マリア様がみてる 4thシーズン 第５話

　２人でいろいろな事をしたい、いつでも
お互いを支え合えるようになりたい、と
願うなら、自分達の立場や、何ができるのかを
きちんと把握しておく必要がありそうです。
これは今の祐巳には、そして祥子にもまだ
うまくできていないみたいですね。

　4thシーズンアニメ「マリア様がみてる」、
第５話「紅薔薇のため息」です。
　祐巳達は薔薇の館で試験勉強の真っ最中。
勉強に身を入れるには自分に嬉しい事を
用意しておくと言う乃梨子の言葉を受けて、
祥子は遊園地へ行く事を提案する。祐巳は
早速メンバーの都合を聞き始めるのだが、
なぜか祥子は彼女を引き留めた。

　祥子から、妹を作れと言われても、なかなか
その気にはなれない祐巳。でも同じ口から、
２人きりで遊園地へ行こうと誘われて、素直に
嬉しさを感じていますし、「お姉様とのデート」を
意識してつい時間より早く待ち合わせ場所に
着いたりしていますね。
　その思いは、祥子も同じだったようです。
休日に祐巳と一緒に遊べると思っただけで、
彼女も期待と興奮でいてもたってもいられなかった
みたいです。
　そして２人の望んだ通り、遊園地は楽しい事で
いっぱいでした。ぬいぐるみ達のパフォーマンスを
見たりゲームに挑戦したり、普段の生活では
味わえない、体育祭や学園祭とも違う時間を
過ごします。

　もちろん、こんなに楽しい理由は、隣に
愛しい人がいるから。他のどんな人と来ても、
また何人で来たとしても、祐巳と祥子には
この時以上に喜びを感じる事はできなかった
でしょう。ちょうど２人、それ以上でも
それ以下でもなく、そして相手は祥子と祐巳、
この１組の組み合わせだけ。この人と一緒に
いられるなら、どこへ行っても、何をしても
満たされた気持ちになれる、彼女達は自分でも
意識しない内にそう感じていたのでは、とも
思われます。

　けれど、２人で生きて行くには、まだ足りない
ものがあるようです。学園の外の環境に対応
するための「配慮」、そして２人の内どちらかに
もしもの事があった時に相手を支えてあげられる
だけの「力」、、、。今回の彼女達は、デートに
浮き足立ってしまって、自分達が社会の中で
どれほどの存在なのか見誤ってしまったのかも
しれません。
　祐巳には、祥子を抱えて歩く優の背中が
うらやましく見えるのと同時に、自分が情けなく
思えたのではないでしょうか。自分だって
お姉様の事を何でも気づいて喜ばせてあげたい、
お姉様がピンチの時は自分の力で救ってあげたい、
なのに、、、。
　考えてみれば祐巳も祥子もまだ高校生ですし、
今の時点で２人だけで誰の手も借りずに
やっていくのは難しいのでしょう。その現実を
突然突きつけられてしまった祐巳は、今回
ちょっと反抗的になっています。これは、
彼女と祥子との関係を「依存」と表現した事の
ある祐麒の目があったのも影響しているの
かもしれません。が、今回の経験で、彼女は
自分達の置かれている状況に目を向け始めるの
ではないでしょうか。また祥子も、祐巳との
間でこれからずっと続いていく未来を
意識しているようですし、彼女達が成長し
自分の事に責任を持てるようになったら、
その時は胸を張って手を取り合い一緒に
歩んでいけるのでは、という気がします。

　今回ちょっと珍しかったのは、祐巳と祥子の
SDキャラが出てきた所でしょうか。この
デザインは「マリア様にはないしょ。」と
同じみたいですね。祥子の妄想(?)を表現
するにはお似合いだったかも？
　それから、やっぱりピザの存在が大きめに
取り上げられていますね。前の記事にも
書きましたけれど、これから作品内で
「ピザ度」が上がっていくのかな、、、？
　もう一つは、祐巳が祥子を呼ぶ時の名前
、、、。もちろんリリアンでは「お姉様」なわけ
ですが、遊園地でもそれは変わらなかった
ようです。リリアンでの制度を知っている
人ならわかるのでしょうけれど、何も
知らない人が、女子高生同士で「お姉様」と
呼んだりしているのを耳にしたら驚く
でしょうね。その辺りをあまり意識せずに
連呼していた祐巳の姿は頼もしかった(?)
ように思います。

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