咲-Saki- 第２話

　今度は「勝ち」をかけての１局。和も全力を
出して挑むのでしょう。けれど咲の方は、、、
場の流れではなく別のものに注意が行っている
ような。彼女には、麻雀より気になる人がいる
みたいです。

　テレビアニメ「咲-Saki-」、第２局「勝負」
です。
　昨日の対局から、通算で４連続プラスマイナス
ゼロの得点をおさめた咲。その驚くべき才能に
目をとめた部長の久は、次の対戦に勝ってみろと
彼女に提案する。麻雀は勝利を目指すものだ
というのだ。

　対戦の結果、和はまた部室を飛び出す事に
なります。この時の彼女の気持ちはどんな
だったのでしょうね。
　和は中学の時に麻雀で全国トップになった
そうです。その後もたぶん負け知らずだったの
ではないかと思われます。彼女にとっては
勝つのが普通で、それ以外の展開を経験する
なんてほとんどなかったのかもしれません。
　そんな時に何気なく始めた対局で４連続
プラスマイナスゼロなどという、勝つより
難しい技を目の前で見せつけられ、最終的には
咲の「強運」まで思い知らされてしまいます。
和はプライドの高い女の子ではないと思います
が、圧倒的な力の差を見せつけられて、
どうしたらいいかわからなくなってしまったの
でしょう（後の場面で彼女は「負けて悔しい」と
言っていましたね）。

　咲と２人で話し合っても気持ちを切り替える
事ができなかった和は、咲にも少し強く
当たってしまいます。けれど家に帰って
自分の部屋でだんだん気分が落ち着いてくると、
違う考えが浮かんでくるようになったみたい
ですね。次の日に咲の姿を見た瞬間の和の
表情が、すべてを物語っているような気が
します。和には、咲と一緒にいる未来が
見えたのではないでしょうか。

　では咲の方は、、、。今まで家族とだけ
麻雀をしてきて、勝ちも負けもしない打ち方
だけを彼女は心がけてきました。大きな役が
できても、プラスマイナスゼロにするため
なら、彼女は役をなかった事にしていた
ようです。対局相手の攻撃をかいくぐりながら、
手配を集めて大きな役を作る、そういう
楽しみは、家族麻雀の中では得られなかった
みたいですね。
　それなら咲は麻雀が本当に嫌いで、家族
とももう打ちたくないのか、というとそうでは
なさそうです。彼女は今は父親と２人暮らし
らしいですが、いつか他の家族が戻ってきて、
また麻雀を打てるようになる事を願っても
いるみたいです。もしかしたら、昔家族が
ばらばらになった時、それまで当たり前の
ようだった日常が泡のように消えてしまう
寂しさを、彼女は身にしみて感じていたのかも
しれませんね。この辺りも、彼女がもう一度
麻雀に向き合おうとするきっかけの一つに
なっていたのかも。

　今日までの咲にとって、麻雀は苦い思い出
や寂しさばかり感じさせるものだったのでしょう。
でも和との出会い、そして対局が、彼女の
気持ちを鮮やかに変えていきます。世の中
には、同じ高校生でも和に劣らない麻雀の
強者がたくさんいる、、、。今までそんな風に
考えた事もなかった咲には、目の覚めるような
感覚だったのではないでしょうか。勝つための
麻雀を打つ人達がひしめき合う中、ひときわ
輝く人がいる。その人の近くにいたい、
一緒に麻雀を打ちたい、と願うのは、咲の
紛れもない本心なのでしょう。

　対局中、咲の想像が見せた和は、背中に
輝く金の翼を持っていました。自分が見上げた
事もなかった高い空へと飛び立てる翼を、
和が持っている、と咲は感じたのではないかと
思います。自分が見た事もない世界を知っている
和に、咲は強い憧れを感じたのでは。

　、、、ていうか対戦の場面を通して見ると、
咲が何かにつけて和をちらっちらっ²
見ていたような？　しかも見つめ返されると
真っ赤になってうつむいていたし。もうこれは
かなり意識しているような気がしますね。
このタイプの演出が原作よりもよりはっきり
出ているように感じられますので、アニメでも
この先百合的なエピソードを期待できそう
でしょうか。