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2008年11月17日 (月)

櫻の園 映画第1作

 見える形にはなっていなくても、2人の間には
確かな絆が生まれたのでは、という気がします。
写真を撮る場面などでは、女の子同士の気持ちの
上でのつながりが表れているのではないでしょうか。

 現在劇場公開されている映画「櫻の園」は、
1990年に第1作が制作され公開されました。
最近この第1作がテレビで放送されていて、
私も見てみました。
 ストーリーは、、、伝統ある校風の私立桜華学園
では、毎年4月の創立記念日に、演劇部により
チェーホフの「桜の園」が上演される。今年も
その季節になり、部長の志水由布子をはじめ
部員達は準備に追われている。しかし、上演日の
直前に、部内で問題が発生した。

 この作品では、劇の上演が始まる2時間前から、
ほぼリアルタイムで部員達やその周りの人達の
物語が描き出されていますね。たくさんの
登場人物、生徒だけでなく先生にも考える所が
あって、それがいろいろなエピソードと一緒に
語られていきます。
 前半はあまり場面転換がなく、部員達が
集まってはしゃいだりうわさ話をしたりする
辺りはいかにも学校っぽい空気感が出ている
ようです。そこに、パーマやたばこ(それから
男も?)など少し危なっかしい要素が入ってきて、
彼女達の不安定さや人に言えない寂しさ
みたいなものを引き立てている感じがします。

 映像的には、杉山紀子や中野綾子が登場する
場面などけっこう印象が強かったように思います。
特に紀子は、物語の鍵になるような思いを
秘めている女の子なので、最初に現れた時の
彼女の周りの雰囲気もしっとりと落ち着いて
いましたし、彼女自身にも存在感がありました。
 他では、里美先生と中村先生が、桜の花びらの
舞い散る中を、語り合いながらゆっくりと
歩いていく場面なども効果的だったのでは
ないでしょうか。劇を演じるのは生徒達です
が、大人達にも思い入れがあるとわかる部分
ですね。

 さて百合についてですが、、、うぶな高校生の
女の子同士が、たどたどしく思いを伝えあう
みたいな感じが良かった気がします。劇的な
展開ではないけれど、2人の女の子が真剣に
自分の気持ちを相手に語る場面は、静かに
盛り上がってくるイメージですね。
 そしてその後の場面では、2人は一緒に写真を
撮っています。ここがまた趣があったかも。
少しずつ互いに寄り添っていく彼女達は、2人の
間の距離と同じように、だんだん気持ちも
近づいていってるのでしょうね。
 彼女達はちょっと前までは、お互いの本心を
知らなかったと言えそうです。思いを寄せていた
女の子は、相手に告白してもうまく受け入れて
もらえるかどうかわからなくて、不安だったの
かなと思えます。
 「親友」や「憧れ」みたいな感覚は彼女達の周りに
ありふれていました。が、女の子同士での恋愛
となると誰も公には語っていません。そんな
状態から、自分達の持っている思いが通じ合って
いると知る事ができるのだとしたら、当人達には
とても嬉しい出来事でしょうね。
 そんな嬉しさがいっぱいになって、あれほどの
笑顔があふれたのでしょう。2人はどんどん
近づいていきます。これが今の彼女達ができる
愛情表現の形なのかもしれません。

 でも女の子に思いを寄せている女の子は、
彼女達だけではありませんでした。その子は、
喜びを分け合っている2人をひっそりと
見守っています。
 彼女にとっては、好きな女の子が他の
女の子を好きだった、という状況なのですよね。
しかもその状況を前から気づいていたみたい
です。、、、好きだからずっと見てきた、
だからその人が誰に好意を持っているのかも
すぐわかる、という所なのでしょう。
 相手が女性を愛する気持ちを持っている事は
素直に嬉しいのかもしれません。でもその
お相手が自分でなければ意味がないかも、、、。
 こんな場合、人によっては相手に積極的に
アタックしていって自分をアピールする、
という展開もあるかもしれません。けれど
彼女の場合はひたすらに自分の思いを隠し
続けているようです。相手の気持ちを尊重
したいと考えているとか、相手が別の人を
見ていると知った時点であきらめてしまった
とか、いろいろ理由が考えられそうですね。

 この作品では、登場人物の心情としては百合に
発展できるものは十分にあったように思います。
でも映像での表現ではそれほどはっきりとは
描かれていない気がします。もしかしたら、
この第1作が制作された1990年頃だと、
百合がメインの題材に扱われる事が少なかった、
なんて事情がある? 例えば、女の子同士の
恋愛は、この頃の映画の題材として一般的では
なかったため、キスなど直接的な表現が
取り上げられなかった、みたいな理由が
あったりするのでしょうか、、、。まあ
その辺りはよくわかりませんけれど、この
作品に登場する彼女達の描き出すほのかな
雰囲気に百合を感じられるのでは。由布子達の
気持ちの動き以外だと、志摩子と敦子の
仲の良さなどもちょっと百合的かもしれません。

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百合レビュー」カテゴリの記事

コメント

ご覧になりましたか・・・。

私も・・・原作コミックを引っ張り出して見てしまいました。(笑)

う~ん・・・良いな・・・・改めて原作を見ると、映画の描写の見事さにため息が出ますね。

>彼女達の描き出すほのかな雰囲気に百合を感じられる

原作では、百合と言うよりは、思春期の少女たちの揺れる心情を描いていると感じます。幼い頃のほのかな恋心、裏切られた思い。少女から女性になることへの戸惑いと、かけがいのない日々への惜別の思い・・・。人を好きになる事への恐れと憧れ・・・。

映画の「写真の場面」は原作にはありませんが、漂う雰囲気は同じですね。

新作にも同じ「出来」を期待したいところですが・・・。

投稿: 雪太郎 | 2008年11月23日 (日) 14時35分

お返事が遅れちゃいました、、、。
写真の場面は雰囲気が良いなと思っています。原作でも
あの感じが共通しているのですね、ちょっと嬉しいかも。
この前、映画の新作の方を見てきましたが、ややライトに
なっている気がしました。

投稿: ギンガム | 2008年11月29日 (土) 01時44分

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