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2009年7月29日 (水)

青い花 第4話

 自分の恋の仕方について告白すれば、相手が
どんな顔をするのか、ふみは十分わかっている
ようです。それでも言わずにいられなかったのは、
相手が大切な人だからなのでしょう。また
それだからこそ、ふみは話すのが怖かったの
かもしれません。

 テレビアニメ「青い花」、第4話「青春は美わし
です。
 スチールの書架の立ち並ぶ学校の図書室で、
ふみと恭己は唇を重ねた。2人は翌日から毎朝
一緒に登校する約束をする。が、次の朝ふみを
駅で待っていたのは、恭己とあきらだった。
ふみはあきらとも約束をしていたのだ。

 できるだけ原作の時とは気持ちを切り替えて、
違うテイストの作品として見てみようと思って
いたのですけど、、、やっぱり思わず原作コミックス
を手に取ってしまいました。見てみたかった
けれど描かれていなかった場面があったもので。
 それは、ふみ達が図書室にいる時の一場面です。
ふみが自分の「片思い」について話している間に、
つい涙が浮かんでくるのですが、アニメではそういう
展開にはなっていなかったようです。
 あの場面では、揺れやすいふみ感情や、過去の
千津との経験と恭己との未来を考えた時の期待と
不安みたいないろいろ入り交じった気持ちが表されて
いるような気がして、アニメでも見てみたかった
部分でした。とはいえアニメはライトな方向性みたいな
雰囲気なので、あまりたくさんは求められないの
かもですね。

 恭己に引っ張られるようにして、ふみは彼女と
つきあい始めています。この流れは、あるいは
千津の時と似ていたりするのでしょう。相手の
求めに応えて相手のなすがままに、、、。でも
千津の時も恭己の時も、引き回される事は別に
嫌ではなかったのでしょう。自分と同じ女性
である彼女達に対して自分から主張はしないし
できなかったけれど、相手と一緒にいられて、
相手が自分を見ていてくれる事を喜びとしていたの
かも。
 とすると、ふみにとって、千津の時と今回とは
変わらないパターンだったりするのでしょうか。
同じように一緒にいて、でも同じように相手には
別に愛する人がいて。ふみが自分から行動できない
ばかりに、やがては相手の気持ちが離れていって
しまう、みたいな結末が待っている、とか、、、。
 まあ千津と恭己は違う人ですから何もかも同じ
にはならないのでしょう。それに、今はもう一つ
違いがあるようです。

 それは、ふみのそばに、あきらがいる事。ふみは、
あきらに対してだけは、これまで知り合いになった
他の誰とも違う気持ちを持っているように見えます。
 ふみは、自分が女性と交際する女の子だという
事は、たぶんこれまで誰にも言ってこなかったの
かな、と思います。いとこの千津との事は親でさえ
気づかなかったみたいですし。
 ふみが自分の交際について秘密にしてきたのには、
他の人から見た女の子同士の恋愛関係が「気持ち悪い」
ものだと考えていたからかもしれません。自分では
ただ愛しているだけなのに、他の多くの人達が
それを快く思っていない、と自分で思わなければ
ならないのは、彼女にとって重い事なのでは。
 けれど、そうやって隠し通してきた自分の交際の
事を、ふみはあきらにだけは伝えておきたいと
思ったようです。もし話したとしたらほぼ間違いなく
引かれてしまう、という予想はふみにもできていた
でしょう。それでも言いたかったのは、親をはじめ
これまでの誰とも違って、あきらに対してだけは
正直でいたい、と考えたからなのかもですね。
なぜそんな風に感じられたのか、に関しては、
これから少しずつ描かれていったりするのでしょうか。
(その辺りが原作と同じになるのかどうかも気に
なりますが)楽しみにしたいです。
 アニメのオープニング曲で、歌詞はふみとあきらの
事を言っていると思われます。その冒頭の部分、、、
これがあきらに対するふみの胸の底からの気持ちを
表しているのかもしれませんね。

 では、ふみの言葉を聞いたあきらの反応は
どうだったでしょうか。ふみが考えていたのとは
ちょっと違って、あきらは割と平静でいられた
ようです。
 彼女が特に取り乱したりしなかったのは、なぜ
なんでしょうね。例えば、女子高に入って京子の
ような女の子に出会い、女の子からラブレターを
もらう出来事に遭遇したから、とか? 1回ぐらい
では簡単に考え方は変わらないでしょうけど、
そういえばあの時もあきらはあまり嫌な顔はしません
でしたね。
 それなら、他人事だから気にならなかった、、、?
そういう部分ももしかしたらあるのかもしれません
けれど、少なくともふみの告白は誠実に聞いて
あげている気がします。何しろ10年ぶりに出会って
もう一度仲良くなれた人ですし。
 となると、あきら自身も女の子を愛する気持ちが
ある? 、、、これはどうなんでしょうね。あきらは
中学では共学だったらしいですけど、特に男の子や
女の子と交際していたみたいな話題は出てきて
いないようです。

 幼なじみの女の子が女の子とつきあっていると
目の前で言われても、あきらは拒んだりはしません
でした。この反応は、女同士の恋愛があってもいい
と思うのと同時に、ふみに恋人がいてもいいと感じる
気持ちがあきらにはある、とも考えられそうです。
これからもいろいろな事が起きると思われますが、
ふみとあきらの関係が仲の良い友達止まりなのか、
それとも友情以上の気持ちが芽生えるのか、
とても気になります。

・「青い花」レビューリストレビューセンター

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