マリア様がみてる 4thシーズン 第１２話

　瞳子は、自分が祐巳を誤解していたと気づいた
みたいです。相手の気持ちを間違って想像していた
というなら、祐巳の本当の思いは何なのか、瞳子は
感じ取る事はできるのでしょうか。これから
その物語の行方が説き明かされていく、、、？

　4thシーズンアニメ「マリア様がみてる」、
第１２話「クリスクロス」です。
　乃梨子の前で号泣するという、彼女らしくない
姿を見せた瞳子だったが、翌週にはいつもと
変わらない様子で登校してくる。そしてついに、
次期薔薇様のカードを探すバレンタインイベント
当日になった。

　高校生の頃の１学年の差はけっこう大きくて、
上級生の考えなんてまるでつかめない気が
しますよね。はっきりした意見を持っていて
上級生にも反論するほどの瞳子でも、祐巳に
対しては実は太刀打ちできない何かを感じるの
かも。いえ、最初は彼女も、祐巳と祥子の間に
割って入ろうとするほどでしたから、顔を合わせた
ばかりの頃は、祐巳の姿もほとんど眼中に
なかったのかもしれません。
　それが、この１年足らずの間に、少しずつ
変わっていったのでしょう。今回瞳子の頭に
浮かんだ祐巳の姿は様々でした。それだけ
たくさん、祐巳と顔を合わせ、名前を呼んで
もらっていた、という事なのですね。瞳子が
リリアンの中でどれぐらいの数、他の人達と
つきあっていたのかはよくわかりません
（クラスメイトとか、他の演劇部員など、、、）。
でも強い印象に残っているのが祐巳だという
事に間違いはないのでしょう。その祐巳が
どういう気持ちで自分と接してくれていたのか、
瞳子は考えようとしたのでしょうけれど、今に
なるまでうまく答えを見つけられなかったのかも、
という気がします。

　祐巳の気持ちについては、乃梨子が瞳子に
強く語りかけていました。が、あの表現だけが
正解かというと、またちょっと別のようにも
思えます、、、。乃梨子は、祐巳の気持ちの
大きさを言い表していましたけれど、この
部分には上級生に対する下級生の感じ方、
太刀打ちできないという気持ちがあるのでは
ないかと。
　とはいえ彼女の意見は、瞳子の行動基準を
改めさせるのには効果があったようです。
瞳子はあの場で祐巳をすべて理解できた
わけではないのでしょう。でも答えを
手に入れるためにどうしたらいいのかは
わかったと言えそうです。求める先に何が
待っているのかは、次回、明らかになるの
でしょうか。

　もう１人の、祐巳と瞳子を取り巻く女性、
祥子の考えも今回描かれていました。彼女は、
祐巳とのつきあいが長いだけあって、祐巳が
自分達に与えてくれているものが何なのかを、
よりはっきりと意識しているようです。
　彼女や瞳子は、家柄やそこにまつわるいざこざの
せいなのか、素直に自分を表現する事を
避けようとする人生を送ってきたみたいです。
そんな自分にとって、祐巳のような、素直
すぎるほど素直で、考えている事がすぐに
顔に出てしまうような女の子がどれほど強い
影響を与えてくれたか、、、という事を、祥子は
覚っているようです。
　そして祥子がその事を誰かに言うのは、
もしかしたらこれが最初なのかもしれません。
でも今の瞳子になら、祥子の言葉の意味は
わかるのではないでしょうか。そして瞳子が
そこから何を決心したかは、この先の彼女の
行動が証明するのでしょう。

　この時の２人の会話では、祥子が瞳子を
ライバルとして見ようとしている節がある
ように思えますね。祐巳を挟んで、どちらが
自分の方へ彼女をより振り向かせる事が
できるか、みたいな。
　最初は祥子は、祐巳に妹ができたらその
女の子に自分の位置を譲ろうとしているのかな
とも感じられました。新しい姉妹２人を立てて
自分は「おばあちゃん」になろうとしていたの
かな、と。何か百合な恋愛のステージから
降りようとしているようで少し寂しかったの
ですけど、実は全然そういうわけではない
ようですね。安心(?)しました。
　祐巳に対する愛しい思いを隠したり、誰かに
託したりもしない。自分が祐巳を愛しているの
だから、誰にも邪魔はさせない、、、。祥子の
振る舞いには、祐巳とのふれあいから得た
素直さやそれをごまかしたりしない意志の
強さが表れているような気がします。これは
百合的にも心強く思えます。

・「マリア様がみてる」レビューリスト、レビューセンター