかも
しれません。
咲の思いは晴れやかになっていて、麻雀部
の部室で和達と打っているのと変わらない
状態のようです。彼女は前回の最後で、
全国大会出場を目指す自分の気持ちを
話していました。彼女の言葉は衣だけでなく
華菜もゆみも聞いていたのでしょう。
あの場にいた4人全員が、自分こそは
全国へ行く、他の誰にも負けない、そう
考えていたはずです。だから咲に勝手な
せりふを言わせておくのは内心面白くないの
では、なんて考えてしまいました。
けれどそんな事を気にする暇もないほど、
彼女達は試合に集中していきます。どうすれば
点数を積み重ねて1位になれるか、そこに
全員の神経が注がれていきます。
そんな対局はどういう感じなのか、咲は
試合中に言葉に出しています。その場には、
低い点数で挽回のチャンスもほとんどない
人もいますし、どれだけ試合で勝ち進んでも
自分自身を必要としてくれる人の1人も
現れないと嘆いている人もいます。でも
そこにいる全員が、不思議と咲の言う事
には賛成できたのではないでしょうか。
咲も、そういう人達と一緒にいられた
時間を、嬉しく思っていた事でしょう。
、、、といった感じで、かなり盛り上がりを
見せた回でしたね。強力なあがり(国士無双
さえかすむほどの)も炸裂してましたし。
エンディングまで見ていると何だかこれで
完結? みたいな雰囲気までありますが、、、
もっと続くのですよね。
この後は個人戦が描かれていく、のかな?
それとも全国大会に関係する何かが見えて
くるとか。まあ少なくとも次回はプール
のエピソードらしいです。お色気成分が
補充される?
試合後、各校の様子が少しずつ描かれて
いました。龍門渕では、衣の周りに透華達
が集まってきていましたね。衣には、彼女を
見ていてくれる人達がたくさんいるようです。
衣は、自分が孤独だとずっと思っていた
ようです。その理由は、自分と対局した
人間の絶望に満ちた表情、、、。(たぶんこの
表情を最初に衣に見せたのは、一だったの
かもしれません。)自分が勝てば勝つほど、
相手が沈んでいく。かといって自分を負かす
ほどの人間は現れない。そんな状況を
繰り返す内に、衣は希望を失っていったの
かもですね。
けれど実際には違ったようです。透華達
にしても、本当は自分達が衣をどう思って
いるか、ずっと前から言いたくて仕方
なかったのでしょう。でも衣は自分達に
気持ちを開いてくれようとはしない。
彼女達は、いつか衣が気づいてくれるまで、
衣にとことんつきあおうとしたのかも
しれません。だからこの5人で、去年も
今年も全国を目指して戦ってきたのでしょうね。
風越女子では、華菜と美穂子の関係は
以前からずっと結ばれていたようですし、
今回の華菜の奮闘を見て、美穂子はいっそう
彼女から目が離せなくなっているのでは、
という気がします。2人はまだちょっと
先輩後輩として慕い合う関係が強そうです
が、これからの発展は期待できそうですね。
もう一つあるのは、美穂子と久の関係
、、、。美穂子にとっては、中学時代に
出会ってから胸を動かされてきた女性との
突然の再会でした。あの時夢中で追い求めて
いた久にまた会えて、美穂子はどうするのか
気になっていました。今回の感じは、何か
さっぱりしていましたね。美穂子も気持ち
の整理ができた、という事? これも
一つの関係なのかもしれませんね。
鶴賀学園の方はというと、まだまだ現在
進行形という感じがします。団体戦が
終わり、ゆみは桃子との間に結論を出そうと
しますが、、、。桃子はまたも話題を変えようと
します。
ゆみが自分の事をどう思っているのか、
前回描かれた予選2日前のエピソードでは、
ちょっと絶望的な考えになっていたのでは、
と思っていました。が、今回の雰囲気だと
まだわからないですね。ゆみがちゃんと、
しかも桃子の望んでいる答えを出してくれる
と良いですね。
それに、桃子があれだけ一生懸命、個人戦を
頑張ると言うのには理由があると、ゆみも
わかっているのでしょう。ゆみには、その
気持ちに真面目に向き合ってもらいたい
所です。
そんな2人に対して残りの智美達は、、、。
彼女達の行動も含めて、青春という感じ
でしょうか。
そして清澄では、対局室に真っ先に
駆けつけた和と、戦いを終えた咲が、、、。
まこが思わずにやりとしてましたね。
和は休憩時間にも咲に会いに行って
いましたし、できるだけ2人で一緒に
いられたようです。対局中でさえ、和の
応援は咲に届いていたようですし。この
2人の絆は、この決勝戦を通じてだんだん
強くなっているみたいですね。
帰りの電車の中でも、あの手のつなぎ方が
、、、。この先試合以外では一緒にいられる
時間がたっぷりとれるでしょうから、これからも
何かとラブラブな彼女達を見られるのでは、
と期待したいです。
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