ペンギン娘 はぁと 第21話
自分に力がないとわかっているから、ペンギンは
自分ではない何かに「なりたい」と願っているみたい
です。でもその人にはなれなくても、一緒にいられる
なら、お互いにいろいろなものを分け合って、強く
なっていけるのでは、という気がします。
無料ネット配信中のアニメ「ペンギン娘♡はぁと」、
第21話「さくらと鯨、ふたりはマジピュア」です。
マリアナと対峙するペンギンは、鯨のコスプレ
パワーで相手への反撃を開始する。同じ頃、鯨は
ペンギン達のいる搭の頂上へたどり着こうと、
ひとり絶壁に挑んでいた。
ペンギンは、鯨になりきるためのアイテム「択捉さん
コスプレはちまき」を、自分の「お守り」だと言って
いました。このアイテムが最初に登場したのは、
2人が出会って間もない第1話の頃。たぶんあの時
生徒会長候補として、ライバルとして鯨と戦った
思い出が、ペンギンにとっては大きな位置づけに
あるのではないでしょうか。
というのも、鯨やねねに出会うまでのペンギンって
今とはちょっと違う感じだったのではないかなと
思えるのですよね。破壊された街をたちまち元に
戻してしまうほどの経済力を持った南極財閥の
後継者で、望めば手に入れられない物なんてない
生活を、ペンギンはずっとしてきたのだと思います。
その中で特に目をつけたのは「竹の子ちゃん」の
グッズ。自分の部屋の中に竹やぶを作ってしまう
ほどの入れ込みようでした。彼女はたぶん前の学校
でも、周りから「Aガール」と認められる存在だったの
でしょう。前の学校の友達とかについて、彼女の
口からは何も話されていないのでよくわかりません
が、本人は「竹の子ちゃん」さえあればそれでいいと
思っていたりしたのかもしれません。
原作の第1巻の表紙や、とらのあなでフィーチャー
されている「ペンギン娘グッズ」のイラストなどを
見ていると、ペンギンが割と無表情な顔をしている
絵柄が多かったりします。北極学園に転校してくる
前の彼女は、こういう表情でいる事が多かったのかな、
なんて思ってしまいます。(この辺りについては前に
別記事で少し書きました。)
ペンギンは、転校初日から自分の「パジャマ」で
趣味を全開にしてました。彼女の顔かたちを見て
「かわいい」と騒ぎ立てていた男子達も、彼女の
ディープな趣味にはついていけてないようですね。
でも鯨やねねは、ペンギンの事を正面から受け止めて
いました。まあ趣味は趣味として、彼女の嘘のない
言葉や、自分だって弱いくせに困っている人が他に
いれば助けずにはいられない正義感など、うわべに
隠されて見えづらい部分を、鯨達は理解してあげられたの
でしょう。
ペンギンも、ありのままの自分を見てくれて、
友達でいてくれる彼女達に、強く引きつけられて
いたのでは、と思います。(小さい頃に出会った
「イケメンさん」に鯨が似ている(まあ本人ですけど)
とか、ねねの優しい巫女さんぶりに癒されてるとか
そういう要素もあるのかもしれませんけれど、、、。)
その後どんどん友達は増えていきますが、ペンギンに
とってはいつでもこの3人がベースなのでは
ないでしょうか。
ところが白クマを助けに行こうとしたペンギンは、
鯨と意見が衝突してしまい、ねねだけを連れて
敵の待ち受ける場所へ向かいます。すぐに行動を
起こさない鯨に愛想を尽かしたような格好ですね。
そうして彼女はマリアナと対決する事になりますが、
相手の強大な力の前に、一方的にやられてしまいます。
「マジカルペンギン」は簡単に打ち負かされ、
コスチュームは切り刻まれ、体中血だらけ、、、。
そんな彼女が最後に取り出したのは、「鯨にコスプレする」
ためのアイテムでした。どんなにけんかしても
仲違いしても、ペンギンにとって鯨が大事な存在
であるとわかる瞬間のように思えます。彼女にとって
鯨は正しさの象徴、自分がなりたいと憧れ続ける
正義のヒロインなのかもしれません。
でもいくら正義のヒロインだったとしても、1人で
勝手に真似するだけでは何の力にもならないようです。
ペンギンはすぐにまた絶望を味わう事に、、、。
そこで鯨が教えてくれたのは、真似なんかする
必要はない、という事でした。「友達を助けたい」
という気持ちはペンギン本人のものだから、その思いを
素直に表せばいい、と鯨は言いたかったのでしょう。
そして2人の技が誕生するのですが、、、技の名前を
叫ぶのはこれまでにもありましたが、「マックス」
ってはっきりと言っちゃってますね、、、。まあここは
「ふたり」の絆がパワーを生み出す場面ですし、これぐらい
言っておかないとなのかもしれませんね。それと2人が
ポーズを決めた時にハートマークが飛び出したのも
作品タイトル的には合っていると言えるのでしょう。
この作品は、やはり女の子同士の強い友情が主題と
言えそうですね。それが発展すれば百合が生まれると
思われますが、次の第22話でそこまで描かれるのか
というと、、、どうなのでしょうか。期待したい所では
あります。
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