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2008年12月29日 (月)

マリア様がみてる OVA第3巻

 少なくとも学園では、祐巳は山百合会の
メンバーで、何かと生徒達からは注目される
存在。そうなる事は、祥子の妹になった瞬間
からわかっていたはずですが、可南子ほどの
人はこれまでいなかったのでしょうね。

 3rdシーズンOVA「マリア様がみてる」、
第3巻「涼風さつさつ」です。
 リリアンの体育祭や、隣の花寺の学園祭の
手伝いなどイベントが増えてくるこの時期、
山百合会の活動は忙しさを増す。そんな折、
薔薇の館には、無償で助っ人を引き受けて
くれる細川可南子が頻繁に訪れるように
なっていた。彼女は祐巳の事を崇拝している
らしかった。

 この巻のレビューが今頃、という感じも
しますが、個人的に実はまだ見ていません
でした、、、。1月から4thシーズンのテレビ
放送が始まるのに合わせて見ています。

 祐巳とその周りの人達の環境って、割と
変わってきているように思います。最初
彼女は、祥子にあこがれるごく「普通のお嬢様」
で、友達の桂や蔦子と一緒に学園生活を
送っていました。それがあるきっかけから
山百合会と関わるようになり、、、。
 この辺りから、彼女は学園の他の生徒達に
注目され始めます。それまで一般の生徒には
敷居の高かった薔薇の館に彼女がいる事で、
何となく安心感を与えたりしていたようですね。
また、バレンタインデーイベントでは、
妹である祐巳なら姉の祥子が隠したカードの
ありかを知っているはず、と後を追い回されたり
、、、。
 祐巳が自分をどんな女の子だと思って
いるのかとは全く関係なく、周りは、彼女が
山百合会の一員だという点、祥子の妹だという
点から彼女を判断して行動しています。まあ
もっともこれは、祐巳自身についてこれまで
知らなかった生徒達がとるべき選択としては
妥当なのでしょう。
 祐巳は去年の学園祭の頃から、ずっと
そういう状態にあったと言えそうです。
とすると、彼女の本当の部分を知らない生徒が
誤解して彼女に何か接触してこようとする
例は、これまでにもあったのではないかと
思われます。その辺りが本編であまり
出てこないのは、可南子のエピソードが
あまりにも印象が強いから、だったり?

 可南子については、この次のストーリー
でも重要な役割にありそうなので、彼女が
ずっと抱えてきた気持ちが何なのかは
やがて明らかにされるのでしょう。今回
だけだと自分の思いを押しつけるだけの
一生徒という感じになってしまいそうですし
、、、。
 それと対比して、瞳子も祐巳に対しては
少し気にかかる部分があるように描かれて
いました。このところ薔薇の館にあまり
来なくなった瞳子は、祐巳を避けている
わけじゃない、という風に言っています。
その後の表情から考えても、彼女はこの
時点で祐巳を単なるライバルとかとは違う
人と見なしているようです。その気持ちは、
この後ゆっくりと語られていく事になるの
でしょうね。
(ところでこの場面の祐巳は、やたら瞳子に
じゃれついていたように思えます。祐巳も
意外とまんざらでもない、という意味?)

 祐巳は、今回の経験から、自分がどういう
立場にいるのかを考え直さなきゃなのかも
しれませんね。「お姉様」だけを追いかけて、
お姉様の方だけを向いているわけにも
いかない、と。
 それは、自立、とか成長、というものに
つながっていく思いなのでしょう。学園を
舞台にした小説の主人公には必要な要素と
考えられそうです。
 気になるのは、それが祥子との関係に
どういう影響を与えるのか、という事だったり
します。「依存」とも言えそうな結びつきは、
百合な愛情の一つの形として描かれる場合も
あるでしょう。けれどそれが解消されて
祐巳が独り立ちしていくなら、祥子との
絆はどうなるのか、、、。
 今回の冒頭で、祥子は祐巳に対して、早く
妹を作って安心させてほしい、みたいな事を
言っています。真面目な祥子にとっては、
山百合会に対する使命感だけを考えれば、
生徒会の運営を将来にわたって支えてくれる
1年生が祐巳の妹になるのは喜ばしい流れ
なのでしょう。
 では祐巳にとっては? 大切な人と姉妹の
契りを交わす、というのは彼女にしてみれば
夢のような甘い出来事なのかもしれません。
そして彼女は実際に、祥子という憧れの
女性と姉妹になる事ができました。
 「姉妹」については祐巳にはもう十分な
状況なのでしょう。由乃についてもこれは
同じのようで、2人は妹作りとなるとあまり
気が進まないようです。(志摩子はもう1年生の
妹がいますから今は安泰(?)なのでしょう。
でも彼女が3年生になったら、祐巳達と
同じように悩んでしまうのではないかという
気がします。)
 姉妹の仲が良ければ良いほど、その2人
以外へ発展する余裕がなくなる、といった
面が、「姉妹システム」にはあるのかも、、、。
先輩が後輩を指導していく本来の姿を
たどろうとするのなら、祐巳と祥子はもっと
ドライな関係を強いられてしまいそうですね。
2人が「姉妹」をどういうものだと捉えて
いるのかによって、意見の食い違いが
生まれてきそう?
 まあ原作では既に新しい姉妹ができあがって
いるためこの辺りの問題には答えが出されて
いるのですよね。けれどアニメでどういう
演出が入るのか、みたいな所が気になります。
是非百合満載でお願いしたいです。

 後半の花寺の学園祭では、祐巳と祥子の
固いつながりが全面に描かれていました。
ここでは詳しく書きませんけれど、祐巳も
祥子も、ただ言葉で言うだけではなく、本当に
相手を気遣っていて、相手の事なら何でも
わかる、そういう関係なのでしょう。誰に
見られていようとも、何と言われようとも、
恥じる事なく相手を求める。そんな2人は
強い愛情で結ばれているのではないでしょうか。
(第2巻までのエンディングテーマ「Chercher」は、
このエピソードにぴったりですね。)
 最後の場面の演出も良かったですし、
アニメ的にはこの2人の関係をより色濃く
扱ってもらいたいかも、、、。この先
彼女達はどんな感じに描かれていくの
でしょうね。

・「マリア様がみてる」レビューリストレビューセンター

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