マリア様がみてる 4thシーズン 第３話

　山百合会の企画として、生徒達に喜んで
もらえそうなものを、と考えた祐巳。最初に
考えた通りに物事が進むかどうかは、彼女
だけではどうにもならない事だったりするの
でしょうか、、、。

　4thシーズンアニメ「マリア様がみてる」、
第３話「妹（スール）オーディション」です。
　祐巳と祥子が姉妹の契りを交わしてから
１年目の夜、祥子は祐巳に、妹を作るよう
言い渡した。妹を持ちたいという気持ちに
なかなかなれない祐巳は悩む。そして由乃も
立場は同じだった。

　、、、最初に原作小説でこの巻のタイトルを
見た時、「妹をオーディションで決めようと
するなんて」と驚きました。まあ本当の所は
違う方向性になっているわけですけれど、
それだけ祐巳達が追いつめられていた(?)という
意味なのでしょうね。

　姉妹とは基本的に２人の間だけの、それも
親密な関係で、姉妹を作るかどうか、姉妹に
なるなら相手は誰か、という事については
他の人はあまり口出しできないのでしょう。
このつながりが問題になるとしたら、例えば
親しい友達が気に入らない娘と姉妹になった
とか、複数の人が同じ人を姉妹にしたいと
思ったとかいう場合が考えられそうです。
それだって、普通なら小さい規模のもめ事で
あって、学園を巻き込む一大事になったりは
しないのでしょう。
　けれど祐巳の場合は違ったようです。「広く
姉妹の出会いの場」を提供する予定だった
茶話会は、どうしてもつぼみ達の妹探しの
色合いが強くなってしまい、１年生の間では
無意味な探り合いやらちのあかないうわさ話が。
瞳子も自分の意志通りには動きづらくなって
いるみたいです。
　瞳子は高等部に進級した春から山百合会に
入り浸っていましたし、志摩子と乃梨子を
結びつけたおメダイの授与式での一芝居を
はじめ、何かと目立っていました。今回の
ような事があると真っ先にやり玉に挙げられる
位置にいたのかもしれません。
　けれど、理由はどうであっても、姉妹の契り
というデリケートな問題が公の行事のように
扱われると、とたんに何気ないふれあいでさえ
周囲を気にしなければならなくなってしまうの
ではないでしょうか。スールはリリアンでは
誰もが知っている関係ではありますが、それを
結ぶのは、いつどんな時でも、たった２人の少女
だけのはず。周りは見守ってやるだけの方が
良いのでは、とも思ってしまいます。

　では今回ちょっとした騒ぎになってしまったのは
、、、祐巳が薔薇のつぼみだったから、という
よりは、祐巳が１年生に人気があったから
らしいです。祐巳の妹になりたいと思っている
生徒達にとっては、茶話会は大きな、そして最後に
なるかもしれないチャンスだったのでしょう。
ここで何とかアピールしなければ、という
思いが、彼女達を焦らせているのかもしれません。
　、、、ちょっと不思議に思ったのは、祐巳って
そんなに人気があったの、という部分だったり
します。今まであまりそういうエピソードが
なかった気がしたものでつい。例えば去年の学園祭
では、彼女が薔薇の館にいると山百合会に
相談しやすい、みたいに言われていましたけれど、
あれは祐巳が１年生の時の事でしたし。
　祐巳が下級生から憧れられる描写があまり
なかったのは、演出？　それとも祥子が、祐巳に
気づかれないように裏で画策、、、なんて事はない
でしょうけれど、少し謎な気はしますね。
　まあそれはそれとして、他の生徒達が祐巳を
どのように見ているかについて、祐巳自身の
自覚が少なかったためにこういう状態になった
とも考えられるかも。祐巳は祥子の妹になった
時点である程度覚悟をしなければならなかったの
では、とも思えますが、ただひたすらに祥子
との甘い生活を夢見る彼女には難しい仕事
だったのかもしれません。それだけ祥子以外と
姉妹の契りを結ぶ事は想像できていなかったの
でしょうね。

　その祥子は、最近何かにつけて「妹作り」の
話題を祐巳に持ちかけていました。今回も彼女の
姿勢は変わらず。けれど、前にも書きましたが
裏には何か別の気持ちがあるような気がします
、、、。
　また瞳子については、彼女がどういう家の娘
なのか、どういう性格の女の子なのか、祥子は昔から
よく知っているのでしょう。ですからもし祐巳が
瞳子を妹にしたら、というシミュレーションは
既にしているのではないかと思われます。特に
今は祐巳に対する可南子の依存のようなものも
解消しつつあるようですし、シミュレーションの
確率はますます高くなっているのでしょう。
そこに祥子の求めている未来があるのかどうか、
少なくとも本人は意識しているのでは。祥子が
卒業を前にどういう風に気持ちが移り変わって
いるのか（いないのか）、知りたい所ですね。

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