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2009年7月10日 (金)

うみものがたり 第2話

 「海の巫女」と「空の巫女」の出会い、これは運命
だと言われています。この言葉を聞いた本人達は
自分達の事をどう考えるのでしょうね。運命で
あってもなくても一緒にいたい、そう思えるように
なると良いかもです。

 テレビアニメ「うみものがたり~あなたがいてくれたコト~」、
第2話「指輪の心 巫女の心」です。
 黒い雲に包まれ急に雨の降ってきた島で、迷子に
なった妹のウリンを探すマリンと夏音。林の奥の木陰で
震えていたウリンを見つけて、夏音はマリンを大声で
呼ぶ。やっと再会できた姉妹は、抱き合って互いを
確かめるのだった。が、その時、物陰から大きな亀が
姿を現し、人の言葉で話し始めた。

 第1話では幻想的な雰囲気と、ちょっとコミカルな
場面のある、自然豊かな南の島での少女達の物語、
という感じでした。今回はそこにまた新しい要素が
足されていますね。
 公式サイトでも紹介されている所では、この作品は
「魔法巫女ファンタジー」だそうです。今回のエピソード
で、その辺りのいきさつが描かれています。
 ていうか2人が魔法で巫女さんに変身して邪悪な
存在と戦う、という展開に。これだけ聞くと変身
ヒロインもの? とも思えてしまいますね。確かに、
不思議な力で変身するときらびやかなコスチュームに
チェンジしていて、呪文のような言葉を唱えて相手を
倒す必殺技を繰り出す、なんて事ができるようです。

 けれど、単なるバトル展開ともちょっと違う雰囲気が
あります。襲ってくる相手を必死にかわしながら
立ち向かう場面では、普通なら勇ましい曲でもかかる
所、、、この作品では、静かでもの悲しげなピアノの
メロディが流れてきます。またこれが何だか合って
いるのが面白いです(さらにマリンのアクロバティック
な身のこなしも素敵ですね)。
 それから、巫女達も、単純に相手を倒せば勝ち、という
わけでもないようです。本来なら、セドナの兵士は敵、
打ち破らなければならない存在ではあるらしいのですが、
マリンはそれ以外の方法で決着をつけようとします。

 戦う事、勝つ事、それがすべてではない、と言っている
ような感じがしますね。他の誰もがセドナを恐がり、
力には力で対抗しようとしても、マリンだけは戦いを
選ぼうとしていません。マリンの目は、相手の中に
ある本心を見通して、さらにそれが助けるべきものだ
と直感で気づいているようです。
 けれど、それだけで戦いを終わらせられるのかどうかは
わかりません。これから先どんな恐ろしい相手が襲って
くるかもしれませんし、戦わずに問題を解決するのが
とても難しい場面も次々に出てくる可能性があります。
純真で疑う事を知らないマリンだからこそ、そういう
場面を見せつけられるたびに、胸を引き裂かれる
ような苦しみを味わってしまうのではないかと心配に
なってしまいます。苦しみに耐えきれずに暗い感情に
支配されてしまうかも、とか。

 それほどまでにまっすぐなマリンに対して、夏音は
自分の母親からさえ「邪悪なオーラ」が出ていると
言われるほど後ろ向きな面があるらしいです。普段は
普通にしているようなのですが、少ししくじったり
すると、どんどんネガティブ思考になっていって
しまうみたいですね。
 母親が冗談まじりに言っていた中では、彼女は代々
シャーマンの家系だけど、祖先が邪悪な者の血を
浴びたおかげでダークな子孫が生まれる事があるとか。
ちなみに母親は、自分で言うほどの「インチキ占い師」
らしく、日頃から話している言葉のどこまでが本当
なのか疑わしいようです。でもこの祖先の伝説が
本当なら、今夏音が経験している出来事ともつながる
気がしますね。
 例えば夏音の祖先も「空の巫女」として選ばれて、
セドナとの戦いの中で何かが起きた、とか。その時
一緒にいた「海の巫女」がマリンの祖先だったりすると、
より2人の関係が強まりそうです。なぜ夏音の祖先だけが
邪悪な血を浴びたのか、なんていう辺りにドラマが
隠されていそうな気がします、、、。

 巫女達の物語は、今始まりました。彼女達がいったい
どこへ行き着くのか気になる所です。できれば是非
百合な方向でまとまってもらいたいですね、、、。
 ところで彼女達の住むのは南の島。夏音達「空人」が
話すのは沖縄や奄美といった地方の「島言葉」のようです。
こういう舞台設定も何だか楽しいですね。
 なお、島の名前は「天神子島(あまみこしま)」
だそうで、実在の島と語感が近いです。物語の中では
皆既日食の話題が出てくるそうで、こちらも実際の
島の事情と合います。こんな感じのつながりも面白い
ものですね。

 それからもう一つ、今回のストーリーで気になるのが、
ウリンの位置づけ、、、。彼女は第1話で、重大な意味を
持つ封印を解いてしまいます。これは、知らなかった
とはいえ彼女にとってかなり重々しい事実ですよね。
これでウリンが罪の意識に苦しみ続ける、なんて事に
ならなければ良いな、と思います。今回、彼女は姉達に
自分のした事を伝えられたので、少しは救われた
かもしれませんね。
 それで、なぜウリンが封印を解いたのか、なのです
けれど、彼女には、助けを呼ぶ声が聞こえていたみたい
です。思わず手を差し伸べたくなるほど弱々しい声
だったのかもしれません。
 その声の主は、セドナの半身。もう一つの半身を
探し求めて、外へ出たがっていたようです。
 そう、セドナも、巫女達と同じように、二つで一つ、
という存在らしいです。その「二つ」が女性で、お互いを
呼び合い求め合っているとすれば、こちらにも百合な
物語があるような気がします。

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受信: 2009年8月 4日 (火) 21時53分

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